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zoom RSS 透明な旅路と  あさのあつこ 講談社

<<   作成日時 : 2005/07/12 21:54   >>

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あさのあつこさんの珍しい大人向けホラーです。装丁が彼岸花で、これまた幻想的。中身も・・。彼岸花。たった一日さいて散ってしまう彼岸花のような、過去の記憶と幻の間をただよう数日間の物語です。すべてに行き詰まって行きずりの女を殺して逃げている男。いや、逃げているという意識もなく、ただ疲れて漂っている、と言ったほうがいいのかも。そんな男が、山奥のトンネルの向こうで、幼女を連れた少年に出会います。「お家に帰る」というカコという幼女の言うままに車に乗せて、鄙びた温泉に向かう3人。どう考えてもおかしい二人の様子をいぶかしみながら、いつしかカコという幼女に愛情を抱き始める男。そんな男に皮肉な言葉をあびせる、白兎という少年。

男には、昔山に行ったまま死んでしまった兄がいたのです。美しく聡明な家族の自慢の兄。その兄が急に亡くなったことから、母親は彼と兄を混同するようになります。その記憶と、目の前の少年と、殺してきた女の白い首と、カコの無邪気な言葉。それらが渾然とする不思議な世界をあさのあつこさんは丁寧に描き出しています。謎解きがきちんとされていない、という批判も他サイトなどで読みましたが、これは謎解きがないからこそ、現実と幻の世界(もしかしたら、男の精神世界なのかも)を漂うような、この小説の雰囲気が維持されているのでは、と思いました。これはミステリーではなくて、ホラーだと思うんですよ。もしくは心の旅の物語なのかもしれない。そして最後に帰っていく旅のラストシーンが、心をうちます。

雨の日に読んだせいか、田舎の古い家の匂いを思い出したりして、ゾクゾクしました。寝苦しい夏の夜になぞ読むと、涼しくなるかも。

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