おいしい本箱Diary

アクセスカウンタ

zoom RSS 犬のしっぽを撫でながら 小川洋子 集英社

<<   作成日時 : 2006/05/04 11:06   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像なんだか小川さんとは、皮膚感覚がとっても似てる
というか、肌に会うんですよね・・。
毎日けっこう本を読んでいると、いろんな世界に足を
つっこんでる気分になるんです。それはとっても
楽しいことなんですが、時々妙に疲れたりする。
そんな時、小川さんの小説を読むと、すごくほっとするんです。
彼女の小説がわかりやすい、とかいうのではなくて
彼女の世界が、自分の感覚になじみやすい、というか・・。
彼女の小説には、私が紛れ込む余地がある。
あの静謐なところの片隅に、私だけの小さな椅子があるような
気がするんですよ。
あの博物館の片隅に。
泉のほとりに。
言葉が失われていく島の一部屋に。
閉じられた空間なんだけれども、ただ空だけは突き抜けている。
そこについつい旅にでたくなります。

そんな私には、このエッセイはとてもおいしいものでした。
始めのほうに書かれている数学の世界と彼女のかかわり
は、なんだか約束された星の軌道が出会うような必然を
感じましたね。宇宙の混沌から真理を見出そうとする数学者
と、「言葉」というあやふやなもので、言葉にできないものを
言葉にしようとしている作家。その二つが交差するときに、あの
「博士の愛した数式」というきらめくような物語が生まれてる。
私も数学、というものからは見放された一人ですが、
わからないもの、理解できないものを感じようとする小川さんの
感受性は素晴らしいと思います。

このエッセイには、他にも「貴婦人Aの蘇生」「まぶた」「ブラフマンの埋葬」
などの物語の生まれる裏話が書かれていて、それもまた小川ファンには
うれしい限り。彼女の小説の迷路に迷うのはとても楽しいことなんですが、
その迷路の始まりを教えてもらうと、これまた迷う楽しみが増える、と
いうもんで。ありがとうございます(爆)
刺繍を習っていた先生の話からも、ああ、これはあの作品に反映
されてるのかも・・・などと色々想像できて、興味深かった。

そして、やはりアンネのことを語る小川さんの口調は熱っぽい。
幼い頃に亡くした親友を語るような感じですね。
悲劇の少女、というのではなく。
生身の感情を持った一人の少女としてのアンネと、彼女はずっと
友達なんでしょう。そうそう、小川さんもこう、少女のような雰囲気が
ありますね。なんと私と年がほとんど変わらないのに、私の小川さんの
イメージは少女だな。彼女の中で、アンネと少女の小川さんはずっと
いろんな話をしているに違いない・・。

「罵られ箱」・・。誰かに罵られた言葉をあつめた箱が、小川さんの
心の中にあるらしい。
小川さん、私「誰かを傷つけた箱」も持ってます。
なかなか心静かに対面できないんですが。
心狭く人の好き嫌いが実は激しい自分の、これはとっても恥ずかしい箱。
これもなかなか一杯にならないですよ・・・。
今「ミーナの行進」を読んでいます。
これもまたとても好きになりそうな予感。ゆっくり読むんだ、これは・・。
そのためにちゃんと買ったからね〜(爆)

おいしい本箱トップ → http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文

記事一覧

犬のしっぽを撫でながら 小川洋子 集英社 おいしい本箱Diary/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる