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zoom RSS ガール 奥田英朗 講談社

<<   作成日時 : 2006/03/04 20:04   >>

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画像小説は女が書けたら一人前、といわれますが。
奥田さん、グッジョブ!でした。
仕事をしてる女の人の物語、5編。
どれも「あ〜あ、わかるよ、これ・・」と
思い、クスクス笑って、共感して、ほろっとできて。
読後感さわやかです。

「ヒロくん」
急に抜擢されて管理職になった聖子。
しかし、そこには自分より年上の体育会系男子。
そいつが男のプライドをかざしながらいやがらせ
をしてくる。どうすべきか?管理職、初めての試練。
男の方が嫉妬深い、といいますが・・。
こういう男の人のプライドって、扱いにくいでしょうねえ。
だって、その理由が性差、という一番どうしようもない、
理由のないことなんだから。そんなプライドは、一昔前の
聖子の母親の世代の遺物、といいたいところだけど。
そうじゃあないんだろうな。
「男を立ててやれよ」っていうのは、世間一般の認識かも。
立ててもらわんと、立ってられんのか、というところですが。
それに毅然と向かう聖子の姿が、かっこいい。

「マンション」
自分のファースト・プライオリティは、「自分を偽らないこと」。
う〜ん、これもかっこいい。でもこれを言い切れるこのゆかりの強さ
は、女性ならでは、という気もします。男が仕事場でこう言い切ることは、
非常に難しいだろうなあ。それこそ上下関係をはみだしたら、即座に切られる、
という気がしますが。

「ガール」
「若い」ってことは、女の大きな武器。
しかし、それがなくなってきた時は?
いつまでも可愛い洋服が着たい。おしゃれでいたい。
楽しく遊んでいたい。
つまり現役でいたい、ってこと。でも回りは容赦ない。
「いい年してねえ」という視線に、どう対抗するか?
読んでいて、爆笑しましたわ。だって、自分も「よっしゃ!
ライブに行くお洋服を買うぞ!」と年甲斐もなく、ひらひらの
お洋服買ってきたとこでしたからねえ。
でもさ、自分の好きなお洋服、着たいじゃんか。
私も年相応の格好というのが苦手で、たいがい若い子の
買うようなブランドのものが好き。それもコンサバではなく、
どっちかというとアバンギャルド系が・・。
今日も花柄の巻きスカート風ワンピを買った。それにぴちっとした
ジーンズに、じゃらじゃらのネックレスに、靴は紫、そうだ、ブレスも
紫の石のをしよう・・。とか考えてるのが楽しいんやわ。
たとえ息子がそれをみて絶句しようと。ははは。
そうそう、このお話のように「これでいいの?」と悩むのは30代まで。
それを越えると、もう悩まない(笑)いいんだも〜ん、これでいくんだも〜ん、と、
開き直る。これで、いいのだ!あ、そうか、私はお光なのか(爆)

「ワーキングマザー」
これもねえ。働くお母さんなら、うんうん頷いて読んじゃうでしょうね。
子供を持つことでしなきゃいけない気遣い。
働いていても、どこかでいつも子供のことが気になる。
「女同士は合わせ鏡だ。自分が彼女だったかもしれないし、彼女が
自分だったかもしれない」
本当にそうだなあ、と。
結婚する、子供を持つ。そんな当たり前のことがなぜか当の女同士の
対立を生んでしまう。これは、本当はおかしいことなんだけれど。
一時、専業主婦と仕事を持つ女性をやたらに対立させる風潮が
ありましたよねえ。あれは醜かった・・。お互いの立場に対する
思いやりが全くない醜い言い争いで、非常に気分が悪かった。
たまたまそういう風に人生転がった、
ということなんですよね、結局。
人生のそういう節目に必ず仕事をやめるか、続けるか、という決断を
迫られる。続けられる人もいるし、諸事情からそうではない人もいる。また、続けざるを
得ない人もいるし。一つの価値観で全てを否定するということだけはしまい、と
思います。

「ひと回り」
職場にやってきた、若くてかっこいい男子社員。
速水もこみちくんみたいなタイプかな、と勝手に思った(爆)
一回りも年下なのに、なんだか気になって仕方ない。
頭の中は妄想で満杯。おいおい、と自分に突っ込みながら
それがやめられず・・。
それが自分が年をとった、ということからの現実逃避、という決着に、苦笑。
ははは、剛くん大好きの私も現実逃避かもなあ。
う〜ん、それもあるかもしれん。だって、CD聞いたりライブに行ったりしてる
時は、他のなにもかも忘れてるからなあ。でも、その「忘れてる」という時間は、
私にとっちゃ大切なことなんですが。
これも共感しつつも、ちょっとほろ苦く、いいお話でした・・。

奥田さんの女性に対する視線は、やさしい。
女は、ただ人生を送るだけでこんなにもたくさんのことと葛藤して
いかなきゃならん生き物。その苦味と楽しさをユーモアたっぷりに
書いた、いい作品でした。女性はもちろん、男の人にも絶対読んで
いただきたいなあ。あ、こんなこと考えてんだ、と目からウロコですよ。

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2006/09/08 20:19
【読んだ本】ガール/奥田英朗
評判通り!おもしろかったーっ! 「奥田英朗ってもしかして女性なんじゃないの?」 という巷の感想も頷けます。 この本に出てくるような、30代独身の働く女性が読むと、 こりゃぁ、共感するどころか、 小説の主人公の居所を探し出して訪ねていって、 「あなたの気持ち分かるわ!」と握手して抱き合って、 コトによっちゃぁ、その日のスケジュール次第では、 そのまま飲みに行って大いに語り合いたいと思うんじゃなかろうか。 っていうくらい。 ...続きを見る
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ガール 奥田 英朗 ...続きを見る
読書三昧
2006/09/13 13:30

コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは♪
TBさせていただいたら見事文字化けしてますね〜(汗)
どーにかならんのかなぁgooとウェブリブログ!
「マドンナ」と一緒に読んだのですが、奥田さん一流の優しい目線が嬉しいです。
家にいるものとしては現実はもっと厳しいのだろうと予想するばかりです。
ミチ
URL
2006/03/06 19:57
>ミチさん
TBありがとうございます!でも、ちゃんと跳べるので、このままにしときます(爆)奥田さんはやさしいですね。女の人の目線で書かれていますが、優しさが男性だな、と・・。そうですねえ、きっと現実はもっとしんどくて、やりきれないことの方が多いのでは、と思います。
でも、だからこそこの物語は働く女性が読んだら、スカっとできるような気もしますが。どうなんでしょうね?キャリアウーマンの方に意見をきいてみたいですわ。
ERI
2006/03/06 20:18
 同志と世の男性諸君へ、確かにそんな感じがしますね。
奥田英朗という男性が、ちゃーんとオンナの厳しさをわかっている。
そのことが何だか安堵でもある1冊でした。

苦しいことがたくさんあるから、きっと奥田さんが物語の中でスカッと解消してくれたんだと思います。
実に気持ちのいい1冊でした。
☆すぅ☆
URL
2006/04/04 01:29
こんにちは。ほんとに、奥田さん、グッジョブ!ですね。上手い!いい読書でした。それにしても「立ててもらわんと、立ってられんのか」には、私も大共感です!もう大人なんだから、1人で立って欲しいですよねー。
ゆうき
URL
2006/04/29 18:47
こんばんわ
やっぱり、奥田作品のパワーとスピード感は凄いですね!一気に読みきっちゃいました!&私的には、『ギャル』を卒業して『ガール』という言葉が気に入っています。とっても、前向きになれましたし!
KORO
URL
2006/06/04 00:36
>KOROさん
はじめまして!奥田さんの作品は、テンポがいいですよね〜。
あれ?もう終わり?という感じで、いつも一気読みしてしまいます。
ギャルを卒業してガールなんて、奥田さん、やさしい・・。おばさん、なんていわないところが、女心をくすぐりますわ。
ERI
2006/06/04 20:21
おもしろかったですね。この作品。でも、ぼくは奥田英朗にはぜひ長編で頑張って欲しいと思ってます。
すの
URL
2006/06/25 06:22
男性が読んでも楽しめる作品だと思います。
いやほんと、勉強(?)になりました。
働く女性にももちろんオススメですが、
男性、とくに管理職の方々にもオススメかもしれませんね。
こばけん
URL
2006/09/10 16:30
>こげぱんさん
ほんとにそうですね。男性にこそ読んでいただきたい作品かもしれません。
男の人にとっては当たり前の「働く」ということで、女がこれほどいろんな事を考えている、ということ・・。それをこんな風に、明るく、前向きに書いてしまう奥田さんは、素敵です。
ERI
2006/09/11 23:52

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