ラッシュライフ 伊坂幸太郎 新潮社

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え~、伊坂幸太郎シリーズ3つ目でございます。
何で3つ目がラッシュライフなのか?いや、単に読み返した
順番でございますよ。もうねえ、読んだ本を次々に忘れて
いくというか、エッセンスみたいな匂いは残っているんですが、
細部はすぐにドッカン、と抜けていく。同じ本や漫画を二冊
買ったこと、ありませんか?私はよくあります。(笑)
おかげで読み返す本が常に新鮮だ。自慢すんなって。

何といっても交錯する人生が見事に小道具でつながって
いく爽快感がこの作品の醍醐味。このパズルを解くような快感
は伊坂作品お得意のやはり名人芸だと思う。トランクの死体の
トリックはやや強引だけど、何度も死体が転がりでるブラックな
おかしみにはやられました。

このみんながみんな何らかのトラブルや悩み、しんどさを
抱えてゆがんだピースになっちゃってる中で、唯一まともなのが
泥棒の黒澤である、というのがこの作品のもう一つの騙し絵
なんじゃないかな。世の中から一歩はずれたところで生きてる
彼は自分で自分のバランスを取ることを知っている。
魅力的ですね、彼は。伊坂氏もお気に入りのキャラなのか、
「重力ピエロ」でもけっこう大きい役ででてきてたし。
前半はこういう構造の作品なだけに、読むテンポをつかむ
のにちょっと手間取ってしまうのですが、黒澤はその回転ドア
をうまくまわす役割も果たしていると思う。エッシャーの絵の中で
ぐるぐる回る人たちを一人眺めている人のような存在なのかな、と
思ったり。またどこかでお会いしたい。

登場人物として一番感情移入できるのは、失業中の豊田。
ラッシュライフから外れて、早くそこに戻りたくてあせるのに、
見事にドツボにはまっていくんですねえ・・。
最後に彼に渡った幸運に、豊田は気づくのかなあ。
気づかないまま、お守りとして持っててくれる方がなんとなく
うれしい。「イッツオールライト」。私もドツボにはまったら、
そう唱えてみよう。ヒューマニズムがほのぼのと匂って
くるところも、彼の作品の魅力ですね。

おいしい本箱へ → http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=000514
伊坂幸太郎の本 → http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=000287
              http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=000367
              http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=000470
              http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=000500

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この記事へのコメント

ミチ
2005年09月13日 19:54
こんにちは。
TBさせていただきました。
同じ時期にこの本を読んでいたようですね~。
なんだか嬉しい♪
伊坂幸太郎の本って登場人物がリンクしてたりして、いろいろ楽しめますよね。
スタイリッシュな泥棒黒沢たお気に入りです!
2005年09月13日 21:59
ミチさん、ありがとうございます~!
けっこうミチさんとリンクしますね。
うれしいな。
元Tennis Boy
2005年09月18日 21:18
はじめまして。豊田さんよかったですよね。TBさせてください。
2005年09月18日 22:53
元Tennis Boyさん、コメントとTBありがとうございます。
こちらからもTBとコメントしようと思ったのですが、相性が悪い
のかなぜか何度やってもできません。また日をおいてトライしてみます・・。すいません!
2005年10月30日 23:29
こんばんは!
再びTBさせていただきました。

「イッツオールライト」なんか、いい言葉ですよね。
伊坂幸太郎の小説、初めて読んだのですが、
この方の小説、好きになりそうです。

今後もよろしくです!
2007年03月28日 21:48
こんにちは。ERIさん、TBありがとうございます。
伊坂幸太郎は、ホントに面白いですね!
「パズルを解くような快感」、そうです。
良いことをおっしゃる!まさにそんな感じです。

すべての物語が、ホッとする方向へ収束していくのが、
とても気持ちよく読めました。
リストラ中年・豊田、頑張れ。そして、「イッツオールライト」。
水無月・Rも「イッツオールライト」・・・イヤ、自分無責任すぎ(笑)。