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zoom RSS 街場のメディア論 内田樹 光文社新書

<<   作成日時 : 2010/11/22 22:46   >>

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画像とても面白かった。「市場原理」というものに対して
私が常に抱いている不信感に共鳴してくるものがあった。
最小限の投資で最大の利益を得る、というのが市場原理である。
目に見えないものは、役立たず。その原理によって展開するのが
資本主義、というものなのだが、その市場原理を持ちだしては
いけない分野がある、という考え方を、初めて教えてもらった。
それは、「社会的共通資本」というらしい。人間が共同生活を送って
いく上で、不可欠なもの。自然環境、道路、交通機関、ガス、
電気、教育、医療、金融、司法、行政などは、「原理的に言えば、
個人の恣意にも、政治的イデオロギーにも市場の需給関係にも
かかわりなく保全されなければならない」。うーん、なるほど。
確かに、この観点からの報道、というものは見たことがないよ。

弱者からの視点、というのは確かに必要だと思う。
しかし、その紋切り型の発想が、人々の思考原理になることが、
私は怖いと思う。最近、図書館のカウンターにいて、怖い思いを
する事がとても多い。うちの図書館では、返却してもらった
本を、カウンターのすぐ後ろの一時置きの場所まで、持って
いってもらうことを、利用者の方にお願いしているのだが、
「お前らの仕事やろ」と、本を投げつけてくる人、急に怒鳴り声を
あげる人が、けっこういらっしゃる。怖いんですよ・・ほんとに。
その一時置きの棚まで、2〜3mくらいなんですが、
それでも怒鳴られる。「サービスが悪い」という事なんですよねえ。
しかし、その為に職員を配置するという余裕もないし、
返ってくる本も膨大な量になるので、利用する方が、ちょっとだけ
労力を割いて下さるのが、一番効率がいいんですが、怒られちゃう。
その他、時々、ほんとに心がすさむような事を言われることも
あって、人間が嫌いになりそうになる。
「借りたってんねん」という発想なんやろうなあ、としみじみ思う。
もちろん、「ありがとう」とおっしゃって下さる利用者の方もいらっしゃって、
その言葉には涙が出るほど嬉しくなって、やっすいお給料でも、
もっと頑張ろうと思うんですが。

無料で本が借りられる、公共図書館、というものが、どんなに大変な
努力で成立してきたのかという事を、誰も知らない。
そして、この不況下のおり、図書館が、行政からみて、一番たやすい
経費削減の対象なんだよ、という事も、皆知らないんだろうなあと思う。
実際、どんどんと、公共の図書館が、委託、という形で業者に丸投げになっている。
これが進むと、今度は「採算が取れない事業なんて、やっても仕方がない」という事で、
切り捨てられるんじゃないかと思う。実際、大阪の知事さんは、そういう論理で
児童文学館を潰しましたからねえ。
今日あるからって、明日もあるとは限らないのになあ・・と思うのである。
図書館も、教育も、医療も、それで採算を取る、儲ける、なんてことは不可能だ。
でも、「そうでなければならない」という幻想を植え付けたのは誰なんだろう、と思う。
その責任の一端は、メディアにあるんじゃないか。
この本を読んで、改めてそう思った。

と、私もここで責任転嫁をしてはいけない。
そのメディアに対して、ちゃんとものを言ってこなかったのは私たちだから。
世論とは、「誰も責任を取らない言葉」のこと。「誰でも言いそうなこと」
「言わなくても構わないこと」。よくいう「世間さまは許さないよ」という時に、
「世間」などというものは実質的にない事に等しい。許さないのは「世間」では
なく「自分」なのに、「世間」という事で、責任を回避しようとすること。

私は、ここで、ちまちまと本の話をしているだけのちっさいおばちゃんだが、
私にしか言えない、自分が自分で責任を取る言葉だけを書きたいと思う。
電子書籍の台頭で、出版業界は「未来が暗い」というが・・。
私は、紙に印刷された本が好きだ。本、という小さな宇宙に囲まれて
いる事が好きなのだ。パソコンやiPadの中に、どれだけテキストが並んで
いても、それは私を幸せにはしてくれない。
内田さんもおっしゃる通り、本棚に、お気に入りの本、これから
読みたい本を並べて、うっとりする。
この喜びは、そうたやすく電子に取って変わることはないと思う。
そんな人間は、けっこう多いですよ。
だから、私は、せっせと好きな本について書こうと思う。
こんな本が好き。これは、私への贈り物だと思える本について、
ここからちまちまと、自分の言葉で発信していきたいと思った。
出来れば、良きフィードバックが出来ることを願って・・。

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