シンポジウム 子どもの物語・大人の物語

昨日、大阪産業創造館であった、日本ペンクラブ主催のシンポジウムに行ってきました。パネリストは、今江祥智さん、里中満知子さん、越水利江子さん、令丈ヒロ子さん、進行はひこ・田中さんという豪華なメンバーです。いやー、ほんとに楽しかった!会場には、他にもいろいろと作家さんが来られていて、話が広がるわ、広がるわ、初めのテーマからどんどん膨らんで・・・。皆さん、とてもお話がお上手です。そろって関西出身でらっしゃるせいか、心やすく楽しい雰囲気が初めから漂って、とてもリラックスした空気の中、有意義なお話をたくさん伺うことができました。

一番たくさんお話をしてくださったのは、里中満知子さん。小学校の頃から、里中さんのマンガをずっと読んできた私にとって、とても嬉しい時間でした。あの頃、夢中になっていた「アリエスの乙女たち」や「季節風」を書いてらした時のこと。デビュー間もないころの、苦労話・・いろいろお伺いして、里中さんという方が、非常にゆるぎなく、御自分の書きたいことを貫いてこられたということに、改めて感動。ゆるぎないのだけれど、頑なでは決してなく、しなやかに、時にはいろんな駆け引きもありつつ・・・このあたりの御苦労を、さらっと、ユーモアで語ってらしたのだけれども、あの頃マンガというものに向けられていた冷たい視線を思い返すと、それは並大抵ではなかったと思うんですね。それは先日読んだ萩尾望都さんのご本にも書かれていたことですが、世間が持っていたマンガに対する偏見・・・時には、作り手までが持っていた偏見に対して、敢然と戦ってこられた世代の里中さんのおっしゃる言葉には、強い説得力がありました。そして、今江祥智さんの果たしてこられた数々のお仕事が、今の日本の児童文学やYAという分野を大きく広げてこられたのだというお話。マンガだから、子どもの文学だから、こうでなきゃダメでしょ…そういう固定観念が生み出す枠組みを超えて、心の自由をその手で切り開いていく営みについて、表現する立場の方々の想いを聞けたことは、とても有意義なことでした。

テーマである、「子どもの物語・大人の物語」という話からは、だんだんと話は逸れて、多岐にわたりました。大人の物語と子どもの物語の境界があまり無くなっている、というお話では、利江子先生の「大人の文学が子どもの文学の手法を取り入れている」という言葉に、そうやなと深く頷き。ひこ・田中さんが、自分を頷き隊とおっしゃってましたが。私は、こちら側でひたすら頷いて、「ほ~~ほ~~」とつぶやくふくろうになっておりました(笑)

印象的だったのは、ひとしきり、オタクな話などで盛り上がったあと、里中先生が「日本では、宗教などの強いタブーがない分、それに対抗する形での強い文学の力が盛り上がりにくい。しかし、この曖昧で、ゆるい状態でいられるということは、一番平和に生きていられるということなのだから、そんな日本に生きている私たちが発信する文学について、もっと自信を持っていい」とおっしゃったことでした。いろんな意味で、はっとさせられる言葉です。マンガ、という今世界中で読者を獲得している分野の第一人者の視点でもあるでしょうし、同じ表現者として、若い世代の作家の方々へと贈られた強いエールでもあるでしょう。里中先生、ほんとに素敵な方でした。最後の質疑応答で、けっこう質問者との突っ込んだやりとりがあったのですが、里中先生のぴしっと筋の通った答えに、思わず拍手が沸き起こる一幕もあり。その内容は書きませんが、今江先生、里中先生はじめ、「物語は、たったひとりの心に寄り添って書いていくもの」という、表現する立場に立たれる方々の創作における実感をお聞きして、日頃私が思っていることと一緒だ!と(そら、こんだけ物語に淫してるんですから、同じなんは当たり前と言えば当たり前なんですけど)非常に嬉しい想いを致しました。勉強不足の私には、細かい児童文学の歴史はまだまだおぼつかないものではあるし、基礎知識にも恐ろしく欠けるんですが。心情的には・・というか、物語の根本を感じるところでは、これでええんやな、と。(おおざっぱやな)感じることが出来たのは、自分への励みになりました。あとは、もっと勉強せなあかんのやなと、これもまた当たり前なことを痛感して帰ってきたという次第です。

皆さんから、2時間なんて短すぎやん、という声が出ておりましたが、その通りの楽しい時間でした。
また、大阪でやって頂きたいなあ・・。こういう催しは、大概が東京で、関西ものは辛いことです。会場は満杯の人でした。ぜひぜひ、また企画して頂きたいと、切に願っております。あと、余談なんですが、パネリストの女性陣が皆さんとっても綺麗でチャーミングでいらして、眼福でした。チャーミングと言えば、今江先生も、とってもチャーミングで魅力的な方でした。女性陣に押されてらっしゃいましたけど(笑)もっとお話聞きたかったなあ。

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