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help リーダーに追加 RSS 金春屋ゴメス 西條奈加 新潮社

<<   作成日時 : 2006/01/20 15:55   >>

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画像第17回日本ファンタジーノベル大賞・大賞受賞作。
設定が面白い。

もうちょい未来の日本に、「江戸」という完全鎖国・自給自足・
電気・ガス・電化製品、一切持ち込み禁止という国が存在する
というお話。そこには外から入るのも許可制で、人気があるので
非常に高い倍率の抽選制なのである。きっちり江戸時代そのまんま
のその国に、大学生の辰次郎がなぜか一発許可でいけることに。
辰次郎の請け人は、金春屋という、奉行所の出張所。
そこには、江戸の人々に「金春屋ゴメス」と呼ばれる、女偉丈夫がいた。
ゴメスは江戸に出現しかけている恐ろしい伝染病・鬼赤痢を調査している。
幼い頃に江戸にいた辰次郎は、どうやらその鍵をにぎっているらしい。
ゴメスの指図で、金春屋の仲間達と辰次郎との探索が始まる・・。

こんなところがあったら、時代小説大好きの私は行ってみたくなること
必至。旅行先にあるそれらしきところは、必ず入ってみるんですが、
大体しょぼい。薄っぺらいんだなあ。本当に町として人々が暮らして
いるのでなければ、やはりそうなるのは仕方ないんですが。
そういう点では「江戸らしさ」はなかなか良く書かれていて、
感心しました。すべてを自分の身体を使って作り出していく、
ということが人として生きることの根源的な喜びに繋がっていく
のではないか、というメッセージも納得できるものであるし。
物語の芯になる鬼赤痢の謎もきちんと書かれている。
あとは、登場人物一人ひとりをもっと個性強く際立たせること
ができたら、もっと面白くなったと思われます。
特に主人公の辰次郎くん。最後まで彼の顔をはっきり
思い浮かべることができなかった。なぜ渋々来たはずの
お江戸にすっとなじむことができたのか、彼だけの理由が
ほしい。幼い頃暮らしていた、という記憶だけではなく、もっと
はっきりした性格の裏づけがあれば、この江戸の魅力はもっと
強く描かれたのではないか、と少し残念。

同じことは「ゴメス」についても言えて、偉丈夫で女性で
大喰らいの力持ち、短気なゴメスが一方非常に理知的
である、というその落差は面白い。知りたい、と思ったのは、
なぜゴメスはコゴメスになったのか、というところ。
時代小説の人物の奥行きというのを描写だけで表現するのは
難しい。もちろん、それをさらっとおやりになるツワモノはおられますが、
やはりここはそういう過去にちょっと触れたほうが感情移入できる
ように思います。それから、せっかくのこれだけ強いキャラなのだから、
もっと活躍させても良かったかも。あとの子分達のキャラが弱い
だけに、この姉さんにはもっとばんばん超人的なところを
見せてほしかった。やっぱりファンタジーですから。
もっと思い切ってやってみた方が面白いと思いますわ。

しかしファンタジーのあり方としてはなかなかユニーク
なので、次にどのような作品を書かれるのか、楽しみ。
シリーズにしていくのも面白いかも・・・。
捕物帳はシリーズがお決まり、ですもんね。

これは独り言ですが、ほんと、たかがホリエモンごときで株価が暴落するような
しょぼい国からは、独立してみてもいいんと違うか、とも
思うなあ。大阪独立、なんてどうでしょうかね。
なかなか濃い、面白い国になりそうな気がするんですが・・。



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金春屋ゴメス*西條奈加
☆☆☆☆・ ...続きを見る
+++ こんな一冊 +++
2006/01/20 17:25
「金春屋ゴメス」西條奈加
「金春屋ゴメス」西條奈加(2005)☆☆☆★★ ※[913]、国内、近未来、小説、ファンタジー、江戸、疫病、第十七回日本ファンタジーノベル大賞 ...続きを見る
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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
まったくよくこんな不思議な設定を思いつくものだと
まずそこから感心してしまいます。
現実にはとても上手くやっていけるとは思えないですけれどね。
日本の中にあるのに、江戸国の空は汚染されていなくて青く澄んでいるのが
「あり得ない!」とも思ったけれどちょっと羨ましかったです。
ふらっと
2006/01/20 17:29
はじめまして、リツキと申します。「金春屋ゴメス」で検索していて、こちらに辿り着きました。
ファンタジーとしては、珍しい雰囲気ですがとても良かったです。
仰る通り、もう少しゴメスの活躍が見たかったかも。ゴメスを掘り下げてなかったのは、もしやシリーズ化の可能性も?とも思わなくはないですが。

ところでこちらの記事をリンクさせていただきました。とはいいましても、当方ブログではありませんのでリンクに問題がありましたら、お申し出くださいませ。
それでは失礼いたします。
リツキ
URL
2006/04/15 15:58
リツキさん、はじめまして。
この物語はシリーズにすると、もっと面白くなりますよね。
設定がいいから、どんどん書くことがでてきそうな気がします。

ブログではない、ということなので本文のほうにリンクを貼らせていただきました。これからもよろしく!です。
ERI
2006/04/15 20:56
リンクありがとうございます!
他の記事も少しずつ拝見しております。
恩田陸の『ネクロポリス』や『エンドゲーム』にも、今度リンクを貼らせていただきますね。
それでは失礼いたします。
リツキ
URL
2006/04/17 01:05
同感ですね。ゴメス、それに主人公のキャラの立ち方は弱いですね。おもしろいんだけど、”大賞”としては、あともうひとつ。そんな印象です。でも、続篇は期待しちゃうかも、です。
すの
URL
2006/06/17 11:59

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