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zoom RSS フリーター、家を買う。 有川浩 幻冬舎

<<   作成日時 : 2009/10/27 00:38   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 4 / コメント 3

画像未曾有の就職難だとか・・。
ちょうど就職活動に入る息子を持つ身としては、
色々と心配なわけです。
しかしねえ・・こればっかりは、もう、親の出る幕はありません。
とにかく、自分で何とかしてもらわんと。
まあ、スーツ作ったりしてやるくらいが、関の山。
・・とはいいながら、あれこれ悲観的なニュースを見ては
ため息をつく今日この頃ですが。

そんな気分に、ドカンと嵌ってくるタイムリーな本で、
もう、このタイミングの良さが、有川さんの昨今の強さを
示していると思われます。自分もフリーターであったという
有川さんの筆が、乗る、乗る。
読み始めたら、やめられずに、ハラハラして一気読みでした。

就職したものの、シゴキのような新人研修からなじめず、
何となく3カ月で仕事をやめてしまった誠治。
しかし、その後、就職は見つからず、バイトにも身が入らず、
ヤケになって自堕落な日々を過ごすことに・・。
しかし、ある日、そんな息子と、想いやりのない夫、そして
近所の隣人たちの長年にわたるイジメが原因で、母親が
うつ病とパニック障害を併発してしまう。
自分の情けなさを思い知った誠治は、一念発起、就職して
お金を貯めようと決意。しかし、世間は厳しかった・・。

この、誠治の、最初のころのダメっぷりが、非常にリアルで
ドキドキします。いやー、ほんと、これが自分の息子だったら
どうしよう、なんて思ってしまうんですわ(笑)
それが、他人事じゃないのが、怖い。
一人前じゃないのに、プライドだけ高い。
危ない、危ない・・これは、若い時の自分も、けっこうそうだったよなあ。
いやもう、今はすっかり打たれて打たれて、すり減ってますが(笑)
この穴に落ちること・・けっこうありそうです。
しかし、そこから、後半ぐいぐい盛り返すところが、有川節。
しっかり、若者への応援歌になっています。
自分の若いころのイタイ経験が下敷きになっていると、後書で有川さんが
おっしゃってますが、だからこその、まっすぐな応援歌になっていて
読んでいて、気持ちよかった。ちょっと、最近「萌え」的な要素が
強い有川さんですが、やっぱり、私はこういう真っ直ぐ路線が好きですね。

そして、もう一つ、よく描いてあるな、と思うのは、心の病を持ってしまった
お母さんに対する眼差し。有川さんは、こういう痛みや苦しみを描くことに
きっちり向かい合うんですよね。
心の病に関しては、私は経験値があって、けっこう
研究書なども読み、あれこれ考える機会が多い方です。
その中で、「え?」と想う本も多数ある中、この病に対して、しっかりと
いろんな事を踏まえた上で描いてあるという事がわかります。
こういう苦しみってねえ・・なかなか、理解されない事が多いから。
就職と心の病・・という、今の問題に、等身大に向き合ったところが
この小説の読みどころですね。

若者の離職率は、けっこう高いらしい。
しかし、このご時世、ほんとに就職は難しい。
再就職となれば、なおさらそうだろう。
でもねえ、再出発、やり直しがきかない世の中、っていうのも
あまりにも世知辛い。あまりの世知辛さに、嘆息してしまう事が
多い最近ですが・・。
誠実に、一歩一歩。結局、そこなんだよな、と。
素直に思える世の中であってほしいと、切実に願ってしまう小説でした。
若い人たちを、育てる事は、将来の日本にために、切実に必要なことだと
思うんですが・・。使い捨てるという残酷さに、皆慣れてしまっているような
気がします。使う側も、使われる側も、お互いがそうじゃないという事に気づくべき。
希望のない国では、頑張れない。なのに、頑張れというのは、どうなんだろうな・・。
最近とみにそう思います。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
【フリーター、家を買う。】 有川浩 著
「母さん死ぬな―」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?【あらすじ】崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶――  商社勤務「経理の鬼」の父が原因で、重度の鬱病に罹った母。入社三カ月で会社が嫌になって退社しブラブラしていた25歳の俺が、名古屋の病院に嫁いだ姉にどつかれて、ある日、ふと目覚めた。もしかして、俺カッコ悪すぎ??そこからへなちょこ若者の成長が始まる。崩壊しかかった家族の再生と、主人公の成長過程を優しく描く、家族愛と希望に満ちた一冊。ダメダメな息子、こ... ...続きを見る
じゅずじの旦那
2009/11/11 18:11
書籍「フリーター家を買う」新しい事を始めるのに遅すぎる事は無い。
書籍「フリーター家を買う」★★★★面白い 有川浩 著 、幻冬舎刊 2009年8月25日発行、第1刷、1470円、309ページ ...続きを見る
soramove
2009/11/22 19:59
『フリーター、家を買う。』/有川浩 ◎
実を言うと本作『フリーター、家を買う。』は、日経のサイトでWEB連載されていたときに読んでいたので、再読である。 だけど・・・!やっぱり水無月・R大絶賛!読んだら即萌え!萌えの女神降臨!{%キラキラwebry%}の有川浩さんである。スンバラシイ。軽い気持ちで読み始めて、あっという間に引き込まれて、やっぱりいつもの如く、ぎゃひぎゃひいながら、読んでしまいました・・・。 今さらながらの注意事項ですが、ここから先は水無月・Rの大暴走をお許しいただける心の広〜い方だけ、どうぞ〜(笑)。 ...続きを見る
蒼のほとりで書に溺れ。
2010/06/14 22:51
本 「フリーター、家を買う。」
不景気がやっと底打ちしたと言われていますが、企業の求人についてはまだまだ厳しいと ...続きを見る
はらやんの映画徒然草
2010/12/07 20:02

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
出だしは暗かったですねぇ!
なんでこんな元気のないヤツを主役に置くのかとちょっと不思議でしたけど…
やっぱり有川節は健在でしたね。
中盤からはグーンと元気をいただきました!
じゅずじ
2009/11/11 18:14
ERIさん、こんばんは(^^)。
就職難なこの時代に、この作品!なんというかタイムリーですよね。
パートで再就職したい、と思ってる私にも参考になりました(笑)。
〈働く〉ということに、〈家族〉に、真摯に向き合う・・・、やっぱり「日和らない大人」を描く有川節が、素敵です!
最後の「あの二人はどーなった!」も、楽しかったです。千葉ちゃんは、イイ女ですよね!
水無月・R
2010/06/14 23:33
>水無月・Rさん
こんばんは♪私ねえ、この本、就活の息子にプレゼントしようかと、マジで思いました(笑)でも、その想いも、彼にはあんまり通じてないみたいですけど(涙)
有川さんの描く大人は、いつもびしっと筋が通ってます。こういう大人になりたいですよ(今さらですが)
千葉ちゃん、いい女ですよ!私も好みです(*^m^*)
ERI
2010/06/17 01:12

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