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zoom RSS 打ちのめされるようなすごい本 米原万里 文藝春秋社

<<   作成日時 : 2006/12/09 17:50   >>

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画像今年の五月に亡くなられた米原万里さんの書評を集めた本。
週刊文春に書かれていた「私の読書日記」を中心に、たくさんの
書評が集められている。ゴルバチョフなどの同時通訳を務められた
有名な通訳でおられたと同時に、小説・エッセイなども書かれていて、
その骨太でユーモア感覚あふれる著作は、大好きだった。
恐ろしいくらいの読書家で、文学を非常に愛しておられた・・・。
同時通訳をこなすには、その国の言葉で文学を堪能できるほどでなくては
ならない、という。もちろん、自分の国の言葉でも、だ。
ただバイリンガル、ではだめなのである。文化に対する教養、それがあってこそ
初めて相互理解の橋渡しができるんだろう。その彼女の読書を
見ていると、その広さと大きさに唖然としてしまう。
仕事をし、執筆をしながらこれだけの分量の本を読む・・・。
ほんとにお好きだったんだな、と。そして、知的好奇心にあふれた方であったと。
知的好奇心、知りたい、という欲求。これは、ほんとによくわかる。
知る、という喜び・・。それがないと生きていけないのが、読書人なんだわ。

私は文学に読書が偏りがちなのだが、米原さんは外交、自然科学、国際問題、
もう様々なジャンルの本を縦横無尽に読んでおられた。
もう読んでみたい本がいっぱいで、あれも、これもと思うが、どうしても
全部は読めないよなあ・・。昔に比べて、やはり目が疲れやすく、思うように
本が読めない・・。一生のうちに自分が読める本は、限られる。
一年にどれだけ読んでも400〜500冊しか読めないものね・・。
あと20年は読みたい、としても一万冊も読めないんだわ。
・・・と思うと、自分が読む本は、ある程度選んでいかないと、と
最近ちょっと焦ってしまう。読みたい本はこんなにあるのに、ほんとに時間が
なくて。そして、米原さんのように、いつ病魔に襲われてしまうかだって
わからないのだ。若いときのガンの進行は早い。

米原さんは、自分の病気と病状を、最後まで見据えて、昂然と頭をあげて
生きておられた。その姿勢と、覚悟がひしひしと本と治療のことを語る行間に
漂っている。一人の人間の中に蓄えられる記憶と、教養と、知性。
そして、そこからあふれ出てくる表現・・。それが失われることのあっけなさと
はかなさを思う。もちろん限りがある、滅びるからこそ、人生は輝くのだけれども。
こういう方が亡くなられると、ほんとに惜しい、と思う。
まだまだ活躍されるべき方だった・・。
書評をいうのは、書くものの精神の輝きが必要なのだと、後書で井上ひさしさんが
書いておられるが、本当にその輝きと勁さが備わった人だった、と
この本の文章を読んでいてそう思う。精神の輝きか・・・。自分にはそんなものが
あるんやろかあ、と忸怩たる思いにかられながら、この文章を書く私にはまぶしい
人であったなあ。ご冥福をお祈り申し上げます。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=001159

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米原万里 『打ちのめされるようなすごい本』 書評
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2007/01/04 22:10

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