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zoom RSS 星へ落ちる 金原ひとみ 集英社

<<   作成日時 : 2008/01/23 23:32   >>

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画像これねえ、けっこう新刊なんですけど、図書館の棚にポツっと
あって。あら、と思って借りました。新刊にはあっという間に
予約が何十人と入るうちの図書館で珍しいこと・・と思って
たんですが。う〜ん、ちょっとね、この本は、寂しさが募りますね。

内容としては、男女の恋愛。
小説家の女の子と、恋人。その恋人の彼氏。そして、
女の子の元カレ。皆、必死で恋してるんですけど、その恋が、
どれも非常に孤独。それぞれの独白で物語が展開していく・・
と言いたいところなんですが展開は、しない。堂々巡り、というのが
ぴったりだと思う。
恋愛という、なぜか相手が欲しくて欲しくてたまらない
気持ちの中をそれぞれが、ぐるぐると巡り続ける。
どこにもたどり着けないままに・・。
一応その中で一番の勝者とも言える小説家の女の子も、
全く安心感を感じていない。手を離せば、そのまま飛んで
いってしまいそうな感情。
だから「星に落ちる」なのかな・・。

この現実感のなさと浮遊感は、金原さんの独特のもの。
いや、ここに書かれている恋愛に付随する気持ちのあれこれは
とてもリアルで、彼からの電話をひたすら待ち続ける女の子の
ざわざわする気分や、失いそうになる恋に余計にのめりこむ
ゲイの男の子の葛藤なども、こんなやるせなさに落ちたことの
ある人なら、もう「わかる・・」と共感してしまうに違いない詳細さ
なんですよね。でも、皆、なんとなくこの世を生きていないように
思うのは、何故なんだろう。私には、どの人物も、この地上から
離れて生きているように思えて仕方ない。
ちゃんとご飯食べて暮らしてるように思えない。
もちろん、そんな世界もあっていいんですが、その世界の
リアルが、私の胸に落ちてこない。
薄い膜の向こうで演じられている、お芝居に見えてしまう・・。

文体は随分とシンプルになり、読みやすくなっています。
「蛇とピアス」は、正直私には読めなかった。
文章が持つ力と緊密感は増してきています。
でも・・私は、そろそろ彼女の、別の物語が読みたい。
ハッピーな物語を書け、とか、言ってるわけではなくて、
この閉じられた空間から、そろそろ出て行ってもいいんでは
ないかしら、と思う。・・・好きな人を失うまいと手首を切ったりする
展開は、もういいんじゃないかと、つい思ってしまうのは
もうおばちゃんやからかしらん。
閉塞感だけでは、ここから先へいくことはしんどいんじゃないかしら。


な〜んて、偉そうなこと書いてますが。
彼女の潜在能力に、期待しちゃってるんでしょうね。
ふっとね、いい感じに大化けしちゃいそうな気がするんですよ。
おばちゃん、待ってるわ・・。

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