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zoom RSS 残穢 小野不由美 新潮社

<<   作成日時 : 2012/08/31 00:43   >>

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画像このところ、体調不良でとうとう蕁麻疹まで発生。仕事と家事でいっぱいいっぱいな一週間でした。本はたゆまず読んでいるのだけれど、レビューが書けないまんま溜まっていき、既に夏休み明け直前の小学生状態(笑)・・・といっても、今は夏休みは早く終わるんですよね。昔の小学生の感覚からすると、8月の中途半端なところから始まる2学期なんて、すごく損した気分になるんじゃないだろうかと思いますが。

この本は、久々の小野さんの長編、しかもホラーということで、暑気払いに期待して読んだのですが・・・。体調不良のせいか、怖さを感じる前に読みながら寝てしまうこと数度。やっと読み終えたのだけれども、最後まであんまり怖くないまま終わってしまった。残念。

耳袋のような、聞き語り形式の小説です。読者から送られてきた手紙をきっかけに、自分の身辺におこった実話を地味においかけ、少しずつ判明したことを克明にレポする、という構成になっています。それゆえに、読者は自分の日常にこの怪奇現象がおこったかのような気持ちにさせられる、という仕掛けです。誰でも、身近に霊感の強い人、というのがいたりしますよね。怪談、というのは、そういう自分の日常の中にいる人から聞くのは一番怖い。お話じゃなく、実話、というリアル感が背筋に粟粒を誘います。なるほど、上手いところを狙ったなあと思いながら読んでいました。


しかし、どうも私自身、祟りとか、「穢」、つまり死を汚れと捉える考え方にイマイチ乗りきれなかったんですよね。最近、戦争に関するレポや論文を読んでいることが多いせいか、理不尽に死んでいった人たちの悲しみや辛さを、感じたい、理解したいと思う方向に自分がいるせいなのかもしれません。この小説が、いかにも虚構の空中楼閣で作られているのなら、きっとこの違和感は生じなかったと思うのですが、あたかもドキュメンタリーのような手法だからこそ、ひっかかってしまった。ドキュメンタリーというのは、事実を積み上げてある結論や主張を導き出すものです。克明に時間をかけて事実関係を追う文章は読み応えがありますが、その手法でたどりついた場所が、祟りの因果関係になっているのが、私にはダメなんでしょうね。身内に、散々、「あんたの○○は、先祖さんの祟りや」と言われ続けて育った身としては、トラウマ発動、という感じ(笑)楽しめなかったなあ。まあ、それ以前に、どうも私は死んでしまった人が怖くないんですよね、多分。生きている人間の方が、よっぽど底なしの闇を抱えて怖い。つまり、この本が怖くないのは、自分の問題なんでしょう。自分の怪談不感症体質を再認識してしまった夏の終わりでした。

しかし、この司修さんの装丁は見事です。新潮社、気合入ってますねえ。それにしても、十二国記の続きは、まだかしら。

2012年7月刊行
新潮社


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