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zoom RSS 3月のライオン 5 羽海野チカ 白泉社 

<<   作成日時 : 2010/11/27 21:04   >>

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画像昨日、友人と、「たくさんの人が号泣してるらしいのに、
自分は全く泣けない本について」という話を、
延々してたんですが。その涙腺が、どうもこの作品には
緩んでしゃあないという(笑)
大好きな島田さんのエピソードから入られて、故郷の
おっちゃん達の「変わんねぇ」というセリフに、まず降参。
ところどころに盛り込まれる、熱い二階堂くんとのやり取りに
笑わせて頂きつつ、部活で、生まれて初めての同級生たちとの
笑顔に囲まれている零の思い出に、切なくなり・・。
そして、ラストの零からひなちゃんへの誓いに、
粛然とした気持ちになりました。

この物語で、羽海野さんは、登場人物たちの過去を
一気に語らない。少しずつ、少しずつ、そう・・人と人とが
時間をかけて詰めていく距離感のように、慎重に語って
いきます。それだけに、たった一言のセリフでも、読みとばせない。
何回も何回も繰り返して読んで、彼らの「今」と「過去」に思いを
馳せつつ。将棋という勝負の世界の光と影に照らし出される
人間の「混沌」に圧倒されます。将棋の世界は、勝つか、負けるか。
しかし、人生は、勝ち負けではない、これまた混沌に溢れている。
その中を、自分の身一つで歩いていく零の孤独が、たまらなく痛い。
でも、その痛みこそが、この作品の核心だと思います。
「一人であること」の不安に、ただひたすら将棋に打ちこんできた零。
でも、少しずつ、その固い固い殻を破って、ほのかな光が射してくる。
その光が、彼の将棋に、どんな影響を与えていくのか。
なぜ、零は、闘っていくのか。そこを、じっくり、ゆっくり、読みたいと
思います。たった一人の人間の心に寄り添って、彼と共に、
流れていく大きな河を泳いでいく・・これは、大河小説、いや、
大河マンガになりそうな気配ですね。

これほどじっくりと、群像とも言うべき、たくさんの登場人物の
心の中を描き切るのは、大変な営みだろうと思います。
零から見ると悪役の後藤も、どうやら香子に振り回されてる様子。
まるで、将棋の駒のように、相手の陣地でくるっとひっくり返る、
人間にはたくさんの顔があり、感情がある。
いつも明るくてまっすぐなひなちゃんにも試練が訪れて、
この後の展開がとっても気になりますが・・もっと気になるのは、
初めの折り込みカラーページの裏側にあった、あかりさんの
何とも色っぽいお姿(笑)私が一番気になっているのは、実は
一番物言わぬ存在の、あかりさんかもしれない。
高校生でチョビ髭の野口くんも、また、良いキャラになって
いきそうですよねえ。彼と零が、友人になって欲しいなあ。

零が、なきじゃくるひなちゃんの言葉に、「救われた」と思うシーン。
これは、マンガ、という表現だからこそできるんだなあという名場面です。
ハチクロのラスト、竹本くんが、パンを買いにいくはぐちゃんを
遠くから見ているシーンも忘れられませんが、このシーンも、
忘れられない一枚になりそう。小さい零に、手を差し伸べるひなちゃん・・。
これで、全てが伝わってくる。羽海野さんは、ツボをついてきますよ、ほんと。

あー、いっぱい語ってしまった。ネタばれ満載になってしまいました・・。
まだ読んでいない方、ごめんなさい。でも、ネタばれなんて何のそのの、
濃厚な一冊です。

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