おいしい本箱Diary

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS リンゴの丘のベッツィー ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー 多賀京子訳 徳間書店

<<   作成日時 : 2009/01/15 02:11   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 0 / コメント 0

画像私は、昔から、孤独な少女が自分の場所を見つけて
幸せになっていく話がとっても好きです。
これは、自分のどんな願望が反映してるのか
わかりませんが(笑)
例えば「赤毛のアン」「小公女」「足ながおじさん」
「秘密の花園」「ペリーヌ物語」・・・。
一番耽溺したのはアンのシリーズで、どの時期のアンの
姿も好きですが、やっぱり一番ドキドキするのは
第一作目、「赤毛のアン」ですね。
誰からも必要とされなかった孤児のアンが、マシュウと
マリラという子どもを持ったことのない兄妹の家に
引き取られ、いろんな大騒動を巻き起こしながら
その類稀な個性を伸ばして素敵な女性になっていく。
中でも、一番好きなシーンは、アンが、マリラにここにいて
いいのか、教えてちょうだいと詰め寄るところです。
その時のアンの突き詰めた気持ちとすっかり同調してしまい
初めて読んだとき、泣きそうになってたのを思い出しますねえ(笑)

前置きが長くなりましたが、この「リンゴの丘のベッツィー」も
その系譜に入る、なかなか楽しい少女小説。
と言っても、ベッツィーは、確かに両親はいませんが、
誰にも愛されていないわけではありません。
反対に、あまりに大事にされすぎて、自分の生きる力を
発揮するシーンがないままに、過ごしてしまった少女。
両親を早くになくしたベッツィーは、町に住む大おばさんの
手で、大事に大事に育てられます。
「この子は体が弱いから」「食が細いから」「神経質だから」と
常に気を遣って抱きしめられているうちに、ベッツィーは、
ほんとに自分がそんなか弱くて神経質な女の子のように
思えてしまうのでした。

ところが、その大おばさんが、病気をしてしまい、ベッツィーは
たった一人、これまで散々悪口をきかせられていた親戚のところに
とりあえず引き取られることになります。
これはねえ・・よくある事なんですが、子どもには基本、親戚の悪口を
聞かせるのは、しちゃいけない事ですよね。それは、子どもの心に
毒を吹き込みます。その毒はねえ・・これが、もう、苦しくても
なかなか抜けないものですからね・・。

その時に、別の親戚のところで手ひどい拒否にあったベッツィーは
余計に心ささくれたまま、その親戚の農場に向かうのですが、
その場所で彼女をまっていたのは、何もかもそれまでとは違う生活。
ベッツィーは、そこで、自分の力で何かをやり遂げる喜びを教えて
もらいます。その「体験」が、生き生きと描かれていることといったら!
この農場のあるのは、バーモント州という、自然に恵まれた美しいところ。
とにかく、農場というのは、何かしら常に仕事があり、その手伝いは
子どもにも大切な仕事として割り振られます。
家庭では、その仕事を果たす責任があり、学校では、年下の子の面倒を見る
責任もある。そして、初めて小さな妹のような、あどけないモリーに手を引かれて
丸木橋をわたったベッツィーは、その時、自分以外の誰かを愛して、
可愛がることの喜びを知ったのです。

物語としては、非常にシンプルで、アンのようなひねりや、人間同士の難しさも
あまりありません。でも、だからこそ余計に、シンプルに「子ども」にとって必要な
ことって何だろう、と、いうことが伝わってきます。
それは、多分「自分が好きになること」。きっと、町にいた頃のベッツィーは、
自分のことが可愛くても、「好き」には成れなかった。多分。
自分を好きと思えるためには、心に自分に対する誇りの気持ちがいるんですよね。
その誇りは、自分の生活の中で、こつこつ作り上げていくしかない。
「何も出来ない神経質なベッツィー」が、どんどん逞しく、そして子どもらしくなっていく。
たくさん自分のできることが増えていくごとに、彼女は自分のことが好きになれた。
大きな町で、モリーと二人、置き去りにされたベッツィーは、自分の知恵と
勇気で、その難局も見事に乗り越えた。
滅多に褒めないアンおばさんに褒められたベッツィーの笑顔が眩しかった・・。
うーん、ちょっと自分の子育てには遅かったけどなあ・・・と思いながら(笑)
とても楽しく読みました。原書の刊行は1917年ですが、物語としては
全く古くありません。そして、今回、挿絵が新しくなったことで、
今の子たちにも親しみやすい本になっています。
アンが好きだったあなた。きっと好きですよ〜、読んでみてくださいね。


おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php







設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 6
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文