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zoom RSS 「守り人」のすべて 守り人シリーズ完全ガイド 上橋菜穂子 偕成社

<<   作成日時 : 2011/07/14 22:36   >>

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画像この本を、マイミクさんのところで知って、狂喜乱舞でポチっとし、到着しました。大好きな上橋菜穂子先生の「守り人シリーズ」の完全ガイドです。大好きです、「守り人シリーズ」。我を忘れて読みふける、幼い頃そのまんまの読書の喜びを与えてもらった本です。カッコいい女用心棒のバルサ、健気でとてもピュアな王子のチャグム。二人が出会ったときから始まる物語を、私は何度も読んで、読むたびにいろんな場面で泣けてしまう。様々な過去や運命を背負って、ただひたすら生きる、この物語の中の人たちのあれこれが、愛しくなる。

とても盛りだくさんの内容です。全シリーズの紹介と、まずは上橋先生と、佐藤多佳子さんの対談。佐藤さんの「チャグムが大好き」という熱弁に、すっかり同感(笑)この対談の中で、まだ上橋先生の書いた未発表作品があることが判明。ヒュウゴの少年時代の話だとか。ええ〜〜!!読みたいやん!!でも、昔に書かれたもので、文体が全く違っているから、おいそれと出せないとか。いや、先生、いいですから、とにかく読ませてくださいよ(涙目)
あと、「守り人」の世界図、人物相関図などを穴があくほど眺め。作中のお料理レシピもあり(笑)ああ、これはあの時、バルサが食べてた・・・とそこをまた読みたくなったりするという、お楽しみがたくさんある本です。
ところどころに、金原瑞人さん、荻原規子さんなどの上橋論、「守り人」論も載っていて、それも興味深い。一度だけ講演会でお逢いした上橋先生の人としての大きさとお人柄を思い出してしまう。ほんとに素敵なあったかい方だったなあ。

とってもとっても嬉しいのは、最後に書きおろしの短編『春の光』が掲載されていること。バルサとタンダの後日譚です。穏やかな春の光の中で暮らしている二人の様子に、何だかとてもホッとして泣けてしまいました。久しぶりに、昔の友人からお便りを貰ったような、そんな気持ち。長く続いたシリーズの登場人物というのは、友達のようなものです。傷つき、生死の境をさまよったタンダが、闘いに明け暮れて、放浪の日々をすごしたバルサが、今穏やかに暮らしている。だとしたら、チャグムはきっといい王様になっていることだろう。もしかしたら、美しい人と結婚して、子どもなど出来ているかも。・・・そんな風に想いを馳せるひと時をプレゼントして頂きました。この世界と隣り合わせの時空のどこかで、彼らは生きて、私たちと同じように働いたり、泣いたり、笑ったりしている。そう思える物語に出会えた喜びを、改めて感じます。

もう一つ、印象的だったのは、この作品を翻訳された平野キャシーさんとの対談です。この物語は、アメリカや中国、イタリア、スペインなどでも出版されていて、アメリカではバチェルダー賞という翻訳文学に与えられる賞を獲得しています。その英語版を作るための翻訳作業のあれこれについて語ってらっしゃるのですが、並大抵のご苦労ではなかったようです。日本語を英訳する、ということの難しさ。出版事情の違い。ある個所などは、丸々上橋先生が書き変えられたりしながら、それでもこの作品をたくさんの人に読んで欲しい、という情熱のもとに進められた翻訳作業。私などは、翻訳されたものをただ読んでいるだけなんですが、その裏にこれだけのあれこれがあるんだ、ということを改めて感じますね。「気配」「殺気」うーん・・確かに、それが何かと言われたら、説明するのは大変です。言葉が含んでいる、その言語特有のニュアンスの面白さって、文化そのものだから翻訳するのは難しいですねえ。いつか読んだ水村美苗さんの『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』という本を思い出しました。アメリカでは、自国にいい本がたくさんあるから、他国の本を翻訳しなければ、という発想がそもそもないらしい。これもまた、目からウロコですね。アメリカと中国って、自国中華思想という点において、とっても良く似てますね(笑)その牙城に、様々な壁を乗り越えて切り込んでいき、ファンをたくさん獲得しているこの作品が、自分で書いたわけじゃないのに、「凄いやろ〜!」って自慢したくなります。でも、アメリカ版は、大好きな二木真希子さんの絵じゃないんだなあ。
あ、このガイドは、二木ファンにとってはとても嬉しいカラーの表紙と、巻頭のカラーの挿絵もあり。そして、佐竹美保さんが、「蒼路の旅人」から、これもカラーで美しいイラストを寄せてらっしゃいます。このシーン。私も、何度も何度も想像した、チャグムが海に飛び込むシーンですよね?ね?(誰に聞いてんねん)あの、守られていた子どもが、こんなに強い少年になって・・と泣けたシーン(オカンか!)を思い出して、うるうるでした。

あかん。いつまでも語ってしまう。これは、ファンなら見逃せない一冊ですわ。また、一から読みたくなってきた・・。

2011年6月刊行
偕成社

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