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zoom RSS きのうの世界 恩田陸 講談社

<<   作成日時 : 2008/10/14 21:49   >>

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画像分厚かったわ・・。長かったわ・・。
でも、読んだ(笑)誰かに褒めて頂きたいくらいですが
そんなん、知らんがな、っていうところですね。

恩田さんが、この本を、自分の集大成だとおっしゃってますが
確かに、いろんな要素がいっぱい詰まった作品でしたね。
独りの男の殺人事件かと思いきや、段々、この塔が三つ
建っている町の謎へと、展開していくところ。
「町」の謎を知り、その謎を支えてきた一族がいる、という設定。
一族に生まれる異能のもの。張り巡らされた水路。
意識下にただようタブーの匂い。
一つの「死」から始まる謎が、蜘蛛の巣が段々大きくなるように
網を広げて、一つの町を飲み込んでいく。その不穏な気配を
作り出すのが、さすがにお上手です。

しかし、このラストの謎解きは・・う〜ん、無理がありすぎですが。
ま、でも、ビジュアル的には相当面白かったから、いいのか・・。
なにしろ、この分厚い長編、99%くらいの分量が、謎を広げるのに
使ってあるわけですよ。
その、とことん膨らみきった謎を、風船に穴をあけるように一瞬で爆発させて
あるという。そこで、結構無理が生じているのは否めない。
「33分探偵」の鞍馬六郎くんが、劇中無理くりな推理を指摘されたときに使う
名セリフ、「何やかんやは、何やかんやです!」というのを思い出しましたが(笑)
この物語は、舞台になる水路の町の危うい雰囲気を楽しむものなのかも
しれません。日常の後ろ側にあって、時々ふっと背中をかすめる世界の割れ目。
冷たい風が、そこから吹き込んでくる一瞬。
確かなものの上に住んでいると思っているけど、ほんとにそうなの?という問いかけ。

今日は一日雨で、猫とたれこめて家の中でこの本を読んでいたら、
ちょっと鬱々としてしまいました(笑)折しも日本は・・いや、世界は金融危機だそうで。
アメリカこけりゃ、世界がこける、なんていう恐ろしい世界ですわ。
ほんと、確かなものなんて何もない。世界の富が、いかにアメリカに集中しているか、
っていう事ですね。経済、物資、金融、流通・・・。何もかもが網の目のように
繋がる世界は、一つの場所が崩れただけで、全てが壊れていく。
その上に乗っかって生きていることの危うさ。
ほんと、この水路の町のようなもんですよ。いつ流れさってもおかしくない。
知らぬ間に、そんな時代に生きている。

ラスト、この一人ぼっちの男が世界に拡散していく幻想が美しい。
一人の男の死から始まって、町をぐるっと一巡りして、
またそこに収束していく。・・・そして、ここからまた、冒頭のシーンに
戻っていく、メビウスの輪のような構成なんですね、この本は。
過去と、現在と、未来。その中に漂う人間の意識・・・。
恩田さんは、ここで集大成を書かれたあと、どこに向かわれるのでしょう。
それがちょっと気になる大長編でした。

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きのうの世界
講談社
恩田 陸

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書籍「きのうの世界」不可思議な物語の旅をする
「きのうの世界 」★★★☆ 恩田 陸 著 , 講談社、2008/9/4 ( 482ページ, 1,785 円) ...続きを見る
soramove
2011/03/01 22:01

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