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zoom RSS 魔女の宅急便 その5 魔法のとまり木 角野栄子 福音館書店

<<   作成日時 : 2007/07/25 01:34   >>

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画像キキがね、19歳になったんですよ。
相変わらず元気で、いろんな場所に飛んでいくキキですが、
少女から、大人へ心が揺れ動きます。そんな一瞬のあわいを
優しい筆致で描いて、やはり大好きなシリーズ。

恋する乙女のキキが、可愛いくて可愛いくて・・。
恋・・に不器用な、トンボさんの、まるで昆虫観察日記みたいな手紙に
いつもキキはちょっともどかしい。大好きな人だから、自分の大切な想いを
語りかけてしまうトンボさん。その最後に、たった一言「好きだよ」とか
「愛してる」って書けば、キキはとっても満足なのに(笑)
でも、そういうキキだって、トンボさんに思い切ったことは書けなかったりして。
だって、「わたしばっかりが夢中になってるみたいじゃないの」なんてね。
ちらちら燃える恋の火を、自分でどうしていいのかわからなくて、
くるくる変わるお天気のように晴れたり曇ったり、涙雨が降ったり。
その気持ちを映すように、ジジにも恋人ができて、キキだけのジジでは
なくなっていく・・。恋はすべての始まり。
まったく新しい自分に出会うことだから・・いつもより我儘で、抑えのきかない
自分に振り回されながら、それでも真っ直ぐトンボさんが好きなキキがとても
可憐で、その悩みの一つ一つも抱きしめたい感じです。

コリコの街にもすっかり馴染んで、魔女として人に受け入れられるようになった
キキ。でも、そうなると今度はちょっとそれだけでは物足りなくなってしまう。
「飛べる」ということ・・ちょっと人と違うことを、誰かに見せたい、気持ち。
これは、若者らしい、気持ちだと私は思うけれど、ほうきは・・魔法は
それを許さないらしい。人間として当たり前に沸いてくる、いろんな感情と
また違うところに厳然たる理がある・・それに私たちはいつも悩まされてしまうけれど、
それが「生きている」ということだから。「恋」というものは、もしかしたら「命」を繋ぎ
種を保存させるための、大きな仕掛け・・理かもしれないけれど、その恋が
それぞれに全く新しいように。毎日上る月は、宇宙の法則に支配されているけれども
それを見て何かを感じる心は、いつも鮮やかにその光に彩られる・・。
二十歳になった朝に、空たかく上ってキキが見る景色の素晴らしいこと。
夜と朝の境目から上る朝陽。

「光と闇、天と地、天と海の間、このように見えるところと、見えないところの境目から
不思議な力は生まれてくるといわれていたからです」

祈りも願いも、恋も、眼には見えない。
どれも、ここにあります、という手に触れるものじゃない。
トンボさんの手紙のように、何かに想いを託して、やっと語られる心たち・・。
その不器用さと、恋を通じて触る世界の瑞々しさには、やはり生きる喜びが息づいてる。
魔法という不思議を体に潜ませながら、もう一つの、人として当たり前の恋という魔法に
かかったキキ。喜びばかりじゃないその魔法は、また新しい命に繋がる魔法。
そう、恋って、この世で一番不思議な、眼に見えない魔法かもしれない。
トンボさんが言うように、生きる喜びには、必ず悲しみがつきまとう。
私たちはそれを知っているから、誰かと心を繋ごうとする・・・。
キキの頬がピンク色に染まる、その命の喜びを眺めるような作品でした。
角野さんは、素敵だなあ・・。
幸せをこんな風に瑞々しく描きだすことは、本当に難しいと思う。
心が乾いたら、この本読んで、水分補給して桜色になろうと思います・・。



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「魔女の宅急便」角野 栄子
あの「魔女の宅急便」のキキがなんと二十歳になります。 パン屋さんのオソノさんには子供が二人。ノノちゃんとオレくん。 トンボさんは遠くの学校に行っていて、キキとは遠距離恋愛中。 ...続きを見る
デリシャスな本棚
2007/09/08 18:55

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