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zoom RSS 非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパークZ 石田衣良 文藝春秋

<<   作成日時 : 2008/10/22 20:39   >>

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画像うーん、こってりとした
ミルハウザーを読んでしまったので、
この石田さんの本が、ひらひらと軽く(笑)
これは、いいのか悪いのか。
このシリーズも7作目。
趣向も落とし方もすっかり安定してきて、
マコトくんが、ジーンズを履いたサラリーマンに
見えてきたくらいです。
いつもながら、石田さんの世界は、非常にわかりやすい。
読みやすい文章と相まって、さらさらと読めてしまいます。

「千川フォールアウト・マザー」
「池袋クリンナップス」
「定年ブルドッグ」
「非正規レジスタンス」

の4編が納められています。
このシリーズは、小説界の「水戸黄門」のようになってきたかと。
「お助けください」って駆け込んでくる人たちを、トラブルシューターである
マコトくんが、鮮やかに、短編の枚数で解決する、という。
葵の御紋の印籠のかわりが、夜の帝王・タカシの携帯番号。
助さん・各さんはいないけど、代わりにたくましいお袋さんや幼馴染がいて
マコトをあれこれ助けてくれる。黄門さまだから、新しいドキドキなんかは
ないけれども、最後は必ず解決してくれる、という安心感があるわけです。
その安心感の分・・昔、胸の中に、コツン、と落ちてきた小石のような
切なさは消えてしまいましたが。これもまた、シリーズとしての宿命なのかもしれません。

石田さんは、時代を感じる、敏感な嗅覚をお持ちです。
今、みんなが感じている不安を、ふっと掬って形にしてみせる。
これも、また才能ですね。
それを一番感じたのが表題にもなっている「非正規レジスタンス」。
いわゆる、カフェ難民、正規の仕事につけない、フリーターの若者の悲哀です。
若い力を、自分達の都合だけで使い捨てる。
ほんと・・いつから、こんな非人情な国になってしまったんでしょうね。
若い力を育てない、大事にしない。それは、未来を大事にしないことと同じ。
少子高齢化、と騒ぎますが、ワーキングプアと呼ばれる若者達が
増えていることも、その要因の一つでしょう。
月収10万円くらいで、なんで結婚して、子どもが作れるねん、という感じで。
うーん、やっぱりもうすぐ社会に出ていかねばならない年頃の子を持つ
親としては、不安がこみ上げるこの時代。
他人事じゃないですよ、ほんと。

この短編に取り上げられているどの問題も、決してこんなに簡単には
解決しない。皆それをわかっているからこそ、このマコトくんの活躍に
溜飲が下がるんでしょう。でもねえ、読み終わったあと、
ワイドショーを見た後のように、ぼんやりと寂しいんだなあ。
弱者に厳しい世の中に、どんどん傾いていく日本・・・。
「こんなにうまくいかないよねえ」という呟きと共に、溜息がもれる一冊でした。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php






非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク8
文藝春秋
石田 衣良

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タイトル (本文) ブログ名/日時
【非正規レジスタンス】 石田衣良 著
IWPG、池袋ウエストゲートパークもいよいよ第8弾…[:読書:] マコトも大人になったねぇ [:!?:] ...続きを見る
じゅずじの旦那
2008/10/28 12:16

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>ジーンズを履いたサラリーマン…
ワッハッハ、まさにそんな感じ。
マコトも大人になったということでしょうか。
かなり、分別臭い感じがしてきました。
じゅずじ
2008/10/28 12:17
>じゅずじさん
そうなんですよねえ・・青春やないんですよね(笑)
それがねえ・・私には物足りないです( ̄_ ̄i)
ERI
2008/10/31 00:25

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