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zoom RSS 水鏡綺譚 近藤ようこ 青林工藝舎

<<   作成日時 : 2005/08/01 22:28   >>

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吉本ばななさんの日記で、これが完結していることを知って(遅い!一年たってるよ)読んでみました。ばななさんも書いておられましたが、これは傑作だなあ。近藤ようこさんの中世ものはどれも面白いのですが、これはその中でもするっと作品世界に入り込めて、歴史物を読み慣れない人にも楽しめる作品だと思います。

主人公のワタルと鏡子のコンビが、とても無垢で愛しくなってしまう。鏡子の無垢さは、彼女が魂を失っているから。そして、ワタルの無垢さは、オオカミに育てられたという出自のせいか、と思われます。つまり人間の世界から切り離されたところにいるから故の純粋さ・美しさなのです。その二人が、あやしい物の怪や物の怪以上に醜い人間の世界をさまようのですが、その無垢さゆえに居所をもたない。その二人が映し出す人間世界のどろどろが、美しい筆致で淡々と描かれます。「今昔物語」の語り口に似てるなあ。感傷や思い入れをおさえて「こんなことがあったんだよ」と静かに語るような世界。だから余計にお話の内容が心に残ります。

ワタルにとって、一緒にさすらう鏡子がどんなに愛しい存在だったか。そして、ワタルと一緒にいた鏡子がどんなに幸せだったか。十二話の「空ゆく雲」で空を見上げる鏡子の表情がすべてを語っているようで、じんとしました。
魂が戻った鏡子は、ワタルのことを忘れてしまう。忘れてしまっても、悲しいんです。
「こんなに悲しい思いをするなら帰ってこなければよかった」という鏡子の嘆き。切ないなあ。この二人を別れさせたくなかった、という近藤ようこさんの思いが伝わりました。旅はいつか終わるもの・・。また旅立っていったワタルがどこに行ったのか、そんなことを思いました。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
水鏡綺譚
近藤 ようこ 水鏡綺譚 ...続きを見る
個人的読書
2006/07/28 20:05

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
こちらこそ、TBとコメントありがとうございます。
吉本ばななさんも、読んでいたのか、、。
なんか、いいマンガですよね、、。
ワタル、立派な人になるって、言ってましたよね。
なれたのでしょうか、なりたいと、思うだけでもう近づいている
気がします。 
indi-book
2006/08/01 18:22

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