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zoom RSS Presents 角田光代 絵 松尾たいこ 双葉社

<<   作成日時 : 2006/01/11 21:52   >>

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画像松尾たいこさんの装丁と挿し絵が非常に美しい、「Presents」
と呼ぶにふさわしい造りになっている本。発行時期から思うと
クリスマスを意識して作られているようですが、普段のちょっとした
贈り物にもいいんじゃないでしょうか。

中に収められた角田さんからのプレゼントは、12の短編。
人が一生のうちに貰う、有形無形の贈り物が印象的にかかれた
物語。初めての子供に贈る名前。おばあちゃんから貰ったランドセル。
ファーストキス。独り立ちするときに母親からもらったお鍋。
ちょっとくたびれた関係の恋人からもらったお菓子。結婚する日に
友人達から贈られたヴェール・・。ありふれていて、誰もが
記憶にありそうなものや思い出が、角田さんの手でやさしく料理
されて並べられている。こんなことを言うのはおこがましいですが、
最近読むたびに上手になりますねえ、角田さんは・・。
こうやって誰しもが持っていそうな記憶をすくいあげることって、
簡単そうでなかなか難しいことだと思うんですよ。
わかりやすいキーワードであればあるほど、難しい。
ありがちな話にならず、しかも共感を誘うものでなくては
ならないだろうし。そのへんの難しさを埋めているのは、角田さん
ならではの生活感に密着したデティールと小物達かもしれない。
「うに煎餅」はその中でも面白かったなあ・・。せっかくかっこいい
ボーイフレンドができたのに、やっぱり何となく情けない、ときめかない
男が気になってしまう。その男がおいていったのが、うに煎餅・・。
この「うに」がポイントですね。ちょっと高級感漂う「うに」が、乙女心に
食い込むわけです。そのへんのおかしさが笑えて、ほろっとさせるんやわ。

一番私の記憶に食い込んだのは「ランドセル」。
ほかの子にできることが、なぜか自分にはできない・・。
この幼少期の重っくるしい感じは私も記憶にあって、
「そうやった・・」という感慨にふけってしまった。
私もおもらしっ子やったしなあ・・。あれは子ども心にも情けないもんですよ。
なんかうまくいかへん、といっつも思ってたようなところがあった。
ただ字だけは早くに読めたんで、人付き合いしないでひたすら
本棚の前にいましたよ(笑)大人になって、息子が幼稚園のときに参観にいったところ、
やはり自由時間にひたすら本棚の前に座り続けるその姿に、デジャヴを
感じて「蛙の子は蛙・・」とつぶやいた記憶が。
こんなことを久々に思い出した。
こうやって記憶を呼び覚ましてくれるのも、物語の力かも・・・。
物語に呼び覚まされた記憶は、いっつもちょっと切ないな。

次作は久々にちょっと角田さんらしい毒気のきいた物語も読みたい
ものです。

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