サニーサイドエッグ 荻原浩 東京創元社

画像ハードボイルド・・フィリップ・マーロウ・・さらば愛しき人よ。
トレンチコート、ギムレット、煙草の煙・・。
ニヒルでシャイで、タフな私立探偵。いや~、永遠の憧れですなあ。
荻原さんは作家として、いろんなジャンルに挑戦する多彩な人ですが
このシリーズは、荻原さんの良いところが素直に出てるような気がします。
ユーモア、暖かさ、やりすぎない諧謔。
探偵物が好きでさぞかし読み込んだだろうと思うセリフが随所にちりばめられて
それを探すのも、ハードボイルド好きにはたまらんでしょう。
和服が似合う、儚げな女性に弱いのも探偵の鉄則。
実は儚げでもない長尾に、最後まで夢を持ち続ける最上は、多分に
妄想派と見た(笑)

でもね、これは男の優しさですよね・・。
女性に憧れを持ち続けることのできる男の人って、素敵だと思いますよ。
ことさら女性をバカにしたり、威圧的に物を言いたがる方たちに
日ごろ仕事で接していることが多いので、時々うんざりするんですが・・。
きっとこういう人に限って、実は色目なんかを使われたらコロっといくんや
ろうな、と思ったりしますね。
だから、最上が、どこか寂しげな茜という女の子に対して、大人の男として
思いやりを持って接しているのを見るとほっとする。苦労した末に、この
儲かりもしないだろう、探偵なんていう仕事で、行方不明の猫や犬を追っている
長尾。彼がどんな辛酸を舐めてきたのか、時々ふっと漂わせるところ。
その苦労が人に対する優しさに繋がっている最上という主人公が
段々かっこよく見えてくる。荻原さんが、きっと愛着を持って書かれているん
だろう、彼の魅力がこの物語の芯ですね。

しかし、人間を探すのも大変ですけど・・犬や猫を探すのも大変ですわ。
自分の家の猫を外にだすのに、つい心配でずっと遊んでいるところを
見てしまう過保護な飼い主の私ですが(笑)
こんな苦労して探すくらいなら、見てるわ・・と思ってしまいましたね。
猫の習性も勉強になりました。
この茜との捜索コンビ、なかなか楽しいんで、ぜひ続編を書いていただきたい。
最近読んだ荻原さんの作品の中では、これが一番好きかな・・。



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この記事へのコメント

tomekiti
2007年09月08日 17:50
ERIさん、こんにちは♪
荻原浩の新刊、面白かったですね!
ひさしぶりにコメディーチックでこれぞ荻原節って感じでした。
探偵最上は魅力たっぷりですよね。
>女性に憧れを持ち続けることのできる男の人って、素敵だと思いますよ。
ですよねーー。それが懐の広さ(深さ?)ってものですよね!!!
でも、最上のナヨッチイ感じのところも大好きです。
ケンカ弱いし(笑)

続編希望ですね!
2007年09月10日 00:44
>tomekitiさん
弱いところが、またたまらん味ですね、最上さん。
防御姿勢が、本からの受け売りなのが、笑えました。
そりゃあかんわ、と思いながら、女性に優しい彼に、ちょいと惚れました(笑)探偵は女に弱くないとあきまへん(*^ ^)v