なのはな 萩尾望都 小学館

画像震災のあと、月刊誌に連載しておられた作品を、まとめられたものです。
萩尾さんの想いが、深く込められた一冊。
特に表題の『なのはな』『なのはなー幻想「銀河鉄道の夜」』は、胸に迫ります。

いつも、マンガという文化は、子どもの方を向いています。
ずっとその先頭にいて、道を切り開いてこられた萩尾さんの目線は、
これからの未来を生きる子どもたちにある。
今、なし崩しにしてはいけないことがある、と私も強く思う。
これだけ強大な力を前に、人が出来ることは、封印するか、
ただなのはなやひまわりの力を借りること・・なんて、バランスが悪すぎる。
何も言わず放射能を吸ってくれる植物にも、申し訳ないことだと思う。
平仮名の「なのはな」は、山村慕鳥の詩を意識してあるのかもしれない・・。
いちめんに、ただ咲くなのはなの、静けさを思って心がしんとする。

最後に収録されている短編『なのはな-幻想「銀河鉄道の夜」』がとてもいい。
牛と、親とはぐれた幼い子を、連れて銀河鉄道に乗りこんだおばあちゃんを
呼び続けて、主人公の少女が泣いていると、
おおきな仏の足があらわれて「なあんにも こわいことは ないぞう」と
列車と一緒に去っていく。

「なあんにも こわいことは ないぞう」

この言葉を書きたかった、萩尾さんの想いに泣けます。

最近、また地震が多い。
また、こわいことが起こらないように、切に、切に祈ります。

2012年3月発行
小学館

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この記事へのコメント

ぱせり
2012年03月23日 14:13
ERIさん、
私もこの本読みました。
萩尾望都さんがこういうまんがを描いていると知ってびっくりしました。
そして、その誠実な姿勢に感動しています。

>萩尾さんの目線は、
これからの未来を生きる子どもたちにある。

混乱の中で、子どもたちに向かって描かれたまんが・・・誠実に真剣に子どもたちに語ってくれた一こま一こまに感謝したいです。

なし崩しにしてはいけないこと、ほんとですね。
ナホちゃんの手を借りて、萩尾望都さんは、みんなの心に小さな希望の種をまいてくれたような気がします。
ERI
2012年03月24日 23:37
>ぱせりさん
コメントありがとうございます。萩尾さんは、この連載を震災の割とすぐ後から始められたんです。様々な色の言葉が溢れた時だからこそ、この萩尾さんの揺るぎなさに、とても勇気づけられました。

>ナホちゃんの手を借りて、萩尾望都さんは、みんなの心に小さな希望の種をまいてくれたような気がします。」

ああ、ほんとです。出来ることの小ささを嘆いていてはいけないですよね。ぱせりさんの言葉にも、また大切なことを教えて貰いました。ナホちゃんのなのはな。きっと、たくさんの人の胸に咲きますね。