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zoom RSS 精霊の守り人 上橋菜穂子 二木真希子絵 偕成社 @

<<   作成日時 : 2012/03/02 01:26   >>

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画像守り人シリーズの幻の作品、『炎路の旅人』が収録された最新刊、『炎路を行く者』が発売されました。『炎路の旅人』は、『蒼路の旅人』の前に書かれていた小説ですが、上橋先生曰く、このヒュウゴの物語が生まれたからこそ、そのあとの壮大な『天と地の守り人』全3巻が上橋先生の中で立ちあがったということ。さっそく買って読み、感想を書こうと思ったのですが・・・どうしてもその前に、『守り人シリーズ』を全部読み返したくなりました。大好きなこのシリーズの感想を、私はあまり書いていないんですよね。感想というよりも、「ここが好き」とか、「このシーンがたまらん」とかいう、単なる萌え話になってしまうこと請け合いですが、何だか今はそういうのをとっても書きたい気分なんです(笑)

ということで、第1巻、『精霊の守り人』です。過酷な運命に放り込まれた人間が、何を想い、どう行動し、その運命と対峙していくのか。上橋先生の書かれる物語を読むと、いつもこのことを考えさせられます。この『精霊の守り人』も、やはり非常に過酷な運命を背負う二人が出会うところから始まります。荒れ狂う川の上を渡っていく牛車を何気なく眺めているバルサ。そのとき、急に牛が暴れて、牛車の中から皇子が放り出される。その瞬間、バルサはためらいなく、川の中に飛び込んでいくんです。始めて読んだときも、この出会いのシーンにガツンときたんですが、全編を読んだ上でまたここに戻ってくると、そのバルサにためらいのなさに、心打たれてしまいます。彼女ほど賢く、様々な経験を積んだ人なら、その一瞬にも、それがいかに厄介なことを引き起こしてしまうのかという予感が絶対湧いたはず。荒れ狂う川の恐ろしさも知っていたはず。でも、バルサはためらいなく飛び込んでいくんです。そこに、彼女がこれまで生きてきた人生が、ぎゅっと詰まっている。バルサの決断の速さは、彼女がいかに修羅場をくぐり慣れているかという証。しかし、ただの用心棒なら、いかに強くてもそんなに簡単に自分の命を危険にさらすわけがない。ここに既に、バルサという人物の行動原理には、常人と違うものがある、と読者に伝わるんですよ。再読する私の目には、それが殺されるはずだった自分を助け、故郷を捨てたジグロと過ごした日々の中で培ったものだということが刻み込まれていて、改めてバルサの、ジグロの人生に想いを馳せてしまうわけですが。ジグロとバルサのたどってきた道のりは、まさに血反吐を吐くほど残酷なものだったけれど、その理不尽な運命が、今度は新しい出会いの扉をここで開くんだということに気づきます。どす黒い陰謀から始まった不幸が、めぐりめぐって一人の少年を今度は守る運命に繋がっていく。善きことも悪いことも、すべてを飲み込んでめぐっていく人の出会いというのは、何て不思議なものなんだろうと思う。そして、この『守り人』というタイトルに含まれている深い意味に思い至るのです。もちろん、このタイトルは、川に落ちておぼれかけた皇子のチャグムが、100年に一度生まれる精霊の卵をうみつけられてしまったもの。つまり『精霊の守り人』(ニュンガ・ロ・チャガ)であるという設定からくるものなんですが、私はそこに、ジグロが幼いバルサを守った日々と、バルサがチャグムを守ることになる運命を重ねてしまう。そして、チャグムがこれから大きな大きな、人々の運命を守り、背負っていくものになることも重ねて涙してしまう。(既にチャグムの母親目線ですね・・(笑))・・・あれ?導入だけで、こんなに語ってしまったやん(笑)困ったなあ。

さて、バルサはチャグムを救ったことがきっかけになり、精霊の卵をうみつけられるという大きな秘密を抱えた彼を守って逃亡の旅に出ます。彼らにはすぐに追手がかかる。何故なら、チャグムが背負ってしまった運命は、新ヨゴ帝国の国家機密に関わることだから。大人の勝手な政治事情が、チャグムを狙うわけです。しかし!帝の影の狩人と呼ばれる精鋭たちを、バルサは見事に倒していくんですよ。この戦闘シーンの見事なことったらありません。プロ同士の武術家としての差は、まさに紙一重。でも、勝敗を分けるのは、バルサが、いかに傷ついてきたか、痛みに慣れてきたか、という一点のみ。このあたりのリアルな感触は凄いです。(ボキャ貧)

と、ここまで書いたところで力尽きました(オイオイ)続きは、また明日。


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