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zoom RSS 天と地の守人 第一部 上橋菜穂子 偕成社

<<   作成日時 : 2006/12/20 00:28   >>

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画像守人シリーズ最新刊です。前回の「蒼路の旅人」のラストが
あまりに気になる終わり方でしてね!!海に飛び込んで
暗い波の間に消えていったチャグム・・・。お〜い、これはないよお!!
とジタバタしたんですが、ようやっと彼のその後を知ることができる・・。
と、心躍らせながら本を開いたんですがっ!!
なかなかチャグムが出てこない・・。たまらなくかっこいい、女用心棒バルサ
が、再び登場。海に消えていったチャグムの行方を追って、そりゃもう
あちこちをさ迷い歩き、その姿を追い求める彼女の戦いがえんえんと
繰り広げられるのですよ・・・。そして切れ切れに彼女が手にする情報から
チャグムの姿を想像する、という物語の展開になっております。
このもどかしさと、垣間見えるチャグムの、どこにいても宝石のように
輝く個性と美しさが、なんとも心さそう風情でして・・。
いや、うまいなあと感心しちゃいました。
じらされる快感といいますか・・・。ん?こんなことを思うのは私だけでしょうか・・。


しかし、やはりバルサはいいですね・・。
一つところに留まれない旅人。
強く、常に冷静な彼女の持つ熱い血が、なんとも慕わしい。
そして、彼女もちょっと年を取ってきたんですよ。思い切り物を蹴飛ばしたり
すると体が痛んだりして。気持ちは若い頃と変わらないのに、体だけが自分の
言うことをきかなくなっていく。いや、もちろん彼女は変わらず強くて敏捷で
立ち回りを読んでいても、胸がすくほどかっこいいんですが、時は、この物語の
中でも流れています。今回のこの旅は、彼女を変える旅になるかもしれない
予感です。

そして、チャグムを探すバルサと旅をすることで、読者は、チャグムと彼の祖国
新ヨゴ、それを攻めようとしているタルシュ帝国、その二つをめぐる近隣諸国の
情勢、ヨゴの国の中でうごめく様々な動きなどを、しっかり把握することができる。
三部作として、大長編になりそうな新シリーズの幕開けとして、これはうまいやり方
かと思います。なにしろ、これまでにもずっとシリーズとして書き継がれてきた
この「守り人」。これまでの関係を整理し、ファンの心も満足させ、そしてここから読む
読者も、この物語を楽しむことができる。うまいなあ・・。と感心しました。

時はバルサから若さを奪っていくけれども、その分大きな贈り物をしてくれた。
守るべき、自分の運命の重さにあえいでいた少年は大きく成長し、
自分の背負うものをまっすぐ見据える青年になったのだ。
その純粋な魂はそのままに。これまでの重荷を、それが自分の夢だと言い切れるまでに。
なぜこれほどまでして、苦しい道を行くのか。
皇太子として、彼が生まれてきたことは偶然であるけれども、それは偶然ではなく・・。
選ばれし魂の持ち主として運命に愛されてしまったから。
人も自然の、この大きな宇宙を構成する一つなら、一人の人間が世界を変えていく
鍵になっても不思議ではない。たった一人で、誰もなしえなかったことをやり遂げようと
する彼の強さは、彼の優しさ、人から見たら弱さにも見えるものの裏返しなのだ。
甘いと言われ、子どもじみた思いと笑われながら、チャグムはそれでも
まっすぐに行こうとする。その姿に、ほんとおばちゃん涙がでちゃいましたよ・・。
皆を幸せにしたい。そのシンプルで、この世界でもっとも困難な願いを、チャグムは
かなえることができるのか・・。その彼のそばにいて彼を守るのは、やはりバルサしか
いないでしょう!!私がバルサでも、ほんと彼を命をかけて守りたいとおもうだろうなあ・・。
あくまでも大人のバルサ。しかし、安住ができない、ということは彼女が胸の内に
常に何かを求める気持ちを抱き続けているからかもしれない。それは夢かもしれないし、
彼女にもわかっていないことかもしれない。でも、こんな風に生きてみたい気持ち
はやはり私の内にもあるなあ。運動神経が無いから用心棒は無理やけど。
そんなバルサと、大人になったとは言え、心の中に永遠の子どもを
秘めているチャグム。その二つの魂が重なる様が、心を動かします。


常に闘いに身を置き、世間の裏も知り抜き、人間の弱さや悲しさを知り尽くして
いるバルサだからこそ、この青年の美しさがかけがえのないものとして
この上なく愛しいに違いない。バルサに思い切り感情移入してしまう、この第一部。
二部からは、二人の物語として展開していくらしい。
長く続いてきたこの物語も、バルサとチャグムの二つの物語が合流して
ここで完結するらしい。その大きな川の流れが合わさる奔流が感じられる
第一部でした。うわ〜ん、第二部も待ちきれないわ!!
この三部作はもう書き上げられているらしく、この後は出版されるのが
早いらしい。挿絵を描いておられる二木さんがジブリの方で、ゲド戦記のアニメ化
のせいでこの物語に取り掛かれなかったらしい。そうだったんか・・。
でも、待った甲斐のある面白さで、満足です。第二部が楽しみです。

http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=001164














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