おいしい本箱Diary

アクセスカウンタ

zoom RSS ぼくのネコにはうさぎのしっぽ 朽木祥 片岡まみこ絵 学研

<<   作成日時 : 2009/06/03 00:57   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

画像朽木さんの最新作です。
これがもうねえ、何とも言えないくらい、可愛い本です。
お話が三つ入っていて、そのどれもが、とっても
ハートフルで、あったかいし。
そして、挿絵と装丁をされている、片岡まみこさんの
版画が、素晴らしいです。命・・生きとし生けるものへの
愛が、ギュギュっと詰まった一冊です。

「ぼくのネコにはウサギのしっぽ」
「毒物110番」
「おたすけ犬」

の3篇。短編で、とっても読みやすい。
小学校中学年くらいに、ちょうどいい感じです。
朽木さんの文章は、いつも、とても気持ちいい端正さに
貫かれているのですが、このお話たちの文章には、
朽木さんの、動物に対する愛情と、小さなもの言わぬ存在と
心通わせる温かさが、溢れています。
「かはたれ」の河童の八寸と、ワンコのチェスを思い出します。
私は、何度も読みながら泣いてしまいました。
好きなシーンが、いっぱいです。

「ぼくのネコにはウサギのしっぽ」の、タマ。
家族と離れてたった一人ビニールを噛んで
飢えを紛らわしていた、怖がりのタマ。
不細工なこの子と、不器用な自分を重ね合わせていた、
「ぼく」が、そっと心通わせる一瞬・・。

「毒物110番」の、やんちゃなダンという子犬。
家の中で、ナンバースリーを争っていた
「ぼく」とダンが、しっぽで交わす兄弟の約束。

そして、「おたすけ犬」の、ちょっと情けない顔をした、平吉という
優しいワンコがまわりに与えた、限りない愛情・・。
この平吉くんは、昔、うちで飼っていた犬を思い出させます。
何でもわかってて、人の心を読んで、優しくて。
この子は、言葉がしゃべれるんじゃないか、と錯覚するほど
賢い子。うちの犬は、大五郎という名前で・・。
小学校の通学路で、なおかつ、公園の横にあったうちは
常に子供たちのターゲットで、犬を飼っていると、まさにおもちゃ。
でも、ほんとに、どんなことをされても怒らなかった。
散歩しながら、急に走り出して傷ついた雀のところに案内したり。
ネコと一緒に飼っていたけど、ネコに一度も牙をむかなかった。
病気になっても、じっと辛いのを我慢していた・・。
そのころ、若くて、自分のことで精いっぱいだった、傲慢だった私は
そんな彼を、あまり可愛がってやらなかったなあ。
その事を、今、ごめんね、と謝りたい気持ちになってしまう。

公園の横に住んでいたから、たくさんの捨てられた動物たちと
暮らした。長生きした子もいれば、死なせてしまった子もいた。
たくさん可愛がった子もいれば、あまり関わらなかった子もいた。
そして、先日、私は、また小さい命を預かったのに、助けられずに
死なせてしまった・・・。私を見つめた小さい瞳を、閉じさせてしまった・・・。
どの命も、かけがえのない、命だったのに。
そんな、私の人生の中で出会った子たちに、この物語の中で、
私は、もう一度出会う事ができました。
彼らは、いつも、私に幸せをくれたなあ・・と、表紙の可愛いネコの
タマを見ながら、切なくて、ごめんね、とたくさん謝りたくて。
でも、あったかい気持ちになれて。
犬やネコは、たぶん、こちらが思ってる以上に、いろんな事がわかってる。
彼らは、言葉を話さないから、嘘をつかない。
そして、嘘をつく、おバカさんな人間を、許してくれる。

うちには、ネコが一匹います。
悲しいことがあると、なぜか、すっと傍にきてよりそってくれる
賢い彼は、私の心を持って歩いてる。
そして、こないだ、私の目の前で死んでしまった小さい子も、
その子の分、私の心を持っていきました。
この物語に込められている優しさが、たくさんの人の心に
届きますように、と願ってしまう。
目に見えなくても、かけがえなく大切なものが、皆、青空に見つけられるように
なったら、もっと優しい世の中になるだろうに。
・・そう思ってボロボロに泣けた「おたすけ犬」のラストを、どうか読んでみてください。



おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ERIさん、こんばんは♪
え〜・・・ご無沙汰しております(笑)
朽木さんの新作、読ませていただきました。

不器用なぼくとタマが愛おしくて・・・
ずっと泣きながら読んだ「ぼくのネコには〜」
ぼくとダンの攻防戦に笑いながら、ぼくの、
お兄ちゃんとしての頑張りに、胸がいっぱいに
なってしまった「毒物110番」
そして「おたすけ犬」の、言葉ではない、
心と心の繋がり・・。泣けて泣けて、途中で
読めなくなってしまいました。。。
お調子乗りで臆病なハリーは、
どこかうちの犬に似ています(*^-^*)
3篇とも朽木さんの、動物たち、子供たちに
対する愛情が溢れていて、幸せな気持ちで
いっぱいです
また1冊、宝物の本が増えました♪

お空に上っていった小さな命。
きっと見守っていてくれていますね。
ERIさん。心、寄り添わせて下さいね。

2009/06/13 02:07
>花ちゃんおひさしぶりです(笑) コメントありがとう。毎日を一緒に生きていることのかけがえのなさとか。いつか別れてしまうこととか。私たちはいつも忘れてしまいがちだけど・・。動物と一緒にいると、その気持ちを忘れないでいられる、そう思います。 私の心のかけらを持っていったあの子にも、きっといつか会えると思う。会えたら、ごめんね、って言ってたくさん一緒に遊んでやりたい・・・。傍に花ちゃんの心がいてくれると思うと、とってもあったかいです。ありがと♪ この本は、私にとってもかけがえのない一冊になりました。宝物です。
ERI
2009/06/13 21:32

コメントする help

ニックネーム
本 文

記事一覧

ぼくのネコにはうさぎのしっぽ 朽木祥 片岡まみこ絵 学研 おいしい本箱Diary/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる