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zoom RSS 教室の祭り 草野たき 岩崎書店

<<   作成日時 : 2006/11/15 01:01   >>

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画像この本とは関係ない話なんですが・・。
このところ、やたらにイヤなトラックバックを付けられてまして、ほとほと
困っておりました。嫌がらせだけであんなことをするのが、もう堪らなく
人を滅入らせますよね。あんな作業をひっそりしている精神状態を
考えると、その心根に寒気がいたします。
そして、ニュースを見ると、もう寒々しい話ばかりで。心が痛んで、テレビも
新聞も見る気がうせたりしますね。子どもが傷つくことが多すぎる。
子どもの命が奪われすぎる。なんで、どうして、と思いながら何もできない
自分が、はがゆくて辛いですよ。

この物語も、小学校高学年という難しい時期にさしかかった女の子の話です。
このくらいから、女の付き合いというのはグンと難しくなるんですよねえ・・。
主人公の澄子は、五年生になったばかり。
嬉しいことに、新しいクラスで、これまで一緒のグループにいた直子と同じになれた。
飽きっぽくて、一つのことが続かなかった澄子にとって、絵が上手で自分の世界を
持っている直子は、憧れの存在だったのだ。自分にないものを持っている直子と
もっと仲良しになりたい澄子。しかし、塾がきっかけで仲良くなってしまった
てっちゃんとカコの、華やかな二人にも、心が惹かれはじめる。
そして、なんとなく直子ときまずくなりだした時、直子が登校拒否になってしまう。
なんだか自分のせいではないかと苦しむ、澄子。
しかし、そんな思いはてっちゃんとカコには通じない。二人は、「ナオナオ探検隊」
などと、はしゃいで澄子を連れて、直子の家に行ってしまったりする。
自分の思いが、どんどん違った方向に行ってしまうのが辛くて仕方ない、澄子・・・。

一緒に騒いで、はしゃいで、その場を楽しむ「仲良し」。
女の子の付き合いには、これがけっこう重要なことだったりするんですよね・・。
心をつなぐのではなく、その場のノリが、大切という。
以前、若い女の子の「友達」についての文章をたくさん読んだことがありましたが
やはり「友達」というと、こういう関係であることが多いみたいです。
でも、どうやら皆「違う」と思っている。「本当の友達」がほしい、と何人もの
子が書いていたことを思い出しました。

澄子も、初めは楽しくて付き合っていたのに、やはり直子のことが気にかかって
仕方ない。そして、流されていく自分と、初めて向き合おうとする。
自分にとって、何が大切なのか。
自分が仲良くしたいのは、誰なのか。
周りにいい顔ばかりすることで、失ってしまうものがあることに、気づく。
友達を自分で選ぶ、ということが自分も大切にすることだと、気づくのだ。
その代償として、てっちゃんとカコにいじめられることになってしまっても・・・。


ノリで一緒にいる関係でコワいのは、「仲良し」が、急にくるっとノリが違うというだけでひっくり返ってしまったりするところ。女なら誰でも一度は経験があるだろう、この苦さを、澄子
は味わうことになる。でも、澄子は初めて逃げまいとする。それは、自分にとって
必要な戦いだから。そして、澄子には、直子という大切な存在があるから。

「いつもいっしょにいるわけじゃない。だからいわゆる「仲良し」とは言えない。
でも、通じ合っている。繋がっている。」・・・それを澄子は「親友」と呼ぶ。
心と心をつなぐこと。お互いを分かり合って、お互いのイヤなところやしんどい
ところも見せ合って、自分を開いていくこと。友達になるのって、楽しいばかり
じゃないんですよね。それを恐れてしまうと、何も残らない人間関係に終始してしまう。
何かを得ようと思うことは、痛みを伴うこと。その痛みを感じることが心をつなぐこと
なんかもしれません・・。草野さんのさらりとした筆致は読みやすくて、
あちこちに揺れる澄子の心を浮き上がらせます。いや、読んでいて澄子の
感情にしっかり同調しちゃいましたよ。この物語に共感できる女の子は多いんじゃ
ないかしらん。誰もが一度は悩むことですもんね・・。この坂を越えるのは
なかなか難しいこと。そんな子どもたちに、読んでほしい物語です。


蛇足ですが、一つ。
最後、澄子はてっちゃんとカコにいじめられてしまうことになるんですが・・。
澄子は、それを自分で乗り越えようとする。それも大切なこと。
でも・・全部自分で乗り越えようとはしないでほしい。
今、全国でいじめによる自殺が多発してます。
煽るマスコミの責任も大きいと思います。でも、それには乗せられないでほしい。
自分がいらない存在だとは、思わないでほしい。死ぬことは、復讐にはならない。
自分が幸せになること。それが、一番の復讐だと思います。
私も中学の頃に、辛い目にあったことがある。プライドが高かったので
口が裂けてもそれを親や先生にはいうことはできなかった・・・。
でもね、親になってわかることなんだけど、子どもは親に迷惑かけていいんです。
親を悲しませても、いいんです。何よりも親が辛いのは、自分より先に子どもに
逝かれてしまうこと。それは、もう取り返しのつかないこと。
死なないでくださいね、ほんとに・・。おせっかいなおばちゃんの切なる願いです。


おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=001136



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 いじめ、自殺予告…。  今、教育現場は大変なことになっています。  詳しく言うと、無責任な報道や政府・文科省の対応のために、本当に「いじめがない」という学校まで大変なことになっているのです。 ...続きを見る
波野井露楠の徒然日記 〜ROCK&BOO...
2006/11/23 16:53

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。

今私は子ども会の役員をやっているんですが、女の子は4年生ぐらいから
いろいろ人間関係のことがでてくるようです。
私の子どもは男の子なのでピンとこなかったのですが、女子はたいへんなようです。
私自身はどちらかというと一人でいることが多い子どもだったのですが
まわりも「○○ちゃんってそうだよね」とほっといてくれていました。
今はそういうわけにはいかないような、なんとなく切羽詰った感じがします。

いじめに関しては、親御さんの気持ちを思うと目の前が暗くなります。
本当に死なないでほしい。
切にそう願います。
おむすび
2006/11/16 22:27
>おむすびさん
こんばんは!!女の子の人間関係の難しさってねえ・・。これは、もう
独特のもので・・。「修行」みたいな面もありますが、大人になってもそのままあったり、しますよねえ。
「個性を大事に」とかいいながら、なんだか今の時代のほうが「こうあるべき」という型に子どもをはめてしまいたくなるのかも・・。
教育に関して一大議論が巻き起こるたびに、かえって子どもたちの世界が狭く、小さくなっていくような気がします。
死ぬことだけはね。ほんとにしないでほしい。切に、そう思います。
ERI
2006/11/17 01:05
ご無沙汰しております。
私は、教師という、今問題になっていることの現場にいる人間なので、しっかりとした考えと思いをもって、しっかりとした態度で、子どもたちに接していきたいと痛切に思っています。
いじめ・自殺・命…。
みんなで真剣に考えていきたいですね。

ただ、今、現場では思わぬ方向に向かってしまっている学校や先生方もあります。複雑な気持ちです。
この本とは関係ないのですが、TBさせていただきました。
御意見、聞かせていただければありがたいです。
波野井露楠
2006/11/23 16:53
>波野井さん
TBありがとうございます。現場におられる方の苦労って、ほんとに大変だと思います。頭が下がります・・。そちらに、つたない長文を書かせていただきました。つい、語っちゃいました・・。
ERI
2006/11/23 22:40

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