あの日、ブルームーンに。 宮下恵菜 ポプラ社

画像とっても愛らしくて切ない初恋の物語でした。主人公の女の子が可愛いんだなあ、ほんとに。まっさらの心が、初めて感じる、「好き」という気持ちに色づいていく。女の子なら・・・まあ、私なんぞはウン十年前の女の子ですが(笑)だからこそ余計に、このピュアさが愛しい。誰かを好きになるって、いいよなあとしみじみ思ってしまう物語です。こんなおばちゃんがそう思うんだから、初恋現役世代にはこたえられないと思います。

主人公の結愛(ゆうあ)は、仲の良い両親と妹想いの兄に愛されて育った女の子。真面目で、活字を読むのが好きな結愛は、同級生たちに「話しかけにくい」と思われてしまったまま、なかなか友達が出来ない。そんな浮いてしまったままの中学生活の中で、初めて気になった男の子は、金髪に髪を染めて、皆に女ったらしと言われる蒼井瞬だった。ふとしたことがきっかけでしゃべるようになった彼は、結愛の前では噂とは全然違う、物静かな少年。塾からの帰り道をいつも送ってもらいながら、二人はいろんな話をするようになる。しかし、そのことが同級生にばれてしまったことから、結愛は女の子たちから総スカンをくらうことに・・。

この、瞬という男の子が、とても魅力的なんですよねえ。金髪で、彫りの深い派手な顔立ちで、一見不良っぽいんだけれど、実はおばあちゃんが教えてくれた花の名前を全部覚えているような男の子なんです。ギャップ萌え・・これは全ての女子の心をくすぐります(笑)昔、剛さんが演じていたドラマで「青の時代」というのがあったんですが、そのリュウくんを思い出すキャラなんですよねえ・・。お嬢さんで、感受性が豊かに育った結愛と、瞬という男の子が心の中にひそかに持っている繊細さが響き合って、ふわっとホタルの灯すあかりのように点滅する瞬間が、瑞々しく描かれます。いいなあ・・初恋。物語のいいところって、その本を開いている時は、自分も可愛い乙女になれるってことですね(笑)初めて作るお弁当、浴衣姿で出会う夏祭り。

笑ってくれたら、うれしいなって思うんだ。それだけでいいの。うまく言えないけど・・・


こんな風に人を好きになれることって、人生に何度もありません。ほんとに、きらきらの初恋。
でも、この恋は大人の事情に引き裂かれてしまう。その事情はネタばれになるから、書きませんが・・。それは、中学生の二人が立ち向かうには、重すぎる現実です。瞬の抱える事情は、彼の高校進学さえも許さないかもしれない。その現実を少しでも何とかしたい、瞬の辛さを少しでも軽くしたい・・そう願う結愛だけれど、何も出来ない自分がいる。せめてもの願いを、彼女はひと月に二回出る満月・ブルームーンに託そうとします。違う場所から、同じ想いを抱えて見上げる月。その時は叶わなかった願いだけれど、ずっとその願いを持ち続けた二人の想いは、消えずに、少し大人になった二人を照らします。再び出逢うラストが涙、涙でした。

ほんとにね、誰かを好きになるって素敵なことです。好きな人に笑っていて欲しい。幸せになって欲しい。そんな風に思い続けるパワーが、大事なんですよねえ・・・。そして、誰かを大切に思うことは、自分を支えてくれたりもする。この物語の若い二人に、少女の頃をとっくに過ぎた私も、優しいパワーを貰うことが出来ました。

そして、何とびっくりしたことに、作者の宮下さんのツイッター情報によると、この物語はご自分の中学時代の想い出と、KinKi Kidsの「月光」という曲を重ねて生み出されたものらしい。ああ。。だからブルームーンなんだなあ。しばらく考えるところあって聞いてなかったこの曲を、思わず聞いてしまいましたよ。この曲を歌う剛さんの声と表情にはいつも泣かされてしまう。何度聞いたかわからない、大好きな曲です。
「僕らが大事にしたものも 僕らが探してたものも 蒼く光る月のように 確かに夜空で巡ってる・・・」この歌声を聞いたとたん、主人公の瞬くんが、なんで少年の頃の剛さんにぴったり重なってしまったのか、謎が解けました。そう思って読んだせいか、思わず私も瞬くんに恋してしまいそうになってしまった(笑)ラストで彼が見せる笑顔は、あの笑顔だなあ(すっかり妄想)。瞬に向ってまっすぐ走っていく結愛の気持ちに、つい自分を重ねて、胸キュンの一冊でした。(おいおい・・)

2011年5月刊行
ポプラ社

この記事へのコメント

ほなです
2012年04月22日 20:06
読みました!!!!!


すごくはまってしまいました!!!
こっちまでドキドキしてきました!!
はたしもこんな恋してみたいです

ほなです
2012年04月23日 20:17
またコメントしてしまいました
とにかくみんなによんでみてもらいです
ERI
2012年04月23日 21:10
>ほなですさん
コメントありがとうございます(^◇^)
とてもキュンキュンする恋ですよね(〃▽〃)
ほなですさんは、ティーンかな?こんな恋にあこがれる気持ち、とてもわかります。誰かを大切に思うことって、一番素敵なことですよね!
私も、この本は、たくさんの人に読んで欲しいです(*^-^*)
ほなです
2012年05月04日 17:45
すいません
ERIさんって、宮下恵菜さんですか?こんなこと聞いてすみません・・・
わたしは、ティーンです!
わたしは、キュンキュンする恋は、したことがあまりないので、してみたいですところで、私、急ですが、この本の続きがよみたいです!!すいません・・・
でも、はまってしまいました  無理だと思うんですけど、どうしても・・・読みたくて
一応・・
ERIさん、私のことを言うときは、ほなって呼んでください
すいません。色々と・・・ 
ではでは・・・
ほなです
2012年05月04日 21:03
↑こんなこと書いてごめんなさい・・・
でも結愛ちゃんが蒼井瞬君に会えたところで
どうなるのかなー・・・ってすごく気になってて、
たまらないです
でも、きっといい感じになってるんじゃないかと思います←こんな感じ?
あと、りんりんも赤ちゃんが生まれてこれから色々あって面白そうです
すいません本当に・・・
勝手なこと言って・・・
おやすみなさい
ERI
2012年05月06日 01:42
>ほなちゃん
呼び捨ては世代的に出来ないので、ちゃんで(笑)
まさかまさか、私が宮下さんのはずはありません(笑)
物語の続き。書かれてないところを、いろいろ想像してみるのって、とても楽しいことだと思います。
ほなちゃんだけの、この物語の第2巻を心の中で作ってみたらどうかな?
IHSSKO!!
2012年06月11日 09:43
ティーンって、何ですか?????

教えて~~~ERIさん!!
私も恋したい!!!

2014年10月29日 19:40
とってもいいお話でした~最初は長いから読めるか心配だったけど、読んでいくうちに早く早く続きが読みたくなってきました~(^O^)結愛はとってもかわいいし、蒼君もかっこよすぎです!こんな恋してみたい~あの2人の今後の続きが知りたいです!ぜひ宮下さんに第2巻をまた書いてほしいです☆彡お願いします!