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zoom RSS 雪だるまの雪子ちゃん 江國香織 絵・山本容子 偕成社

<<   作成日時 : 2009/10/16 01:04   >>

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画像冬を前にした、今の季節には、ぴったりの可愛い
物語です。久々に、江國さんの文章に酔いました。
キュートで、ちょっとほろ苦い、野生の匂いがする、
雪だるまの雪子ちゃん。こんな女の子を書かせたら
江國さんは、とってもお上手です。

雪だるまの雪子ちゃんは、野生の雪だるま。
大雪の日に、空から落ちてきた、正真正銘の野生の
雪だるま。この、野生の雪だるま、という発想が
いいですねえ〜。誰かが作ったもんじゃない、
どこかで生まれて、どこからかやってきて、どこかに
去っていく雪だるまなんです。つまり、命そのもの。
雪子ちゃんは、冷たいバターが大好物。百合子さんという
絵描きの年配のご婦人の家の物置で暮らしています。
雪だるまの雪子ちゃんにとっては、毎日が冒険。
お買い物かごをさげて、ショコラとバターを買いにいくことも。
森の中や、海の傍を散歩することも。
その雪子ちゃんの日常が、陽にあたってキラキラする
雪の結晶のように煌めいています。

このあたりでは、あまり雪は降らないんですが、昔は
よくスキーに出かけました。大概、長野。
一番滑りがいがあるのは、やっぱり志賀高原で、
雪質も格段によいので、しょっちゅう行ってました。
あのへんに降る雪は、このあたりにふる、なまっちょろいものとは
何もかも違う。吹雪になった時の、目の前に滑る人も見えなくなる
物凄さ。一晩で何もかも埋め尽くして降り続く圧倒的な力。
そして、晴れ渡った日に山頂から眺める雪山の美しさ・・・。
ゲレンデにキラキラと光が反射して、ダイヤをちりばめたように
輝いて、リフトの下にウサギやキツネの足跡がずっと続いて
いたりする。湿った雪の匂い。しーんとした樹氷の森。
いろんな事を思い出しつつ、この物語を
読んでいたのですが、「冬」というものは、その冷たさの裏に
むき出しな野生の力を秘めているように思います。
この物語を読んで思いだしていたのが、「ムーミン谷の冬」。
いつもは冬眠するムーミンが、真冬に起きてしまうお話ですが
あそこに描かれる冬の底知れない厳しさが好きなんですよ。
でも、夏の間に眠って、冬になったら起き出す雪子ちゃんは、
ムーミンよりも、もっと無邪気に冬をエンジョイしてます。
その天然さ加減が、非常に江國さんらしい。
天衣無縫な、可愛い猫みたいです(笑)
これは、山本容子さんの挿絵の力もあるんでしょうねえ。
女の人なら、まず、好きでしょう。

そして、この物語が、読んでいて妙に切ないというか、
どことなくはらはらしてしまうのは、自分が持っている雪だるまの
イメージを重ねてしまうからでしょうね。
もうねえ・・いつ、溶けてしまうか、やっぱり、はらはらするんです。
「溶ける前にすることよ」というのは、雪子ちゃんのお母さんの名言ですが
まあ、それは、人間も同じこと。どこかで、神様が私たちを見ていたら、
「あんなにすぐ寿命が尽きるのになあ」とか、はらはらしてはるかもしらん。
ただ、神様から見た私たちが、雪子ちゃんのようにキラキラしてるかは
別問題でしょうね。うん。雪子ちゃんみたいに、ドキドキしてくらさなきゃねえ・・。

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雪だるまの雪子ちゃん
偕成社
江國 香織

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