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zoom RSS 絶望ノート 歌野晶午 幻冬舎

<<   作成日時 : 2009/08/07 12:02   >>

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画像ほんとは、昨日アップしたかったんですが、
夜中、ずっとログインできない状態が続いて
いたんですよね。がっくり_| ̄|○

この物語は、デスノートが下敷きになっているみたいですね。
三分の一くらい読んだところで、「そういうことなんか」と
ネタがわかってしまったので、ちょっとその後読むのが
しんどかったですが、一応全部読みました。

「言葉」というのは力があります。
特に書いて、文字にしてしまった言葉というのは、魔力がある。
よく、ネットで、ある事、ない事・・いや、ない事、ない事
好きなように書きたくってる光景を目にします。
でも、恐ろしい事に、書いて文字にしてしまえば、それがあたかも
事実であるかのように、人々の間に流布していく・・。
誰もが簡単に自己発信できる時代だからこそ、「言葉」に対する畏怖の
気持ちを忘れてはいかんよね、と思う今日この頃ですが・・。
この物語の主人公も、自分が書きつける言葉に、周りの人間が
踊らされていく、その全能感に酔いしれてる。
すべてを周りのせいにしていく、こういう厭らしさを、非常に
うまく、描き出していることに感心しました。
私のように、やたらに文章を書きつづるタイプの人間は、より気をつけなければ
ならん、と思うわけです。

このタイトルに使われている「絶望」という言葉は、きっと本来
もっと重い意味を持つものだったと思うんですよ。
でも、この主人公の持っている絶望感は、ちっこいんだなあ・・。
ここに描かれているようないじめなんて、家庭や学校の問題なんて、
ちっこい事だから悩むな、と言ってるわけじゃないですよ。
何というか・・いろんな問題を、自分の中に受け入れるキャパシティが
ちっこくなってるような気がします。
絶望もちっこいから、希望も大きくなりようがない。

64年前の昨日、恐ろしいほどの数の命が失われて
たくさんの人が、自分たちの暮らしを破壊された。
その中で感じた絶望の大きさは、私たちには計り知れないものがある。
・・そして、その中で、例えば、地面に芽吹いた命を見つけたとき、
果てしなく傷ついても、なお変わらぬ人の優しさに触れたとき・・。
感じることの出来る喜びや希望は、また、私たちの計り知れぬものだったに
違いない。あの日のような地獄は、二度と繰り返してはならない。
繰り返してはならないからこそ、こんなちっこいキャパシティでしか
ものを考えられなくなっている「今」を顧みるべきだと思う。
あの時感じていればよかった、と思っても遅いのだ、きっと・・。

また、夏がやってくる。
何度繰り返しても忘れてはならないことがある。

「わたしがこの世界で出会ったすべては
わたしの笑うまなじりに
涙する鼻の奥に
寄せる眉間に
ふり仰ぐ頸に宿っている」

先日読んだこうの史代さんのマンガの一節。
あの日に散っていった人たちの記憶が
今生きている私たちの眼差しに宿ることができますように。


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『絶望ノート』/歌野晶午 ◎
ああ・・・まさにこれは、歌野晶午さんの作品だ。気をつけなくちゃ、と思ってたはずなのにまた、やられた・・・。想像(警戒?)の斜め上を行く、あの展開はすごい。 主人公・大刀川照音(たちかわしょおん)の絶望の日々を綴った『絶望ノート』。あまりに酷いいじめの描写に、心が冷える。彼が神に縋ったとしても、それを非難することは出来まい。だが、彼が願うと、いじめてくる級友は怪我をしたり死んだりする。偶然?故意?そして、それをやっているのは誰なのか・・・。 ...続きを見る
蒼のほとりで書に溺れ。
2010/01/16 00:19

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ERIさん、こんばんは(^^)。
私は前全然〈歌野マジック〉に気づけず、最後の最後で、えぇぇ?!となってしまいました。
内容は重苦しいし、救いがないし、読後は嫌な感じなんですが、この『やられた!』感は凄いなぁ・・・と思いました。
水無月・R
2010/01/16 00:34
>水無月・Rさん
お久しぶりです(^◇^)
これは、気づかずに読んだ方が、面白かったですって、絶対!気が付いてしまうと余計に読後感が悪かったですから(笑)
言葉の力って、すごいですよね・・ほんと、文章書くことが、ちょっと怖くなります。
ERI
2010/01/16 23:49

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