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zoom RSS 空とセイとぼくと 久保寺健彦 幻冬社

<<   作成日時 : 2009/01/07 01:19   >>

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画像まったく予備知識なしに読んだ物語なんですが
楽しくて一気読み。
主人公が大変な目にあう物語ではあるんですが、
不思議なユートピア感がただよう、爽やかな作品に
仕上がっています。

主人公の零は、その名前の通りに、何も持たずに
一人で大きくなった男の子。いや、正確には一人ではない。
ホームレスの父が亡くなったあと、引き取られた施設も逃げ出して
犬のセイと、一人と一匹であちことでゴミをあさって生きてきたのだ。
そのまま14になった時。零は、友達になったリョウに誘われて
ホストの世界で働き出す。そこで、零は、リカという、女性と出会うのだが
リカは、何か暗い事情を抱えている気配。
ある日、リョウの借金トラブルに巻き込まれた零は、
リカに飼われることになって・・。

ある意味、ホームレス中学生よりも厳しい生活。
普通なら、生きていけなかった暮らしを乗り越えられたのは
犬のセイがいたから。この一人と一匹は、非常に強い絆で
結ばれています。幼い頃に捨てられてしまったセイ。
そして、やはり幼い頃に、ひとりぼっちになってしまった零。
暖めあい、助け合い、ただひたすら寄り添って生きている様子は
涙ぐましいんですが、不思議にあったかいんですよね・・。
このあたり、ほんとに犬と二人だけで
ここまで生きていけるのかどうか、という疑問もありますが
東京といういろんな意味で過剰な街なら、こんなこともあり得るの
かもしれない・・と思わせる妙なリアリティがあります。
ほんとに、こんな一人と一匹がいたら、都市伝説になりそうですが。
犬は、人を裏切らない。心を試そうともしない。
信頼が揺らがない。そのセイの心に守られて、零は非常に
イノセントに育ちます。そのイノセントさが、人間の生臭さと
欲望に疲れ果てたリカの心を、今度は癒していく。
そして、単純な大きな犬のようだった零も、リカの悲しみや複雑な
感情に出会ううちに、「人」の心を知るようになる・・。
その過程が、夜明けの空が段々明るくなるように、からっとした
タッチで描かれているのが素敵でした。

犬といれば、そこが心の楽園になる。
そんな詩を、教えてもらったことがあります。
言葉を持たないからこそ、繋がる心の絆がある。
ダンスを必死で練習する零をやさしく、厳しく見守るセイは
まるで零のお父さんのようで・・。
思わず知らず、その視線が泣けて仕方なかったハートフルな物語でした。
ワンちゃん大好きな人は、ぜひ読んでみてくださいね。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php








空とセイとぼくと
幻冬舎
久保寺 健彦

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
連投させていただきます<(_ _)>(笑)
ふとしたことで手にしたこの本ですが、楽しく読みました。小さな頃から犬とホームレスしながら生きてきた少年・・。人間のジャングルみたいな新宿という街だったら、もしかしたら現実に居るかも?(笑)様々な出逢いによって、ホストになったりダンサーになったり。まさかの展開にドキドキしました。リカとの心の繋がりも、とても自然で、心があたたかくなりました。

『犬といれば、そこが心の楽園になる。』ERIさんの言葉に深く頷きます゚・*:.。.零の成長をずっと見守るセイの目線、姿は、本当に犬好きにはたまらなかったです(^-^)だからこそラストはやっぱり悲しい・・・。でもあのシーンは、この物語にはきっと必要だったのでしょうね・・・。

2010/11/11 10:17
『犬といれば、そこが心の楽園になる』。花ちゃんには、まさにその通り!という実感があるでしょうね。私も、この物語大好きです。「フランダースの犬」に涙して以来、どうもワンちゃんの出てくる物語には弱いです。セイのあったかさを零は一生忘れないで生きていくでしょうね。「まつりちゃん」もそうですが、子どもと動物はとても魂が近いと思う。ワンちゃんと生きていく喜び、そして切なさ。色々感じた物語でした。
ERI
2010/11/11 21:35

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