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help リーダーに追加 RSS 新・御宿かわせみ 平岩弓枝 文藝春秋

<<   作成日時 : 2008/03/12 01:22   >>

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画像秘かに、時代小説はずっと大好きです。
高校時代に池波正太郎先生にハマってから
それはたくさんの時代小説を読んできましたが。
やはり、この「御宿かわせみ」は外せないシリーズ
ですよね、時代劇ファンなら。
いつから読み始めたのかも定かではないくらい
このシリーズを読んできました。
はじめは、るいと東吾の恋の行方が、よみたくて。
そして、長らく読むうちに、私の中には、この「かわせみ」の
世界がずっと別世界として存在するようになる・・。
これは、シリーズものの強さです。
この「かわせみ」は、その世界がかっちりと出来上がっていて
安定感が抜群でした。
いつここを訪れても、そこには男前で頼りがいのある東吾と
しっとりと美しいるいがいて、気心が知れた住人がいて・・。
このまま、どこまでも続けられただろう、世界。
それを、一気にリセットしてしまったんですよね、平岩さんは。


しかも、そのリセットの仕方が、凄いんですよね。
なんと、麻生家には強盗が押し入り、宗太郎と花世以外を惨殺。
それを調べていた源三郎も落命。
そして・・なんと、東吾さえもが、軍艦に乗ったまま、行方不明。
時代は、江戸から、明治に・・・。
その人々の激動にもまれる有様を激しく映し出すように、
これまでかわせみを担ってきた人たちが、ばっさりいなくなるという
荒業です。
主人公は、東吾の忘れ形見の麻太朗、千春、そして幼馴染の源太郎へ。
イギリスに留学していた麻太朗が帰国するところから始まる
この物語は、「新」と呼ぶに相応しい瑞々しさに満ちていて
一気に物語に引き込まれます。
正直、その平岩さんの、尽きせぬ創作への意欲と情熱が、ここまでの
ものとは想像しませんでした。
素晴らしいです。
平岩さんの熟練の筆は、江戸から東京になる時の、人々の生活を見事に
織り上げます。暦が新暦になったり、蒸気機関車ができたり、
外国の文化が、一気になだれ込んできる、その気配と、若い主人公たちの
青春が重なって、新しい風が吹き抜ける爽やかさを感じる、そのときめき。
平岩さんは、凄い・・・。

しかし、かわせみのオールドファンとしては、
東吾を変わらず愛している、るいの、凛とした美しさが、読後
いつまでも心に残りました。その後姿があるからこそ、若者たちは
きちんと前を向いて歩いていける。
こうありたいもんですね・・私のような人間には難しいことですが。
「るい」という名前が、漢字で書くと「涙」であることに、今更ながらに
気づいたこのシリーズ。いつまでも、続けていただきたいものです。

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