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zoom RSS 5年3組リョウタ組 石田衣良 角川書店

<<   作成日時 : 2008/03/26 00:52   >>

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画像どうも、最近エロ傾向が強い石田さん。
ちょっと馴染めないことが多いんですが・・。
いや、私、エロいのは嫌いじゃないです。
エロスは、大事だと思ってます。
でもねえ・・石田氏の最近のエロ系は
なんというか、男の人に都合のいいエロス
のような気がして、感覚的に馴染めない。
ということで、ちょっと敬遠してたんですが、これは舞台が
小学校ということで読んでみました。


現代の教育問題を全部投げ込んだ痛快な若い教師の物語が書きたい。
・・・・(中略)・・自分の仕事に誇りを持ちながら、日々悩みつつ教育の
現場に立つ「普通」の教師の目船で書きたい



その言葉の通りに、取り上げている教育問題は、なかなかタイムリーです。
今、子どもたちが抱えているストレス、教育現場が抱えているストレスが
伝わってくる感じ。教育ほど、誰でも議論の俎上に載せられやすいものは
ないんですよね。だって、誰でも学校には通ったことがあるんだから。
為替相場や、株の値動きや、プライムローンのことが
わからなくても、学校と教育のことなら、誰でも何か言える。
毎日どこかのマスコミに取り上げられていると言っても過言ではない。
その中で、常に学校現場は攻撃される立場になる。
そんな現実に対する、長いエールだ、という石田氏の意欲は伝わって
きました。歯切れのいい文章も手伝って読みやすい。
ここは一つしっかり褒めておきたいところなんですが・・。

う〜ん、何だかこれは小説ではなくて、
「教育読み物」という感じです。
主人公の良太も、同じ職場の龍一も。
5年3組の子どもたちも、何だか、与えられた役割を、きっちり果たして
いく、上手な役者さんみたいなんですよね。
そこからはみ出す体温や、匂いを感じない。
テレビの向こう側の世界みたいです。
人物の一人ひとりに、奥行きを感じない。
なぜかしらん・・。それが何故なのかはわからないんですけど
どうしても、このつるん、とした手触りが、私には物足りない。

小説におけるリアリティって、何なのでしょうね。
例えば、先日レビューを書いた高楼さんの「時計坂の家」。
あれはファンタジーで、粗筋自体は、まったくありえない話です。
でも、私にとって、あの物語は、この心に食い込んで離れないような
リアリティに満ち溢れている。そこから沸き起こる感情も、
この脳内で再生される情景も、一つ残らず、私のもの、という
抜き差しならない所有感です。だからこそ、私はフー子と心の旅が
できる。その物語が、私の心の血肉になる感覚があるんです。
でも、この、いろいろと取材し、大きな意気込みでかかれたはずの
物語は、私の心を、痛めない・・。
ただ、通り過ぎていく。それは何故なんだろう、と、かえって考え込んで
しまいました。

これは何となく、なんですが。
石田氏は、この世界の秘密を、一つ手に入れたような確信に基づいてこの
物語を書いておられるんじゃないか、と思ったりします。
高楼さんは、その秘密を、手に入れようと、はるか彼方を見つめて
物語を書いておられるのではないか。
その眼差しの違いなのかな・・・。
売れっ子の石田氏。活躍は素晴らしいんですが、段々作品が
薄っぺらくなるようで、昔のファンとしては、ちょっと悲しい。
私の杞憂に過ぎなければいいんですけど・・。

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