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zoom RSS 猫の形をした幸福 小手鞠るい ポプラ社

<<   作成日時 : 2008/12/16 01:31   >>

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画像このタイトルが良くて読みたくなった本。
綺麗な小説だった。
アメリカの田舎、深い森の中の、古くて大きな家で
くらす、恋人のような夫婦と猫一匹。
絵になる風景の中で、過去のある夫婦が
大切なものを育んでいく、その生活が静かに
描かれていて、小春日和の陽射しをたっぷり
浴びたような気持ちになれました。

猫って不思議な動物ですよねえ。
人に飼われているのに、縛られない。
絶対猫は、人に奉仕しない(笑)
芸もしなければ役にもたたないんですが
人間はもう、あれこれ御機嫌をとりつつ必死で
ご奉仕して、倦む事がありません。
ほんと、うちの猫さんも非常にわがままなもんですから
その「今」の好みに合わせて缶詰取り揃えたりして
一生懸命尽くしております。
ほんとに、猫は愛されるように生まれ付いている。
自分は自由なままで。だから、どこまで愛しても
その愛情が、対象を壊してしまうことにならない。
どこまでも愛していい、甘やかしていい、というのは
猫派にとってたまらない魅力です。
犬だと、こうはいきません。犬は集団生活の動物だから、
きちんと躾をしてあげることが、愛情の一つ。
その点、子どもを育てることに似ています。
きちんと一人前にしてやることが必要で、その為には
愛情を理性のクッションで抑えることも必要かと思いますが
こと、猫に関してはそんな必要もなく・・。
人間同士なら、愛する事には、どうしてもややこしい事が
付きまとう。でも、猫はそのしなやかな体で、そのやっかいさを
するすると通り過ぎてしまう。
そこが物足りない、と思う人もいるんでしょうが、私は猫のそんな
自由さが好ましい。この物語の夫婦、未知男と彩乃も、猫のマキシモを
溺愛します。夫婦になることは、ある意味契約に似ているんですが
猫を愛することで、二人はその契約を絆に変えていくんですね。

異国の美しい風景の中で、綺麗で裕福な夫婦が、愛を育む・・。
優しくてたくましい、それでいて傷ついた獣のような夫、なんて
どこにおんねん、っていう非現実的な感じとか、主人公の彩乃の、
女性雑誌でカリスマになっているような、なんともお洒落な
佇まいの作られた感と、個人的には突っ込みたくなる
シチュエーションではあるんですが(いや・・単なる僻みか)
そこをうまく救っているのは、この幸せが限られたものであるという事。
そう。猫は、人より早く死んでしまう。どれだけ愛しても・・。
その切なさ、小さな命を愛することに運命付けられている
悲しみが、この物語の御伽噺のような綺麗さを支えています。
こう・・・疲れたときに読んで、ほおっと溜息をつくひと時を
すごすのにいいかも。
あとね、猫好きな人には、ちょっとたまらん一冊ですね。
ラストはお決まりですが、号泣です・・。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php





猫の形をした幸福
ポプラ社
小手鞠 るい

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