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zoom RSS 狐火の家 貴志祐介 角川書店

<<   作成日時 : 2008/05/04 00:17   >>

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画像密室ミステリ4編。
「硝子のハンマー」の、元(?)泥棒、防犯コンサルタント榎本と
女弁護士青砥のコンビ。二人のやりとりは、ちょっとずつギャグが
滑っていく気配がありますが(笑)これが、また独特の味わいかも。
「密室」という、もう、ミステリの王道中の王道に、真っ向から勝負した
貴志さんの心意気を買いますね。
ミステリは、密室に始まり、密室に終わりますね。
でも、この世の中に、どれだけ密室トリックが溢れているかを考えると
私なんかは呆然としてしまうので、「密室書くぞ」と思いはるという
だけで、もう尊敬してしまいそうになります(笑)
・・で、密室やのに、なぜか抜け道があったりすることも、ままある
ミステリ界で、ロジックで積み上げる密室は、読み応えがありました。

4編、それぞれ味わいも違って、なかなか多彩。
「狐火の家」は、あの名作「黒い家」を思わせるタイトルですが
旧家に起こる犯罪、ということで、どことなく横溝正史なんかを
思い出しながら、読みましたね。
しかしなあ・・金のインゴットがある家、なんてものがあるのが信じられませんけど
そんなもん、おいとくのが、まがまがしいものを呼んでしまうんかもな、と
思うのは、貧乏人の僻みか・・ラストシーンが秀逸でした。

「黒い牙」のシチュエーションは、純子さんならずとも、私にも耐えられそうにない・・。
私も、昔、おっきな蜘蛛が出現する田舎のトイレに怖くて入れなかったクチ。
さすがにこのあたりでは、そんな大きなのは見ないので助かりますけど。
純子さん、この苦しい状況で、見事に謎解き。
えらい!!
でも・・私なら、もっと違う殺人方法を選びますわ。
これは、ほんとにやりたくない。
絶対、絶対やりたくない。
これをやるくらいなら、自分がどっか行ってしまうほうが、100倍いい。

一番面白いと思ったのは、三つ目「盤端の迷宮」。
これは、コロンボものですね。もう、はじめっから犯人はわかってる。
そのアリバイを崩す榎本の追及が、みもの。
榎本さん、何でも知ってはるわ〜。
全てが状況証拠、というのが、一抹弱いけど、ウンチクでそれを蹴散らかす
貴志さんのオタクぶり(笑)
「フィリップ・マーロウを気取ってるわけじゃないんですが」
この榎本のギャグが、とことん落ちないのに、笑いました・・。

「犬のみぞ知る」
これはもう、完全にお遊びなんですが、単純なだけに鮮やかな印象です。
最後に、この短編があるおかげで、一つめの「狐火の家」のおどろおどろしさが
少し軽くなりますね。
全体の構成としても、あって正解でしょう。
でも、演劇やる人が、これ読んだら、怒らへんやろか(笑)



貴志さんの小説は、いつもけっこうテーマがきっちりあることが多いんですけど、
こういう知的遊戯としてのミステリも、うまいもんですねえ・・。
こういうのは、こちらが想像するより書くのが大変だと思いますけど、
こんがらがる糸をほぐしてもらう喜びを感じるのは、大人の喜び。
設定に、ちょっとずつムリがあるのも、込みで楽しむのが正解でしょうね。
また、このシリーズ書いて頂きたいものです。


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狐火の家<貴志祐介>−(本:2008年151冊目)−
狐火の家 # 出版社: 角川書店 (2008/03) # ISBN-10: 4048738321 ...続きを見る
デコ親父はいつも減量中
2008/11/18 00:32

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