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zoom RSS カラーひよことコーヒー豆 小川洋子 小学館

<<   作成日時 : 2009/12/29 01:19   >>

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画像あっという間に、2009年も終わりますね。
大掃除やら何やかんやで、なかなか本も読めずですが。
もっとも、忙しいと、余計に逃避して本が読みたくなるのは、いつもの事です(笑)

小川洋子さんのエッセイ。
とっても可愛い装丁の、手にしただけで心がほっこりする本です。
中は、もっとほっこりです。
小川さんの、この人柄が好きだなあ・・と思う文章ばかりです。
小さいもの、弱いもの、片隅にいるもの、忘れられようとしているもの。
そんな、小川さんが言葉にしなければ、消えてしまうようなささやかで
でも、大切なものへの想いが綴られています。
その小川さんの眼差しが好きなんだなあと、しみじみ思います。

カラーひよこは、小説にも書いておられましたよね。
でも、私はあまり見た記憶がないんです。
これは地域差もあるのかもしれませんねえ。
私は大人になるまで、非常に乗り物酔いが激しくて、電車に乗ることも
あまり出来なかったくらいでした。
そのせいか、地元の、歩いていけるような縁日にしか、行ったことがなくて。
記憶が偏っています。そのせいなのか、もしくは見ていたのに覚えていないのか。
しかし、色付けされたひよこが、泣きわめいている様は、まるで自分の記憶のように
生々しく浮かびます。そこには、人間の、いろんな身勝手が詰まってますね・・。

小川さんは、もの言わぬ動物や、黙って働く人や、ただ、何も言わずに持ち主の
帰りを待っている靴の、沈黙の声に耳を傾けようとする。
通訳をしてくれる人を、「言葉の天使」と呼び、家族のためにスーパーで買い物を
している人の後ろに家族を見て、レジを打つ人の仕事ぶりに驚嘆する。
小川さんが言葉にしなければ、記憶にも留まらずにすぎていってしまうもの。
彼女の繊細な文章で綴られて、そんなものたちが、美しく、自分だけの意味を持って
輝き始める。昔読んだ童話の中にあった、夜の間に綺麗な靴を仕上げてくれる
妖精のようだといつも思う。その小さな針目は、誰にも真似できない、
物いわぬものの静謐な美しさに満ちている。

あんな小説を書けるのだから、もっと、もっと自信に満ち溢れていいと思うのに、
小川さんはどこまでも謙虚で、まさに少女のように、初々しいままだ。
このエッセイの一つ、「神様の計らい」で、小川さんがカレン・カーペンターについて、
こう綴っておられる。

どんな才能も、自ら売り込んでいる間は本物ではない。
・・・(中略)・・・天に真っ直ぐ付き抜けてゆくような透明感を持ちつつ、
どこかしら哀切な響きを残すカレンの歌声は、結局自分で自分の才能を評価せず
謙虚なままであり続けた彼女の人間性の高さがもたらしたものだったのだろう。


その言葉、そっくりそのまま、小川さんの事じゃないですか(笑)
やっぱり、何回も言うけれど、私は小川さんが大好きだなあ。
しみじみ、そう思ったエッセイでした。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php



カラーひよことコーヒー豆
小学館
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「カラーひよことコーヒー豆」小川洋子
雑誌『Domani』に2年間にわたり連載したエッセイを中心にまとめた本。 ...続きを見る
ポコアポコヤ
2010/01/25 16:31

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