ほかに踊りを知らない。(東京日記2) 川上弘美 絵 門馬則雄 平凡社

画像私は、やっぱり川上さんの文章が、好きだなあ・・。
こういうのは理屈ではなくて、感覚の問題なんだろうけれど
そう言ってしまうと、このレビューは終わってしまうんである(笑)

川上さんの生活を読んでいると、ほんとに私たちと変わらない
狭い、半径1kmで生きているような、主婦なんですよね。
でも、読んでいると、どうも、川上さんの住んでおられる
場所は、私たちと、ちょっとズレているみたいなんである。
(これは、この本に含まれている、川上さんのウソ・・いや、創作に
よるところが大きいのかもしれないけど)
読んでいると、ツッコミ放題。

なんで、たくさんの人に会って、足の裏が扁平になるねんな、とか。
家で一人で、巨大パンダ作ってたら、おかしいやん、とか。
手帳に、食欲があったからとて、「食欲」と書くのは、こわいやん、とか。

そりゃもう、目の前に川上さんがいはったら、端から、ツッコミたくなってる
と思う。きっと、川上さんは、ニコニコ笑いながら、そのツッコミを
受け流してくれるだろうな、なんてちょっと妄想して、うっとりする(笑)
そう・・私は、これを書いている川上さんに、ちょっと恋しちゃったみたい
なんだな。
恋というか・・なんというか。この微妙な、ぴったりとくるズレ加減に
はまってしまうというか。笑いながら、わかる~、わかる~、と
連呼しすぎて、読み終わったあと、ぐったりしてしまいました(笑)
一見、ふんわりしているかのようなこの文章の底に、なにやら
噛み切れない、どうしても口に残る部分があって、その感触が抜けない感じ。
これも、また恋・・ですよね。(違うかな?)

それは、片言の女の子が、ある日いきなり「文章」を話し出す驚きだったり。
パンツ塚を作っている、おばさんの説明の中に潜む不気味さだったり。
(これは、きっと川上さんのウソだと思うけど)
川上さんが、生活の中で拾った、小さな石ころが、私の口の中で溜まって
溶けない飴ちゃんのように、いろんな味で交じり合い、「川上」味になっていく。
どうしてくれんのよ、って川上さんに、ちょっと甘く文句を言ってみたいような、
そんな感じを起こさせる、溶けない川上味ドロップのような本。
ああ・・今日は、書いてる私も、わかりにくいような、レビューになって
しまいました。
これを読んで、よっしゃ、読んでみよう、って思う方はいるのかしらん・・。
わかりにくいレビューですが、私、最大級に褒めてます。
昼下がりの電車で、のんびり読むのが似合うかな。
装丁も、とても可愛くて、綺麗。ナデナデして、自分の本なら、ちょっと
中の絵に色なんぞ塗りたくなるかもしれない。
・・・こういう、読み手が入り込みたくなる本の作り方は、好きです。
ちなみに、東京音頭は私も踊れます。
何でかな~・・。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2008年03月18日 01:44
TBさせていただきました。
川上さんの文章に恋をしてしまう気持ち、ものすごくわかります。私も、気がつくと心地よい川上ワールドにはまり込んいます。特に、短編やエッセイの場合は確実にツボに来ます。
塗り絵かあ・・・自分の本なのでやってみようかな。
2008年03月20日 23:59
>こおろぎさん
川上さんの文章は、体質のようなもので、いったんはまると、中毒になりますよね(笑)
文体のある人が大好きな私は、いつも川上さんに、ちょっと恋してしまうんですよ。憧れちゃいますね。