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zoom RSS かえるのそらとぶけんきゅうじょ 村上勉 偕成社

<<   作成日時 : 2012/08/20 23:28   >>

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画像小さな頃は、かえるが苦手でした。教室で、いきなり大きな牛がえるを男子に投げつけられて絶叫したこともありました。でも、最近はかえるさんがとても可愛いと思うんですよ。うちの庭には、何匹かアマガエルが棲みついていて、よくカラーの葉の上でくつろいでいます。ちっさなちっさな手に、粟粒のような吸盤が付いていて、緑の宝石のように綺麗で見惚れてしまう。かえるって、どこか人くさいと思うのは、このちっさくて可愛い手があるからなのかもしれません。この村上さんの絵本のかえるさんも、緑の手で空飛ぶ羽を作ります。いつもこの頃には夏疲れが出てぐったりしてしまうのですが、熱が溜まってぼんやりしてしまう頭に、この本はとても優しい風を送ってくれました。

大きなどんぐりの木に住む、とかげとかえると、あまがえる。そこに、ある日けむくじゃらのお客さまがやってきます。毎日むしゃむしゃ葉っぱを食べるお客さんに、三匹は困り顔。でも、ある日けむくじゃらは姿を見せなくなって、そよ風とともにふわりと青い羽のちょうちょが舞い上がってきて、かえるに言います。「わたし、けむくじゃらよ。」びっくりして枝からおっこちたかえるは、その日から空とぶことを夢見るようになります。

この「けむくじゃら」は、アオスジアゲハの幼虫だったんですね。実はうちの庭のパセリに、アオスジアゲハが卵を産んだことがあったのです。これはアゲハの幼虫だ、とすぐにわかったので、段ボールと大きな網で囲いを作って、毎日パセリを補給し(凄い食欲だった・・・。この本の中で、かえるさんたちが木を心配する気持ちがわかります)羽化するところを観察しようと思ったんです。うまいこと3匹ともさなぎになったのに、たった一泊旅行に行って帰ってきたら、既に立派なアオスジアゲハにおなりでした(笑)放す前につくづく観察させて貰ったのですが、それはそれは見事に美しい羽でした。キラキラと光る青、光を反射して微妙に色が変わるのがとても神秘的。けむくじゃらから、あんなにたおやかな姿に変身されたら、かえるさんが恋してしまうのも無理ありません。恋はギャップから生まれるのです(笑)村上さんは、たった数色しか使わない絵で、自然の湛える美しさ、鮮やかさを見事に伝えます。アオスジアゲハのおじょうさんの、なんて可愛らしいことったら。

けむくじゃらに恋したかえるさんは、何とかして自分も空を飛ぼうと、一生懸命羽を作ります。その工房の細かい部分の書き込みもすごく可愛い!(こればっかり・・・)胸がきゅんきゅんします。ぐりとぐらの山脇百合子さんもそうですが、村上さんの絵も、いつ見ても心が持っていかれます。幼い頃から知っているから、というのではなくて、貫かれている村上さんだけの美意識にアンテナが反応してしまうんだと思うんですよ。不変で、でも、いつも見るたびに、はっと新しい目が開くような気がします。

「おれ・・・・・、もっともっと うまく とぶぜ!」

夏草の匂いを吸い込みながら叫ぶかえるくん。いいなあ。私よりずっと年上の村上さんが、こんなに瑞々しいお話を書かれるのに、あかん、更年期や・・・などと落ち込んでたらあきませんねえ(笑)不屈のかえるくんが、元気をくれました。夏休みももうすぐ終わりですが、読書感想文など関係なしに、親子で楽しく読むのにオススメの本です。

2012年7月刊行 
偕成社

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