武士道セブンティーン 誉田哲也 文藝春秋

画像武士道シックスティーン」の続編です。
転校で、離れ離れになった、早苗と香織。
それぞれの場所で、戸惑い、迷い、新たな人と出会い
自分の生き方をさぐっていく二人。
道は二本線になっても、お互いの存在が、心の支えになる・・。
そんな心の繋がりが、青空のように眩しい一冊でした。

福岡で、全国大会常連の高校に転校した早苗。
しかし、その「勝つ」ことだけに拘る部の方針に
戸惑うばかり。特にこの剣道部の芯である黒岩レイナの
やり方は、まるで格闘技スポーツのようで、早苗には
違和感が募るばかり。
香織は、後輩を指導しつつ自分の柔道を追及する日々だが、
不良に虐められていた同級生を助けたことから、
思わぬトラブルに巻き込まれてしまう・・。

ずばり、今回のテーマは「武士道とは何か」という事ですね。
剣道、柔道・・「道」とつく武道が、他のスポーツと一線を画するのは
何か。早苗は悩む・・。勝てばいいのか。
対峙する相手を、打ち負かせばそれでいいのか。
それは、自分が大好きな「剣道」とは違うと思う。
香織は、自分は武士道に生きていると思っている。
だとするなら、理不尽な暴力に相対したとき、
武道家として自分がなすべきことは
何なのか。相手をやっつければ、それでいいのか・・・。
その疑問に、あれこれ迷いながら、手探りをしながら、
自分で考えて答えをみつけようとする。
自分が納得できる武士道のあり方を探す二人の足跡が、とても丁寧に
書かれていて、素敵です。
お互いに離れていながら、そのお互いの存在があるからこそ
自分を見失わないでいられる・・。
彼女なら、どう思うだろう?何を感じるだろう?
そう思える友達がいる、っていうことは、人生の羅針盤を持ってると
いうことですね。

そして、まわりの大人たちが、二人をゆっくり見守っている、そこがいいですね。
答えは、簡単に教えてもらったんでは、自分の血肉にならない。
自分の身を持って香織に武士道を教えた、彼女のお父さんの
存在感がかっこよかったなあ・・。
武士道とは、闘いを納めるためのもの。誰も傷つけず、だれも殺さぬように
そういう社会を築いていくための道。
すとん、と胸に落ちる最後の吉野先生の言葉が、このすさんだ世相の中で
胸に沁みます。前作にも負けず劣らず面白かったこの作品。
剣道の試合の場面が楽しかったんで、また剣道物が読みたい。
誉田さんには、これからも素敵な青春小説を書いてほしいです。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php





武士道セブンティーン
文藝春秋
誉田 哲也

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この記事へのコメント

2008年10月24日 22:19
ERIさん、こんばんは(^^)。
少女たちの青春武道物語に、非常にさわやかな気持ちになれました~。
16歳→17歳ときたからには、是非に18歳の物語も!!
と期待しております。
特に今回「ヘタレ過ぎ」だった清水君には、是非に挽回のチャンスを!!(←どんだけヘタレ萌えなのか水無月・Rよ)
ERI
2008年10月26日 23:57
>水無月・Rさん
18才の彼女達に逢いたいですねえ。ちょっとは恋なんかしてるでしょうか?うーん、でも、清水くんは、ちょっと恋の相手には無理かも(笑)もう、守られ役の乙女男子としてがんばって頂きたいです(*^m^*)