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zoom RSS 水上のパッカサリア 海野碧 光文社

<<   作成日時 : 2007/04/28 00:15   >>

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画像日本ミステリー文学大賞の新人賞作品。
ハードボイルド。書かれたのは女性らしい。
ハードボイルドに出てくる女性は、大体似てくるもんなんだけど、
(なんと言うか、まあ、こんな女はおらんやろう、という男の人から見た
女性が多い・・それも、あながち悪くないが)
この「奈津」という女性は、なかなかに魅力的でした。
緻密な構成の中にはさまれるエピソードから、その外見とは関係ない
人柄の綺麗さが、すこしずつ、香りのように立ち上って読者を包んでいく。
生い立ちと、裏家業のせいで、女というものに、全くなんの期待もしていなかった
勉に、愛を教えた女性として描かれる奈津は、勉にとってのたった
一人の女。その人間像をうまく書けたところに、この小説の魅力がありますね。

こういう、控えめで、いつも自分が幸せになる、ということを想像できなくて
自我が強くなくて・・・という女性は、いますね・・。
私と正反対だわ(爆)ただ、彼女も、もっと生きて、子どもなんか産んだら、
またころっと変わってしまってたかもしれませんが。
若くて命を落とし、子どもも産まない・・というのが、やはり変質しない
条件かと。子ども産んだら、そんな控えめなこと、言うてられませんからね。
・・・でも、そうやってたくましく、明るくなった奈津も、またいいかと思うけれど
それではハードボイルドにはならぬ。
変質しない美学を貫くのが、ハードボイルドですからね。

しかし、どこかでアメリカのサバイバリストのキャンプに放り込まれる
というのを他でも読んだような気がするんですが、それはハードボイルド
の一つのお約束なのかしら。確かに、そのほうが、強さに神秘感が
付け加わるけれどもなあ。
それから、悪役が、実は皆小者なのが、ちょいと面白くない。
ハードボイルドの悪役は、好みとしてはもっと悪いほうが好みなんだけど・・。
と、好き勝手いいましたが、それも、また一つの味にはなってました。


次作が楽しみな作家さんが増えました。しかし、ペンネームは、ちょっと
そのまんまやないか!と突っ込んでしまいましたが。

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