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zoom RSS いつかパラソルの下で 森絵都 角川書店

<<   作成日時 : 2005/06/05 22:37   >>

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森絵都さんの初めての大人向けの小説。内容もなかなか大人で、「おいしい本箱」に登録するにはちょっと刺激的なシーンが・・。

厳格な、いまどき本当にこんな父親がいるのかというほど潔癖で厳しい父親が急に死んでしまったところから話は始まります。その父親から逃げ出して、許されなかった青春の楽しみにふける長男と長女、父親の教え通りに堅く育った次女。その三人の前に、次々と明らかになる父親の別の顔。
反発するにしろ従順であるにしろ、その父親の影響を色濃く引きずる三人は、その「男」としての父親の姿に戸惑い、彼の言う「暗い血」がなんなのかを探しに、父の故郷まで旅をするのです。
そこで聞く父の姿とは・・。

と、こう書くとなんだかどろどろした雰囲気になってしまうのですが、森絵都さん独特のユーモア感覚にあふれた兄弟の会話や、主人公である長女ののんびりさで、からっとした雰囲気に仕上がっています。この木綿の服のような肌触りが、この人の魅力だなあと思います。さらさらした風に吹かれているような感じなんですよね。だから心を乱されても、気持ちいい。

親子や家族って、お互いわかっているようでそうではないんですよね。それはそれでよい、とも思うけれども。何から何までさらけだす家族、なんてちょっと気持ち悪い。家族だからこそ見せなくても安心していられる、っていう部分もあると思うし。特に父親って、子どもから見るととらえにくい存在なのかも。だから生きているときは、なんだかしみじみ話すこともあまりなかったりするんですね。

私も数年前に父を亡くしましたが、やはり亡くなってから「もっと若い頃のこととか、いろいろ聞いておけばよかったなあ。」と思いました。やはりこのお父さんと同じく若くして故郷を一人で離れ、いろいろな職業を転々とした人生だったんです。自分と妙に感じ方の似ていた人なだけに、どんな青春を送ったのか、家庭を持つまでにどんな思いで一人で生きていたのか、若いときの写真を見ながら、いろいろと考えてしまった経験があります。それは理屈ではなくて、この自分がここに生きている不思議さとからみあう気持ちなんでしょう。この兄弟が知ったお父さんの人生も、やはり彼の一面でしかないのでしょうが、「父親」ではない「人間」としての一面に出会うことで、それぞれ新しい人生に踏み出していける強さを手にします。やはりそれはお父さんからの贈り物なんですね。「家族」は永遠のミステリーなのかもしれません。

森絵都さんの本 → http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=000207
              http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=000216

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは〜。
またまたTBできないようなので(泣)、せめてURLだけでも書かせて下さいね。
http://blog.goo.ne.jp/oj0216nm/e/155409b95ac8c9f61f2e186cbf643279

森絵都さんの本は初めて読みました。
児童文学を書かれているんですってね?
前半を読んでいる時、「この本は私が読むには若い人向けすぎてちょっとついて行けないかも」なんて思ったのですが、佐渡へ渡った頃からぐいぐいと面白くなってきて、兄弟それぞれが今までの自分と向き合うことを始めた当たりからとても良くなってきました!
どんな本を書いてきた方なのか興味があります。
ミチ
2005/09/02 22:25
すのさん、TBありがとうございます。私もコメントとTBしようと
思ったのですが、何回やってもうまくいきません。
しばらくしてからもう一度挑戦しますね。
ERI
2005/09/03 21:57

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