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zoom RSS ぐるぐる猿と歌う鳥 加納朋子 講談社ミステリーランド

<<   作成日時 : 2007/09/05 00:27   >>

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画像加納さんの書く、ミステリーランド。期待していたんですが
これがまた、なかなか面白かった。加納さんらしい・・子どもの頃に
吸っていた空気を、久しぶりに吸い込むような、懐かしい匂いのする物語でした。

後書きによると、加納さんは怖いものが多い女の子だったらしい。
わかるなあ〜・・。私もそうだった(ほんまですから)
妙に感じやすい子どもだったので、もう色んなことが怖かった。
小さい頃に怖かったものの一番は、虫関係ですが・・。
それに並ぶくらい怖かったのは、高いところです。
幼稚園くらいのとき、ジャングルジムから落ちて頭を切った友達を見てから
しばらくそこに登れなかったし、近所に住んでいた従姉妹が率いる遊び仲間に
入るために、どうしても物置の屋根から飛び降りる必要があったにも関わらず(笑)
それもできず・・自分のそんな臆病さがいやでいやで、でも世界は怖いものだらけで。
毎日綱渡りのように、細いやっと自分が歩けるところから転がり落ちないように
するのに精いっぱいでしたねえ・・。加納さんも果たしてそうだったんだろうか、と
この物語のシンちゃんが体育館の屋根にするする上るのを読みながら
そう思いましたね。まるで猿のように器用に、自分の世界の一番高いところに
登るシンちゃん。そこからしか見えない、並んだ社宅の屋根にナスカの地上絵の
ように刻まれた「ぐるぐる猿」の模様を見るシンちゃんは、間違いなくカッコイイ。
それは子どもにしか見えない風景。大きくなってしまうと共に、どこかに
置いてきた風景です。これに、加納さんも憧れていたんかなあ。

子どもの頃は、私にとっては夜明けの黎明のような薄闇の世界。
子どもには子どもの世界があって、大人はそこにあまり介入してこなかった。
まあ、ほおっておいても、そこから犯罪に巻き込まれることもあまりなかった
時代でしたから。その世界でもっとも皆で燃えたのが、親に隠れて犬などを
飼うことでした・・。昔は捨て犬、なんてのがざらにいて、よく子犬も捨てられたり
してました。そんな一匹を見つけたりすると友達と、手分けしてボロ布やら
牛乳やら、パンなどを、せっせと隠れ家(なんてのも、あった)に運んで
こっそり犬を飼ったりしたもんでした・・・。その、皆で秘密を共有するドキドキ・・。
この物語の中で、皆が交代で世話してるパックは犬ではないけれども、
彼を中心としてできている関係がしっかりまとまっているのは、そんな
ときめきもあるんでしょうね。そして、学校にも、家庭にも、どこにも
属さないパックがいることが、それぞれの心の大きな支えになっているところが
面白いですね。パックには、いろんなことが話せる。そしてパックは、思っても
みなかった自分の自分の気持ちをちゃんと見せてくれる。
パックの中に見える、人生の真実を写す皆の目が、いい。
人生に光も闇もちゃんとあることを、子どもだって知っている。
パックの自由は孤独と裏返しだけれど、だからこそ心やすまる時がある・・・。
シンちゃんも、ココちゃんも、竹ちゃんも、ギザ十も。
それぞれが、光と闇を抱えて生きている。だからこそ光り輝くものが
あること・・・。光の反射で浮かび上がるぐるぐる猿のように
それぞれが描く人生の絵が、だからこそ夢に満ちていますように、と
願わざるを得ない。

あとね、この中で使われる九州弁、可愛かったですね。
特にあやの使う言葉がとっても可愛くて、読むのが楽しかった。
方言は、いい。
「ほんと、男子って、バカっちゃねえ」いわれたくないですか?んふふ・・。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
ぐるぐる猿と歌う鳥 加納朋子
装画・挿絵は久世早苗。講談社ミステリーランド。 主人公で語り手の高見森(しん)には腕白で乱暴者のレッテルが。五年生進級の春、父親の転勤で東京から北九州市へ。引越し先の社宅の子どもたちとの交友。猿とは?そして鳥とは?& ...続きを見る
粋な提案
2007/09/10 16:39

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
加納さんが描く子どもたち、元気で明るくて魅力的でしたね。
子どもの頃の、薄闇の世界の印象が同じで、ちょっとびっくりしました。
ERIさんは子どもの頃から輝いてるイメージがあったので。

『鴨川ホルモー』にもトラバさせていただきました。お忙しそうなので、こちらからはトラバのみにしちゃいましょうか?。
藍色
2007/09/10 16:39
>藍色さん
輝いてるなんて、畏れ多いことでございます(汗)もうね〜、思い出すのも恥ずかしいどうしようもない引っ込み思案で内気な子でした・・っていうと、友達は「嘘やろ」て言うんですが(笑)藍色さんとは感性が似てるのかな〜。だから、ネットの海で出会うご縁があったんですね(*^ ^)v
ERI
2007/09/12 02:12

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