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help リーダーに追加 RSS 私の男 桜庭一樹 文芸春秋

<<   作成日時 : 2007/12/12 01:12   >>

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画像実はこの本、大分前に読んでまして、どう書こうか悩んでおりました。
このグロテスクの中から浮かび上がる聖性が何なのか・・・。
心の中に、睦みあう花と惇悟が残していった染みのような
痕を見つめながら考えてしまった。

虚無と官能の混じった匂い。
非常にグロテスクな、誰にも理解されない愛。
かなりきわどい情景が延々と続くのに、それが妙に悲しい。
どれだけ交わっても、どれだけ抱き合っても、この二人が
満足することは、ないんだろうと思う。恋人同士で抱き合うときの
喜びとは、違う場所に、いる・・。


惇悟に抱かれれば抱かれるほど、花の体に中に悲しみが溜まっていく
ようで。何でも受け入れてしまう女の強さは、時に悲劇を生みますね・・。
男の身勝手さも、孤独も、何もかも引き受けようとしてしまう。
その引き受けようとする奥底には、やはり母性がある。
子どもであることを奪われた花が惇悟に与え続けたものは
自分の血肉・・・。だから、抱かれれば抱かれるほど、花は聖女に
なっていくんだなあ・・と。
ヨーロッパの絵画に、よく聖女の絵がありますが。
自分が捧げた、肉体の一部を捧げもつ彼女たちの目に奥に
漂っている、捧げることのエクスタシーを思い出しました。
子宮に、一生分の悲しみを溜めた花は、とうとう惇悟のもとを去っていくんですが・・。
きっと、全ては彼に一生囚われたままなのでしょう。
自分を捧げつくした花は、空っぽの袋・・・。
だから、「私の男」。
逃れられない「私の男」。

桜庭さんの、独特の美意識がこんな作品に結実するとは、全く予想も
していなかったので、その新しい地平を目指す精神に、すっかり魅了されました。
うん・・凄い。
この人が見せてくれる混沌は、美しい・・。
それは、桜庭さんの文章が、常に緊張感を湛えた美意識に満ちているからでしょう。
一作一作殻を脱ぎ捨てる、誇りが彼女をどこまで押し上げるか。
来年も目が離せない作家さんになりそうです。

追記:1月17日 この作品で直木賞受賞されましたね♪今回は私の予想大当たりです。
これからがますます楽しみです!!

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タイトル (本文) ブログ名/日時
「私の男」娘と父親の愛の物語
「私の男」★★★★心から怖いと感じた 桜庭 一樹著、381ページ、1500円 ...続きを見る
soramove
2007/12/13 08:15
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・・・やられたな。これは致命傷だぞ。大丈夫か、水無月・R。 桜庭さん・・・・スゴイな、あなたは。こんな湿度の高い、粘液のような物語も紡げるとは。 ...続きを見る
蒼のほとりで書に溺れ。
2007/12/24 00:39
夜の匂い
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ayaxgogo
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ぱんどらの本箱
2008/01/04 14:23
私の男 桜庭一樹
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粋な提案
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好き、嫌いが分かれそう。 今回の直木賞受賞作品。私は好き。 主人公は腐野花。くさりのはな、と読む。 冒頭は花の結婚式から。 エリートサラリーマンの美郎と結婚するのだ。 花の結婚式に出席する親族はただ一人。 父親の淳悟だけである。 遅刻してきた父にすがって.. ...続きを見る
これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊...
2008/01/22 14:25
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第138回直木賞受賞作、桜庭一樹の「私の男」を読みました。もう1週間以上も前に読み終わっていたのですが、書くきっかけがつかめずに、ずるずると過ぎてしまいました。まったくの偶然ですが、今日ジムへ行って、バイクを漕ぐときに手に取った日本経済新聞の「文化欄」に ...続きを見る
とんとん・にっき
2008/02/17 18:46
私の男<桜庭一樹>−(本:2009年36冊目)−
私の男クチコミを見る ...続きを見る
デコ親父はいつも減量中
2009/03/15 02:35

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ERIさん、こんばんは(^^)。
いや〜、本当に怖い作品でした。
内容もそうですが、桜庭さん作品の引力が、怖ろしくて。
>自分を捧げつくした花は、空っぽの袋・・・。
だから、「私の男」。
逃れられない「私の男」。
ええ、そうですね。だから、読んでいて、苦しい。
そして、淳悟も、花から逃げることはできない。お互いが、盗み合うように、与えあうように、依存して、2人だけで完結する世界を作ってきたのだから。
2008年6月のあと、2人はどうなってしまうのか、それを思うと、余計苦しくなりました。
水無月・R
2007/12/24 01:19
>水無月・Rさん
きっと、心はずっとお互いに囚われたままなんでしょうねえ・・。「私の男」と言い切ることができるほど、何もかも与えつくした花が、私は少し羨ましく思えたりします・・怖いです?ちょっと怖いかなあ・・。
ERI
2007/12/27 21:31
おいしい本箱Dairyさんはじめまして。
私も『私の男』を読みたかったのですが、図書館で借りようとしたら何十人も待っていたので『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を借りました。鋭い作家だなあと思いました!『私の男』も読みたくなりました。
私も読書好きですが、週1〜2冊がいいところです。もっと読みたいのですがなかなか…
またお邪魔させていただきます。
薫の君
2008/04/12 22:13
>薫の君さん
はじめまして。コメントありがとうございます。
私も、ここのところやたらに忙しくて、なかなかゆっくり本が読めません・・。
「私の男」、ぜひ読んでみてくださいね。コゼットのような少女を書きたくて、この物語を書かれたそうですよ。そう思って読むと、ああ、そうか・・と思う部分もあります。また、ご自分で読んで、確かめてみてくださいね。
ERI
2008/04/16 13:51

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