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zoom RSS 美の旅人 フランスへ 伊集院静 小学館

<<   作成日時 : 2008/03/02 01:25   >>

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前作「美の旅人」はスペイン絵画が主だったの
ですが今回は、フランス絵画です。
フランスといえば、もう芸術の都、パリ。
そしてルーブルということで・・。
読み応えある、とても興味深い一冊でした。

私も知っている画家がたくさん出てきました。
プッサン、クロード・ロラン、ラ・トゥール、モネ、セザンヌ・・。
知っている作品も多かったんですが、それを伊集院さんの
目を通して解説してもらうことで、また新しい気持ちで
眺めることができます。
伊集院さんの視線は、画家に対して優しいんですよね。
私は、そこがいいと思う。
創作を行うということ、芸術を生み出すという、孤独な作業に
対しての敬意がある。
例えば、ゴッホに対して・・・。
その作品に対してよりも、センセーショナルな人生に対して、
つい見るものは思いを寄せがちになるんですが。
作品を見るよりも、その裏を読みたがる。
でも、伊集院さんは、ゴッホの人生と、その作品を混同しない。
彼の作品から、「美」に対する敬虔な想いと、ひたすらそれにむかって
歩こうとする願いを汲み取る。それは、やはりジャンルは違っても
何かを表現しようと、闘う魂に対する共感と敬意があるからだと思うんです。
私には、それが好ましい。
堀田善衛さんの「ゴヤ」が大好きなのも、やはり、その孤独を知っている
表現するものとしての視線に、とても共感できるからかもしれません。

ある人・・・よく趣味人のふりをしてテレビに出ている人が、この前
このゴッホのことを、こき下ろしてました。
曰く、日本人だけがゴッホが好きなのは、恥ずかしいことなのだとか。
そういう知ったかぶりの意見に惑わされて、自分の心で感じることを
放棄することのほうが、怖いことだと思うんですが・・。
えてして、自分が何かをよく知っている、と思っている人間は、
そういう間違いに陥りがちですよね。ほんと、気をつけなくちゃ。
教養というのは、自分を教え、養うためのものであって、人に自慢したり
するもんではないですもんねえ。
『教養は、すなわち享楽能力である』みたいなことをトーマス・マンが言って
おりました。その含羞と、謙虚さを忘れると、年とって、ウンチク婆になる
かもしれん・・・と思って、忘れまいと思っています。


・・話がそれてしまいましたが。
それぞれの芸術家、絵画にたいして、見る人が何を思うか。
それは、その人と画家だけの秘密の会話です。
ひっそりと心に納めておくのもいいんですが、こうして
「絵画を見る目」「絵画を感じる心」を持つ人の感想や考え方に触れて、
「ああ、そうか・・」「いや、私はこう思うけど」
「おっと、そういう見方もあるか」と思うのは、とても楽しい。
そして、自分の知らなかった素敵な絵画について教えてもらえるのは
なかなか海外などに行けない私には、とても嬉しいことです。
このシリーズ、きっととても大変な作業だと思うんですが、
もっと続けてほしいですね。

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