テーマ:か行の作家

光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島  朽木祥 講談社

「美」はいつも心に新しい感動をくれる。美しさは人の心の扉を開いて、そっと奥底に滑り込む。夕焼けが、樹々や海の色が人の心にいつも何かを語りかけるように、「美しい」ということは私たちの心を解き放つのだ。ヒロシマの物語、というと「怖い」「恐ろしい」という拒否反応が特に子どもたちには生まれがちだが、この『光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島』は、…
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引き出しの中の家 朽木祥 ポプラ文庫

時々更新しておかないと、ブログ内検索が出来なくなってしまうので、移転先に書いたのと同じ内容ですが、アップしておきます。 朽木祥さんの『引き出しの中の家』が文庫になりました。単行本も赤い表紙のとても可愛い本だったのですが、今度はピンクの表紙で、これまた乙女心をキュンとくすぐる可愛さ、愛しさです。文庫化を機会に、またこの本を読み返しま…
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サエズリ図書館のワルツさん1 紅玉いづき 星海社

最初は、ごく普通の町にある図書館の物語かと思っていました。しかし、どうも違うらしいと気づいてから一気に面白くなって読みふけることに。この物語は、近未来の図書館。しかも、本というものがとてつもなく高価で手に入りづらくなってしまった時代の図書館のお話です。まるで骨董品のような扱いを受けている紙の本。それを、登録さえすればただで貸してくれると…
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バク夢姫のご学友 柏葉幸子 児嶋なおみ絵 偕成社

この人、何だかいけ好かない、と思う。感じわるーい、もしくは、きっと友達にはなれないよね、と思う。でも、学校でも仕事でも、どうしてもその人と一緒に行動しなきゃいけなかったりすることがあります。この物語の主人公の女の子・五月も、いきなり、ちょっと変わったお上品な言葉を話すバクと過ごさなくてはならなくなります。ぽっちゃり、いや、ぽってり体型、…
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カンナ道のむこうへ くぼひでき 志村貴子絵 小峰書店

今、職業教育というのが、早くから行われています。自分の好きなこと、将来の夢を見つけて、そこに向かって努力しましょう、と小学生の頃から言われたりします。文科省の答申でも、小学校高学年の目標として「憧れとする職業をもち、今しなければならないことを考える」「将来の夢や希望を持ち、実現を目指して努力しようとする」なんて書いてある。将来の夢や希望…
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ラモーナは豆台風 ベバリイ・クリアリー 松岡享子訳 ルイス・ダーリング絵 学研

たくさんの子どもたちに愛されている『ゆかいなヘンリーくん』シリーズの一冊です。新しく改訂新版が出ているので、嬉しくなって手に取りました。長く読まれている本は、時々こうして新版を出してもらうと、いいですね。人気のある本ほどボロボロになってしまうのが図書館の宿命。でも、いざ買い換えようと思うと絶版になっていたりすることが、ままあります。子ど…
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八月の光 朽木祥 偕成社

広島は、朽木さんのライフワークだ。この本には、広島の原爆をテーマにした連作『雛の顔』『石の記憶』『水の緘黙』が収録されている。アマゾンから週末に届き、何度も何度も読み返した。安易に泣いてはいけないと思うのに、後から後から涙が溢れて止まなかった。読めば読むほど、何をどんな風に書けばいいのか、作品の内包するものの大きさに打ちひしがれてしまう…
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無菌病棟より愛をこめて 加納朋子 文藝春秋

加納さんが、急性白血病で闘病してらっしゃることなど、何一つ知らず・・・。この本も頁を開くまで小説なのかと思っていたのでした。何と、2010年の6月から、ずっと闘病してらしたらしい。これは、その闘病の記録です。 病院嫌いで、何でも寝て治す派だった加納さん。仕事に、家事に、PTAに、自治会の仕事に、バタバタ走りまわる毎日。この年代の、…
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曽根崎心中 原作 近松門左衛門 角田光代 リトルモア

角田光代さんが描く「曽根崎心中」。想像したより原作に忠実で、この作品の孕む熱がむせかえるように伝わってきました。熱いです。 曽根崎は、何度文楽で見たか分からへんほど、見ました。 「此の世の名残り 夜も名残り 死に行く身を 譬ふれば あだしが原の 道の霜・・・」 玉男さんと、蓑助さんの黄金コンビの曽根崎の凄かったこと。蓑助さんの…
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クロックワークスリー マコーリー公園と三つの宝物 マシュー・カービー 石崎洋司訳 講談社

煌びやかな都会と深い闇の大きな森がある19世紀末のアメリカ東部の町を舞台にした、3人の少年と少女が繰り広げる冒険活劇です。自動人形、オペラ、タロット、降霊会、孤児院、大道芸人・・・もう、ありとあらゆるものを詰め込んで息つく間もなく物語が展開していくのが楽しくて仕方がない。主人公たちと一緒に町を走り回っているうちに時間が経つのを忘れてしま…
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神様 2011 川上弘美 講談社

この本は、川上さんが1993年に書かれたデビュー作を、「2011」という形で書き換えたもの。元の短編と、書き換えた「2011」が並べてあります。わざわざ「2011」とタイトルを付けた意味は、今年あった、私たちの意識や価値観を、生活を、大きく揺るがした出来ごと、震災です。 元の短編は、近所に引っ越してきたくまと近所の川にピクニックに…
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帰命寺横町の夏 柏葉幸子 講談社

死んだ人が生き返る。そんなことは、絶対に無いのだけれど。もし、自分の周りに、そんな人、いや、亡者がいたら・・・。この物語は、思いがけず、そんな出来ごとに遭遇してしまった男の子のお話です。こう書くと、一瞬ゾンビ系のホラーと思われてしまいそうが、決してそうではなく。「生きる」ということの切なさ、かけがえのなさが、胸いっぱいに満ちるような柏葉…
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ふくろう女の美容室 テス・ギャラガー 橋本博美訳 新潮社クレストブックス

昨日書いた『あの日、ブルー・ムーンと。』は、YA世代にぴったりの物語でしたが、この『ふくろう女の美容室』は、もうがっつり大人の小説です。私たちくらいの、人生のあれこれにいい加減疲れてんねん、という気持ちに、じっくりしみ込んでくる感じ。短編が10篇と、エッセイが2篇収録されていますが、一つ一つが深くてぎゅっと濃いので、いっぺんには読めませ…
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台所のマリアさま ルーマー・ゴッデン 猪熊葉子訳 評論社

こないだ読んだ『バレエ・ダンサー』から、すっかりゴッデンづいてしまったので(笑)以前に赤木かん子さんの本で紹介されていたのを読んで、これも一度読んでみたいと思っていた作品。やはり読みだしたら止まらずで、ゴッデンという人の魅力を改めて感じさせてもらった一冊でした。気難し屋で、「すっかり自分の世界にこもって」いて、誰ひとり自分の部屋に立ち入…
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バレエダンサー 木曜日の子どもたち ルーマー・ゴッデン 渡辺南都子訳 偕成社

読みたい、読みたいと思っていたゴッデンの『バレエダンサー』を一気読み。上下巻、長い物語ですが、もう読みだしたら止まらない面白さでした。副題の「木曜日の子どもたち」は、マザー・グースからきています。「木曜日の子どもの道は遠く・・」という歌詞だそう。バレエという表現芸術に全てを捧げて、はるかな遠い道をゆく子どもたち・・という意味がこめられて…
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おかしな本棚 クラフト・エヴィング商會 朝日新聞出版

これはもう、本好きにはこたえられない。特に、作家さんなど本に関係するお仕事をされる方の本棚に、興味しんしんの、私のような輩にとっては、猫にかつぶし状態で何度も何度もこの中におさめられている本棚の写真を眺めてうっとりした。クラフト・エヴィング商會というのは、吉田浩美さん、吉田篤弘さん、という多才な御夫婦のユニットです。それだけに、本たちに…
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闇のダイヤモンド キャロライン・B・クーニー 武富博子訳 評論社ミステリーBOX

物凄く古い話なんですが。昔、「花々と星々と」という犬養道子さんの連載を、母が買っていたミセスという雑誌で読んで、アメリカという国へのあこがれを募らせていた時期がありました。そこには、弱いものに手を差し伸べ、自主独立の気概を持ち、常に正義を意識する良きアメリカが描かれていたんですよね。犬養道子さんと言えば筋金入りの上流階級。今にして思えば…
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深海魚チルドレン 川合二湖 講談社

もう一度行ってみたい、と思う喫茶店があります。金沢大学の近くだったと思うんですが、まるで穴ぐらのように薄暗い店内に、木を使った渋い内装。長年続いてきた風格を漂わせて、とても居心地が良かった。今はやりのカフェではなく、純然たる喫茶店です。ジャズがかかっていて、その音量もちょうどいい。薄暗いけれど、本を読むには十分なスポットが席にあたってい…
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オン・ザ・ライン 朽木祥 小学館

何故かわからないけれど、それまでの人生が、一瞬で砕けることがある。ほんとにそれは全くの偶然の積み重ねだったり、それこそ天災だったりするのだけれど、そのことが起こる前と起こってしまった後では、まったく違ってしまう何か。そんなものに襲われたことのない人生なら、どんなにか嬉しかろうと思うけれど、人間そんなわけにはいかない。そこから、どうまた歩…
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彼女のためにぼくができること クリス・クラッチャー 西田登訳 あかね書房 YA Step!

原題は[Staying Fat Sarah Byrnez]。つまり、[サラ・バーンズのためにデブのままでいる]という意味。どうして主人公はデブのままでいるのか?それは、親友のサラ・バーンズが、世にも醜い顔をしているから。幼いころに大火傷を負った彼女は、残酷な父親に形成外科の治療も受けさせてもらえなかった。そのサラと親友のエリックは、白鯨…
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雛の顔 朽木祥 (鬼ヶ島通信 2011年夏号)

「広島」の物語です。あの、暑い暑い夏の日、原爆が落とされた朝の。今、これを書いている今もとても暑くて陽射しがまぶしくて、私は一人、あの日のことを想う。あの日はいつかの遠い昔のことではなく、確実に今に繋がる、そして未来に繋がっていく「あの日」なのだ。 物語の始まりは、8月6日の朝です。出征している夫の陰膳が落ちたから、勤労奉仕にはい…
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ラストラン 角野栄子 角川書店銀のさじシリーズ

『魔女の宅急便』のシリーズで有名な角野栄子さんの自伝的小説です。角川もとても気合が入っていて、サイトにも角野さんのインタビューが動画で貼ってありました。角野さん、初めて拝見しましたが、とても上品な素敵な方です。ああ・・イメージ通り、と嬉しく拝見しました。バックのピンクの本棚がオシャレでこれまた素敵。ご自宅でしょうか。その本棚に何が入って…
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ナマズの幸運。(東京日記3) 川上弘美 平凡社

川上さんは、やっぱりちょっとヘンな人だ。このエッセイを読みながらツッコミどころがあまりに満載で、はじめはいちいち付箋を付けていたんですが、しまいにやめてしまいました。だって、ぜーんぶツッコミたくなるんですもん(笑) 「大阪はきっと有名人がたくさん歩いているだろうから、ぜひ駆け寄ってサイン帳を差し出そうと思っていたのだ」って、川上さ…
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小泉惇作展(大阪高島屋)&開高健展(なんばパークス)

今日はえらい雪・・。湿った重い雪が積もっています。大阪では珍しい。日ごろ降らない所で雪が積もるとトラブルの元。阪神高速は、多分日本で一番雪に弱い高速道路だと想う(笑)明日の出勤は気を付けなくちゃ。 展覧会に行ったのは昨日です。見たい展示が二つもあったので、久々にミナミへ。高島屋がすっかりリニューアルしてた!あの、地下鉄から入るとこ…
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クリスマス人形のねがい ルーマー・ゴッデン バーバラ・クーニー絵 掛川恭子訳 岩波書店

クリスマスが近いですね。という事で、クリスマスにちなんだ絵本を。 この本は『人形の家』などで有名な、ゴッデンの作品。挿絵は、 バーバラ・クーニー。クーニーは、クリスマスの絵本をたくさん書いていて、 私は「ちいさなもみのき」が大好きですが、この絵本もとてもいい。 これは、小さな奇跡の物語です。 三つの寂しい魂が、クリスマスに…
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ふゆねこ かんのゆうこ(文)こみねゆら(絵) 講談社

今日、図書館で新しい絵本をチェックしていて、見つけました。 ひゃあ、可愛い・・と思ったら、こみねゆらさんの絵。 ピンクのマフラーをした、白い猫。これは、たまらん・・と、 連れて帰ってきてしまいました。 ちょっと切ない絵本です。 お母さんを亡くして泣いている、ちさとちゃんのところに、 ある日、まっしろな猫が訪ねてきます。 …
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フォスターさんの郵便配達 エリアセル・カンシーノ 宇野和美訳 偕成社

味のある、「人生」を感じさせる大人が出てくると、 児童書にはとても深みが出る。 最近の日本の児童文学やYAには、そういう作品が 少ないなあと思うんですが。 この作品は、1960年代のスペインを舞台にしたもの。 社会的な背景の中で、様々な過去を持つ大人との 関わりの中で、一人の少年の心が成長する瞬間を 詩情豊かに書きあげてあ…
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この世のおわり ラウラ・ガジェゴ・ガルシア 松下直弘訳 偕成社

この方の本を読むのは2冊目です。 前作の「漂泊の王の伝説」がとても良かったので、 期待しながら本の扉を開きました。 読み始めたら、やはり止まらず(笑) この本が、20歳でのデビュー作だったらしいのだけれど、 そう想わせないほど、力強い作品になっています。 紀元997年、フランス。 襲撃された修道院から、貴重な写本を持っ…
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ファンム・アレース 4 香月日輪 講談社YA!ENTERTEINMENT

いつの間にか、この物語も4巻。 青い瞳の王女・ララと、元賞金稼ぎの、用心棒・バビロンの 冒険も、そろそろ佳境に入ってきた感じです。 こういう、仲間とお宝アイテムを見つけて、経験値を増やして いく旅は、RPGタイプのファンタジーの王道ですね。 香月さんは、生き生きとした人物を描くことがとてもお上手なので 登場人物が魅力的です。…
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なくしたものたちの国 角田光代 松尾たいこ 集英社

角田さんと、松尾さんのコラボによる、5つの物語。 後書きを読むと、まず松尾さんの絵があって、それに 角田さんが物語をつける形だったようだ。 この二人の描く世界が、何やら私のツボに非常にハマって しまった。・・心の芯、みたいな所にズシンとこたえて、 後書きで松尾さんもおっしゃっているのだが、まるで5つの 短編が自分の物語のよう…
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