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zoom RSS MOE3月号 石井桃子特集&『ノンちゃん雲に乗る』

<<   作成日時 : 2009/02/26 02:16   >>

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画像MOEの三月号は、石井桃子さんの特集です。
「子どもの本へのかぎりない愛」というタイトルが
付いていますが、ほんとに、日本に生まれた
子どもたちで、石井さんの本に触れたことがない人は
いないのではないか、と思うほどの大きな存在ですよね。
「石井桃子」という名前は知らなくても、
「クマのプーさん」(A.A.ミルン)や
「ちいさいおうち」(バージニア・リー・バートン)
「こねこのぴっち」(ハンス・フィッシャー)
「おやすみなさいのほん」(マーガレット・ワイズ・ブラウン)
そして、ピーター・ラビットの絵本に、ディック・ブルーナの
うさこちゃんのシリーズ・・と、もうもう、子どもたちが大好きな
本の翻訳・出版をたくさん手がけた方です。
私も、石井さんの本、一冊一冊に思い出があります。
どれだけ、息子達に読んできかせたことか・・・。
彼らは読んできかせた本の全部を、覚えてはいないようですが、
今、息子たちがやたらに本が好きで(笑)本に埋もれて
生きているのは、きっとこういう体験が、根っこにあるせいかも、
と勝手に思っています。

画像


編集者として仕事をしてらっしゃるときに、「クマのプーさん」
の原書に出会い、翻訳・出版したことから、子どもの本の世界に
とびこまれ、たくさんの本を手がけた石井さん。
この特集を読むと、どれだけ子どもの本に心血を注いで
生きてこられたかが伺えて、心が引き締まる想いがします。
子ども相手だからこそ、真剣でなければならない。
自宅の一室を「かつら文庫」として開放された活動は「子どもの図書館」と
いう本になっています。司書をめざす人なら、必読の書。
自分の理想を強く掲げて、妥協せずお仕事された、その姿勢が
素晴らしいです・・。こういう方が手がけた絵本を並べる、図書館も
この矜持の何分の一かでも、持っていたいものです。
子どもは、一番大事にしなければならない、未来からの使者。
でもなあ・・行政が持っている、児童サービスへの理解なんて、
ほんと、「適当に本貸しとったらええんちゃうか」くらいのもんですからね。
この石井さんの本に対する情熱を読みながら、内心忸怩たるものが
ありました。ああ・・愚痴ってしまった(汗)

石井さんの本は、日本語が美しい。
それを、いつも感じます。「アンのゆりかご」で紹介させてもらった、
村岡花子さんも、とても美しい文章を書かれますが、
石井さんにも同じものを感じるんですよね。
感受性の鋭さ、知性、教養・・いろんな要素があると思うんですが、
しっかりした言語教育を受けられて培った、折り目正しい日本語が
なんとも薫り高い。文章の「品」というものは、なかなか身につけることが
難しいと思いますが、いい児童書には、やはり「品」がほしい。
お上品ぶるのではなく、人間が生きていく上で、素敵な言葉、
心に染み入る言葉、美しい言葉を獲得することは、生涯の宝物に
なると思うからです。

なんだか懐かしくなって、石井さんの書かれた有名なファンタジー、
「ノンちゃん雲に乗る」をひっぱり出して読みました。
やっぱり、面白い。普段はいい子のノンちゃんが、お母さんとにいちゃんに
おいてけぼりをくわされて、大泣きしなから、池の木に登る。
枝が折れて、おっこちたノンちゃんは、その瞬間、不思議な雲の上に
乗っています。そこには、不思議なおじいさんがいて、ノンちゃんの
話す、家族のお話を、なんとも楽しそうに聞くのです。
その、ノンちゃんの話す家族のエピソードの、なんとも可笑しく、
微笑ましく、「子ども」の心の隅々に、光をあてる柔らかさに満ちていること。
いたずらっ子で、元気が服を着て飛びまわっているようなノンちゃんの
にいちゃんの姿に、そうあるべき子どもの姿を感じて、なんだか胸が
熱くなります。男の子しか生んでいない私には、ノンちゃんみたいな
可愛くてたよりになる女の子がほしかったものですが、
このにいちゃんの、「人」としての、素直さが、大笑いしながら可愛くて仕方ない(笑)

しかし、この本を名作にしているのは、この物語が、ただ優しくて
暖かいからではないでしょう。おじいさんに、自分のこと、自分の家族を
語っているうちに、段々、自分の中にある、ほんとに大切なことに
理屈ではなく気がついていくノンちゃんの、子どもの心のしなやかさ。
そして、十何年か経って、この日の事を思い返しながら
戦争を経て、現実に立ち向かおうとする、ノンちゃんの若い決意。
過ぎ去る子ども時代に、感じた事が、人生を歩いていく力になる・・。
石井さんが、大切にされていたのは、子どもたちに、大人になっても
忘れない、心の糧を与えることだったのかもしれません。
「本は一生の友だち」。ほんとにそうだと思います。
DVD漬けの子どもが多いと聞きますが・・。そうしてると、楽だけど、
やっぱり、もったいない。いい言葉、美しい感性に触れてほしいなあ・・と
この特集を読んで、しみじみ思ってしまいました。

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php








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タイトル (本文) ブログ名/日時
まずきちんとした大人になること
 今朝起きた時に、足元の雑誌の山の中に、「MOE」の石井桃子さんの特集号(2009.3)があったので、久しぶりに読み返してみた。そうしたら、みつじまちこさんという翻訳家の方が次のように書かれているのを見て励まされた。 ...続きを見る
magnoria
2011/01/01 17:15

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