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zoom RSS 無理 奥田英朗 文藝春秋

<<   作成日時 : 2009/11/05 11:41   >>

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画像急に、とっても寒い。
私は寒くなると動きが鈍くなる・・。(変温動物か)
非常に体温が低く、血圧も低いので、一旦身体が冷えると
復活できないのだ。できれば、ムーミンのように冬眠したいなあと
思う今日この頃・・。

布団の中で読んだこの作品。持つのがしんどいほど分厚い。
大長編でした・・そして、内容が、濃い・・。
もう、これでもか、これでもか、と押してくる奥田さんの
上手さに押されつつ、人間のやりきれなさにため息が出ましたね。

3つの町が合併してでできた人口12万人のゆめの市。
古くからある商店街はさびれ、国道沿いの「ドリームタウン」が
唯一の盛り場だ。この街で暮らす5人――県庁職員だが
社会福祉事務所に出向し、生活保護支給業務などを
担当する相原友則、東京生活を夢見る女子高生の久保史恵、
詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマンの加藤裕也、
スーパーの保安員をしながら新興宗教に救いを求める堀部妙子、
県議会に打って出る腹積もりの市議会議員・山本順一
――が鬱屈を抱えたまま日々を送り、やがて思いがけない
事態に陥っていく。(文藝春秋HPより)


それぞれの登場人物のやりきれなさに身を浸しながら、
この空虚な感じ、行き詰まったどんつきにいる感じに、妙な
デジャブがあります。デジャブというよりは、同時性と言う感じ。
日本列島を覆う、いやーな気配が、この一冊に詰め込まれてる。
一言でいうなら、「この先、何か、いいことある?」っていう空気ですよ。
この夏の政権交代だって、何かを変えたいと思う意識の表れが
あの数字になったという事なんだと思うんですが。
長年のほころびのツケが回るところは、地方とか、弱者とか、
末端とか、声をあげない人たち、もしくは声をあげる術をもたない
人たちなんでしょう・・多分。
ここに描かれている情けない事情は、お役所のやりきれなさと一緒に、
私の周りにも、当たり前のように転がっている。
複数の絡み合った糸を結んでいきながら、最後に一つの事故に
収束させていく手腕もさることながら、その、当たり前のように
転がっている・・というリアルを感じさせる細部にほとほと感心しました。
「最悪」のラインから連なる作品だと思いますが、何となく・・そのやりきれなさが
年々物語の分厚さと共にましている気がします。
「オリンピックの身代金」に描かれていた、都会と、それ以外の地方の落差は
まだ、延々と埋まらない。昨日やっていたニュースで、北海道の新卒就職率が
10%代だと流れていた。キツイですねえ・・。
この時代の中に生きている作家として、これはちゃんと書いておきたい、という
奥田さんの気持ちが、いっぱい詰まった物語でした。
きついけど、こういう所を、ちゃんと見て大人は生きていくべきなんですよね。
・・と同時に、「わが身を律する」というか・・「おてんとさん、見てはるで」って
いう考え方が、ますますなくなっていきつつある日本が、悲しいなと。
バレへんかったら、何してもええんちゃうよなあ・・。

この物語のあと、上橋さんの「獣の奏者」を読んで、主人公の壮絶に美しい
生き方に涙しました。人は、どんな風にも生きられる・・。
ほんとに、どんな風にも生きられるんだよなあと、両極の間を行ったりきたり(笑)
家にいながら、いろんな人生に旅が出来て、私はけっこう救われてますね。
「獣の奏者」については、改めて。

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【無理】 奥田英朗 著
どこにもありそうな地方都市。活気がなくて、でも生きていかなくてはならない・・・  まずは来訪記念にどうかひとつ! [:next:] 人気blogランキング【あらすじ】合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。山本順一―もっと... ...続きを見る
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2012/07/26 19:11

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