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zoom RSS 読む人間  読書講義 大江健三郎 集英社

<<   作成日時 : 2007/08/15 01:36   >>

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画像「読む」ことによって人生を過ごし、「読む」ことに触発されて小説を
書き、一生をすごしている人の、自らの読書の記録。

大江さんの小説は、大概読んでるんですが。
え〜、誤解をおそれずに書きますが、彼の文章を、とても上手いと思った
ことは、ありません。生理的に快感を生むような文章ではない。
その文章に身をゆだねて、感じる小説では、ない。読みながら、様々に考える
ことが要求される文章です。そして、教養が絶対的に足りない私は、彼の
小説をしっかり理解することは、できない。
この読書講義を読んでもわかるように、大江さんは、ブレイク、イェイツ、ダンテ、などを
テキストとし徹底的に読み込んで、そこをスタートとして小説を書くことを自分のスタイルと
している人。そこが徹底的に弱い私が、彼の小説の芯に、はじき返されるのは
必然なんだわなあ(笑)でも、それでも新刊が出ると、妙に気になって読んでしまう
不思議な存在です。何でかな〜、とこの本を読みながら考えていたのですが。
う〜ん。これもまた、誤解を恐れずに言うと、絶対的な量と質は違えども、
本を読むことで、自分と人生の、または自分と自分を取り巻く世界の距離を確認し
遠く遥かな目に見えない世界を胸に描いてきた人間として、なにやら共感する匂いが
あるような気がする(恐る恐る・爆)
本と出会うことが、大江さんにとっては、生涯の友に逢うことと繋がる、深く自分の
存在と結びついているものなんですよね。
私も、やはりそういうところが、ある。
「本を読む」ことは、ただ情報を得ることとは、全く違う営み。

本を読むということは、情報・・(中略)・・が与えられるというレヴェルのものじゃない。
本を読むことを通じて、その本を書いている人の精神が、どのように動いているのか、
一人の人が考えるということが、その精神がどのように動くものなのか、それを
知ることであり、それを介して人は発見する。いま自分がどんなに重要な問題に
出会っているかを感じ取り、つまりが本当の自分に出会うようにもできるようになる・・


本を読む、それを深く自分のものとする、深く自分の中にその根を張りめぐらせて
また新しい枝葉を咲かせる・・非常に緻密な、何年もにわたる、その生成作業や樹液の
めぐり方に、どうもわからないままに、私は惹かれているらしい。
そして、そんなコツコツとした誠実な作業の奥にある、デーモニッシュな「欲」に
軽く抵抗がありながらも、吸い寄せられる部分がある。
それは、非常に貪婪な、この世の知性全てを食い尽くしたいと思う業のようなもの。
そして、その業の傍らに、そんな貪婪さとは対極にある光さんがおられるのも
なにやら私には必然とも思えたりするのである。

あと、面白いと思ったのは、英語、フランス語などの外国文学と、文体の関係。
原書を、それこそ一語一語丁寧に読んでいくこと。
それは、また母国語、つまり日本語を新しく発見していく営みなのだろうと
いうことが、よくわかりました。漱石や鴎外を初めとして、外国語の造詣が深い人の
文章に奥行きが生まれるのは、そういう営みがあるからなんだろうな、と。
そういうところの教養がもっとあれば、小説はもっと面白いのかもしれない。
もったいないことをしましたね〜。・・って、この頭じゃ、もう追いつかないですが・・。

尽きない大江さんの本に対する情熱、それを感じた本でした。
ジュンク堂大阪店に、ちょっと間展開されていた、大江健三郎書店。
あれは、常に展開されていてほしかったなあ。ほんとうに少しだけでしたから。
東京のジュンクに行って、また本のタイトルをメモメモしたいものです。

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