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zoom RSS 配達あかずきん 威風堂書店事件メモ  大崎梢 東京創元社

<<   作成日時 : 2006/08/12 22:13   >>

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画像「これ、むっちゃ面白いで」という読書仲間の友達に
すすめられて読んだんですが・・。ほんとに、むっちゃ
面白かった!!ミステリ・フロンティアのシリーズは掘り出し物
が多いんですが、これはアタリ!!でした。
本好きにとって、一番ウキウキドキドキする本屋さんという
場所。そのお仕事の一部始終を知る楽しみと、そこで起こる
本にまつわるちょっとした事件の謎が、とてもいい感じに
まとまっています。出てくるキャラも、個性があってとっても楽しい。
何よりも、本を売るということに愛情を持っているところが、いい。
大崎さんは本屋さんにお勤めなのかな?
 
東京近郊にある本屋「威風堂」。そこで働く杏子と、アルバイトの多恵
ちゃんが、持ち込まれる本にまつわる謎をどんどん解いていきます。

「パンダは囁く」

「あのじゅうさにしち いいよんさんわん ああさぶろうに」
ある老人が書いたというメモを持って現れた客。
この老人が求めている本とは、何なのか?
わけわからん要求をもって本を探しに来られる方は、図書館にも
よくおられます。著者も本の題名もわからんと探しにきはる、なんてのは
ざらです。「どこで見ましたか?」とか、「どんな本ですか?」と色々お聞きして
考えるわけですが・・。ベストセラーや自分が読んだ本なら、割と答えられる
こともありますが、もうお手上げ・・ということも、多々ありまして。
そういうときは、ほんと悔しい思いをします。
・・・で、私もこの呪文(爆)を見て考えましたが・・。わかりませんでした。
謎解きを読んで、ああ、そうか!!と納得。これは図書館じゃなくて
本屋さんだからわかるんだなあ。図書館の分類と本屋さんの分類は
全然違うからね〜・・と言い訳しておこう。多恵ちゃん、凄い!!

「標野にて 君が袖振る」

「あさきゆめみし」は私も好きで読んだなあ〜。源氏物語と万葉集が
でてくる、ロマンチックな文学ミステリーになってます。
「あかねさす 紫野ゆき 標野ゆき 野守はみずや 君が袖振る」
この額田王の歌は、大好きで暗唱いたしました。文学少女〜♪
(何年前やねん)悲しいお話ながらハッピーエンドなのも、またよし。
こんな古い愛の歌が、いまも恋人たちを繋ぐ、と思うとほのぼのしますね。

「配達赤ずきん」

タイトルにもなってる短編です。雑誌の配達という地味なところから
緊迫感を漂わせる、いいミステリーに仕上げるあたり、なかなかの
力量かと(えらそうじゃんか)この雑誌の配達を黙々とする「ヒロちゃん」
という女の子のキャラクターが、とってもいい。不器用でも、一生懸命。
彼女の純な気持ちを勝手に醜く誤解して、汚く立ち働いた男に彼女が
投げた一言が、よかった。罵りの言葉より、突き刺さったんじゃないかしら。
うん。汚い気持ちは汚いものしか呼ばないし、きれいな気持ちは
他から汚されない。それが嬉しかった短編でした。

「六冊目のメッセージ」

威風堂で、入院している女性に、素敵な本を選んでくれた、職員以外の人。
それが誰なのか?この謎解きも楽しかったんですが。
誰かのために本を選んで、それがその人の気持ちにぴったり合う。
自分がいいな、と思ったところが、ちゃんと伝わる。
それは、心の交歓をしているのと同じこと。こんな縁で彼氏彼女に
なれたりしたら、とっても素敵だなあ。しかも、この青年、なかなか
の人物。見ず知らずの人のために、誠意をもって本を選んでる。
しかも、それがセンスよし、とくればもう何をかいわんや。

読んだあと、この後の展開を想像して、心がほのぼの致します・・。

「ディスプレイ・リプレイ」

自分の思いいれのある作品って・・。ありますよね。
まるで自分の一部のように思われる、「これは私のために
書いてくれてるんじゃないか」という妄想まで生んじゃいそうな作品。
そういうファン心理の複雑さを突いてあります。
「アンチ」という言葉にドキっとしてしまうのは、日頃そういう形の悪口に
いやな思いをしているせいか。でも、いい形に決着がつけてあって、
ほっとしました。

「本」というもの。私の毎日になくてはならないもの。
私から本を取り上げたら、なんにも残らなくなっちゃうかも。
そんな「本」を扱う人たちの愛情を感じる、素敵な物語でした。
いい本屋さんは、心の潤いです。
これ、続編がでることに決まってるようです。
楽しみだなあ・・。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=001098


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多趣味が趣味♪
2007/10/22 21:04

コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、ERIさん。
書店が舞台になるのは珍しいですね。
「六冊目のメッセージ」が良かったです。私ならどんな本を選ぶか、と思ったりしました。でも、入院している人に持っていく本って難しそうですね。
モンガ
2006/12/07 19:10
>モンガさん
こんばんは!!忘年会続きでお返事が遅くなりました〜m(_ _)m
入院してるお友達に持っていく本って、難しいんですよねえ。
面白くて、さらっと読めて、心がなごむもの・・。
私は写真集とか、軽いエッセイ、マンガを持っていくことが多いです。
しんどいときに、がっつりミステリーとかはツライですもんね。
自分なら、きっと物凄い大作を読みたくなったりしそうですが。
どうなんでしょう?
ERI
2006/12/10 23:14
今年もよろしくお願いします。
本好きには、たまらないお話でした。
自分の薦めた本が、相手に気に入られることってとてもうれしいですよね。「六冊目のメッセージ」では、それが恋に発展しそうで、とても素敵は展開でしたね。

2007/01/06 21:44
>花さん
あけましておめでとうございます。
自分の薦めた本を気に入ってもらえるのって、ほんと嬉しいものですよね。私も、時々このブログから本を読んでもらって、「面白かったです」とか言ってもらうと、ああ、やっててよかったな、って思います。
恋・・・には発展しませんが(当たり前ですから!!)
ERI
2007/01/07 22:08
本を売る、扱う人たちの愛情が伝わってくるような、素敵な物語でした。
私も、おすすめした本を読んでもらって、気に入っていただけることがあると、うれしくて、ブログをやってて良かった〜と思います。教えていただくことの方が圧倒的に多いのですけど(笑)。
藍色
2007/01/31 14:56
>藍色さん
そう。人に薦めた本を喜んでもらえるのは、本好きの喜びです。
私も、教えてもらうほうが多いですねえ。世の中、たくさん読みたい本があります。でも、いかんせん時間がねえ・・タメイキ。
ERI
2007/02/01 10:22
こんばんは♪
図書館にも謎の本を探しにいらっしゃる方がいるんですねー(笑)
シリーズ化しているし面白いのかな?と思って読んでみたんですが、本好きにはたまらない設定でしたね。パンダ出版社・・・新潮文庫か!みたいなマニアなお話(笑)
tomekiti
2007/10/22 21:11

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