図書館危機 有川浩 メディアワークス

画像ほんまにバタバタしてますが・・。
これは、書かんとあきません。凄い楽しみにしてたシリーズなんやから。
何しろ、前回郁ちゃんの王子様が堂上だということを、彼女自身が初めて
知ったところで終わってましたからね!!どうなんねん・・と思ったら、意外に
あまり進展はなかった、というか、純情が服着て歩いてるようなこの二人に
ふさわしく、もうイライラするような奥手っぷりです(爆)これで、郁ちゃんが
やっと堂上を、一人の男性としてきちんと意識するというスタート地点にたった・・。
うん、これで、いいのね。いいんだわ・・(言い聞かせる)

「王子様、卒業」
図書館に、痴漢発生。被害者は、小牧くんの大事な人、毬江ちゃん。
これが、敵を討たずにいられようか、ということで全員協力でのおとり捜査。
郁ちゃんが、フェミニンなスカートで変身するところに、ドキドキします。
この日常とのギャップというものに、また人って弱い。
戦闘服しか着ない女の子が、初めて見せる甘い装い・・堂上の戸惑いが楽しい。
展開は、もう定石通りにうまくいって、犯人は無事捕まってお仕置きです。
ここは、定石通りにいくのが、心地よい。この性犯罪のイヤさ加減というのは
男の人が想像するより、もっと激しいものです。自分が女であるというだけで、
なぜこんな汚らしい手でよごされなきゃいかんのか、と身が震えるような
屈辱です。しかも、耳がわるい毬江ちゃんの弱みにつけこむなんざ、許せないですわ。

実際、図書館を物凄く安全なところと誤解されている方が、多いんですが・・。
何しろ公共の、誰でも入れる場所であり、しかも人が多かったりすると、やはり
色々なことがあります。置き引き、盗難などのキケンもあるんですが、私が一番
冷や冷やするのは、小さなお嬢さんを一人でうろうろさせはる親御さん。
休日など、混雑しているときなどは、絶対目を離さないでほしいですよ。
もちろん、どこも警備員さんを置いたりして監視はしていると思いますが、なかなか100%とは
いきません。図書館だからと、油断しないでいっつも見てあげていてください。
お願いします・・。

「昇進試験、来たる」
昇進試験に悩むのが、郁かと思いきや、手塚くんだというところが、面白い。
「絵本の読み聞かせ」が課題なんですね。郁は、得意分野。
一方、子どもが苦手な手塚くんは、どうしていいか悩む、っと。
でも、これはあんまり悩まなくてもいいような気がするなあ。
子どもって、若いお兄ちゃん大好きですからね。きっと、カッコいいお兄ちゃんが
絵本読んでくれる、っていうだけでウケると思う。
この柴崎との組み合わせは、今のところ柴崎の一歩リードというところかな。
でも、これがいつかくるっと逆転しそうで、またドキドキしますね。

「ねじれたコトバ」
いつも、この物語は、何かしら一つ問題提起を投げてくるんですが。
今回は、言葉の規制の問題です。ある若い男性スターの初めての私生活
インタビュー。彼の祖父が営む「床屋」という、その言葉が規制の対象になっていて
(つまり、差別用語である、ということ)言い換えをしなくてはならなくなる。
つまりそれは、理容業、整髪業、などという言い方にする、ということ。
しかし、彼は、自分を幼い頃から育ててくれた祖父の職業に対しての誇りをかけて
「床屋」という言葉を言い換えてほしくない、と言う・・・・。

この言葉の規制の問題は、いろんな議論のあるところです。
「ちびくろ・さんぼ」の絵本が一時絶版になっていたことなどを思い出す方も
多いのでは・・。言葉というものは難しいもので、それが曖昧で抽象的な入れ物で
あるからこそ、私たちはそこにたくさんの意味や気持ちを盛り込むことができるわけですが
それだけに、たくさんの人を傷つけることになってしまうこともある。
しかし、一つの言葉をなくしてしまうことは、それに伴う、人間の生活をなくして
しまうことでもある、とも思います。「言葉」を失うことを考えるときに思い出すのは
小川洋子さんの「密やかな結晶」の光景。「バラ」という言葉の記憶が狩られたときに、町の中の川を花びらが埋め尽くして流れていく、あの光景を思い出します。
私たちは、良くも悪くも言葉なしでは
生きられない。私たちは、この世界を言葉というものに翻訳することで人としての
営みを可能にしているのだから。「初めに、言葉ありき」というのは至言です。
だから、その言葉を先回りして議論も尽くさぬまま、保身の為にだけ
手放すことはあってはならないのでは、と思います。この物語を読んで、また
その気持ちは深くなりました。

「里帰り、勃発」「図書館は誰がために」
茨城県展に展示される美術作品が、メディア良化委員会を批判するものだった
ことから起こる、衝突・・。血で血を洗う凄惨な戦いを、初めて経験する郁・・。
自分の信じるものを守るために、闘うことの悲惨さ。
有川さんは、いつも自分のスタンスを明確にしてはって、それをいつも潔いと思う。
それでいて、その潔さが常に痛みを伴うことも、ちゃんとご承知であると思う。
さて、私はこの立場に立ったら、どうするのだろう。
これまで、あまり見ないように、目をそむけてきたものをいっぺんちゃんと
見つめてみなあかんのかもしれへんな、と思う。
でも・・・うん。やはり、まだ結論は出ないな。
私は臆病なくせに結構戦いたがりでも、ある。
愛するものを傷つけられたときに、その気持ちが爆発してしまう傾向にあるんですが
感情ではなく、やはりここはとことん理性で考えるべき問題ですよね。

この闘いで、稲嶺という大きな支柱を失った図書館。
次の巻で完結するそうですが、どうやら一波乱も二波乱もありそうな気配です。
楽しみだ・・・。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php






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この記事へのコメント

やぎっちょ
2007年03月14日 04:03
こんにちは~♪
メルヘンな雰囲気にやられながら、社会的な問題というか考えるべき課題のようなものがふんだんに盛り込まれているのが有川さんのいいところですね。
言葉に関することは、差別用語とかかなりヒスなものも含めてうんざりしています。そういえば昔筒井さんが執筆やめてましたよね。左翼に「差別だ」とか言われて。。。「ちびくろさんぼ」どうよう、わたしたち古い?(って落としどころはそこ?)
ゆき
2007年03月22日 17:34
こんにちわ☆
今回も、この2人の純情ぶりにやられた感のある私です。
甘ベタだけのラブストーリーに終わらず
問題提起もされてるのがまたいいですよね。
シリアスさと甘さがうまく共存してる本だと思います。
ラスト1冊、どのような結末になるのか今から楽しみです。
2007年03月23日 00:43
>やぎっちょさん
この差別用語の問題といい、有川さんは、物語の中で自分なりの問題提起をされることが多いですよね。だからこそ、作品に一本筋が通るのでしょうね。
男前やなあ・・と、いつも思います(*^m^*)

>ゆきさん
こんばんは♪純情って、ほんと心をくすぐりますよね・・。
こういう硬派の純情は、特に。誰もがしたい、と秘かに思っている恋愛を形にしはるのが、上手です。最終巻、どうなるんでしょうね?楽しみです。

2007年04月05日 23:14
ERIさん、こんにちは。
水無月・Rもとうとう『図書館危機』の順番(図書館での予約)が回ってきまして、一気読みいたしました。その勢いで、とんでもない感想記事をUPしましたので、TBつけさせていただきます。ご迷惑にならないといいんですけど・・・(笑)。
2007年04月09日 20:11
ようやく皆さんに追いつきました(*^_^*)
読み出したら一気ですね、やっぱり。
おもしろかったぁ。もう次で終わっちゃうなんてさみしいですが、郁・堂上に柴崎・手塚の仲の進展が気になるところです。
でもどたばたで終わっちゃいそうな気も・・・(^^;)
miyukichi
2007年08月09日 01:18
 こんばんは♪
 TBどうもありがとうございました。

 ちびくろサンボ、子どもの頃好きでした。
 そういえばあれも差別語指定されてましたね。。

 次の巻でどう完結するのでしょうね。
 楽しみな反面、やっぱり寂しい気がしちゃいますよね。

 http://blog.goo.ne.jp/miyukichi_special
2007年08月11日 02:11
>miyukitiさん
そうなんですよ、次で完結なんですよね。期待もいっぱい、寂しさもいっぱいです。有川さんは、今のってる作家さんですよね。時代に乗っていく勢いを感じます。