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zoom RSS ちいさなもみのき マーガレット・ワイズ・ブラウン 福音館書店

<<   作成日時 : 2005/12/03 21:27   >>

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画像12月はやはりクリスマス!
ということでクリスマスの本ですね、やっぱり。
クリスマスにはやはり絵本が読みたくなります。
緑と赤というクリスマスカラーの視覚的な美しさがね、やはりいい。
このブラウンの「ちいさなもみのき」は地味な装丁ですが、絵と文章が
ぴったりマッチした、とても素敵な本。クリスマス、という特別な夜に
読みたい一冊です。

この絵本の主人公は、ちいさなもみのきです。
ひとつぶのタネが地面に落ちてまだ7年めの、ちいさなもみのき。
かれは、自分が森からすこし離れてひとりぼっちでいることを
さびしく思っていました。ある日、ひとりの男の人がもみのきを
掘り出して、自分の息子のところに連れてかえります。
自分の病弱な息子と一緒に大きくなっておくれ、という言葉とともに。
一度もベッドから出たことがない男の子ともみのきは、一緒にクリスマス
をすごします。子どもたちの歌うクリスマスの歌とともに。
また森に帰ったもみのきはそこで一年をすごします。
そして次のクリスマスも、男の子のもとへ・・。
しかし、次のクリスマス、お父さんは現れません。
もみのきはそれがとても淋しく、たったひとりのクリスマスに
悲しい思い。ところがそこに子どもたちの歌声が遠くから
響いてきます。
その先頭には・・。あの男の子がいるではありませんか。
自分で歩いてもみのきのところにやってきたのです。
そこでやはりみんなはクリスマスの歌を歌います。
そしてもみのきを美しく飾ります。
またクリスマスを迎えた喜びとともに。

この絵本に流れているのは、とても静かな時間。
ゆっくり大きくなっていくもみのきと、それを見つめる男の子
のまなざしが、生きるという永遠の願いに重なります。
言葉をかわさなくても通じる思い。
お父さんのわが子を愛する気持ち。
そんなものが静かに胸に満ち溢れるような、やさしいひと時を
感じることができる、いい絵本。
クリスマスの歌が三つ入っていて、楽譜もついています。
以前図書館で読み聞かせをした時、頑張ってこれも歌いました。
内心笑われちゃったらどうしようかな、なんて思ってたのですが、
不思議にみんなしーんとした顔で聞いていたのが、印象的だったなあ。
子どもって、ちゃんとわかるんですよね。
ぜひサンタさんを迎える夜に読んであげてほしい絵本です。

おいしい本箱 →  http://www.oishiihonbako.jp/detail.php?book_no=000673

追記:昨日この絵本の記事を書いているときに、また小学生の女の子が殺されて
    しまった事件が報道された。もうすぐクリスマスで、どんなにそれを楽しみに
    していただろう、と思ったらもう泣けてしかたがなかった。
    健やかに成長してほしいという親の願い、そしていろんな夢や希望を
    持っていきていくはずの子どもの思い、それを汚い手でふみにじる
    という残酷さが許せない・・。

    「おークリスマスツリー おークリスマスツリー みどりのきよ とわに
     よろこびのよるに ほしひとつひかり みどりごうまれん 
     おークリスマスツリー おー クリスマスツリー」

    どうかこの歌が天国の友希さんとあいりさんに届きますように。
    この歌のみどりごはキリストのことなんだけれども、
    私はキリスト教徒でなないので、この歌がすべての子どもたち
    にたいする祝福だと勝手に思っています。
    きれいなままで亡くなってしまったあなたが、また美しいみどりご
    として生まれてくることを信じて。

 
     

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
追記を読ませていただいて・・・・・
テレビをつけると、聞きたくもない事件が聞こえてきて、見たくもない場面が目に飛び込んできます。一つでも多くの命を救おうと奔走する人もいれば、いとも簡単に他人の命を奪う人間もいる。特に幼い子の事件は、胸の奥に痛みを感じてしまうくらい悲しい。自分にも子供がいます。もし自分の子だったらと思うと、愛しい子を亡くされた親御さんの気持ちはいかほどのものかと思います。同じニュースを見て、犯人に怒りを覚えるだけの自分にたいして、あなたは亡くなった子供のことまで・・・・
その暖かさと優しさに尊敬の念を感じます。
dieqoo
2005/12/04 06:08
>dieqooさんコメントどうもありがとう。同じく子どもを持つ親として、本当にこんな事件は起こってほしくない。もううちの子はでかくなってしまったけれどもやはり何かと心配なのに、今に時代幼い娘さんをお持ちの親御さんたちはどんなに不安だろう、と・・・。
幼い頃にこんな絵本を一緒に読んだ思い出があれば、人はもっとやさしく生きられるんじゃないか、と思ったりするんですが・・。

>その暖かさと優しさに尊敬の念を感じます。

ありがとう。昨日仕事場でたくさんの子ども達にあいました。
お父さんやお母さんに連れられて絵本を選んでいる彼らを見ていて、
無残に殺されてしまった女の子が本当に悲しくてね。
自分の欲望しか考えない人間の恐ろしさに身震いする思いです。
ERI
2005/12/04 09:33
マーガレット・ワイズ・ブラウンの作品に共通して流れているのは、ゆるぎない安心感ではないかと思う。
小さなものたちが何をしても、どんなに困ったことが起きても、それらを大きく包んでいる存在があること。自分は常に誰かに見守られてここに在るのだということ。
別に「神様」なんて名前をつけなくてもいい。
その絶対的安心感があって初めて、それを足がかりとして、小さなものは大きな世界に向かっていくことができるのではないか。

今この日本で子育てをする身として、何が哀しいといって、親の力だけではこのゆるぎない安心感を子供たちに与えてやれないのが哀しい。
マーガレット・ワイズ・ブラウンの本の世界と、ERIさんの追記の現実との間に横たわる亀裂の大きさに暗澹たる気持ちになりつつ、いや、でもこんな世の中だからこそ、もっと違う世界があることを信じなければならないのだ、と。

あ、ごあいさつが遅れましたが、初書き込みのknobです。
以後、よろしく♪








knob
2005/12/05 16:17
knobさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
おっしゃられること、よくわかります。まず人を疑ってかかれ、と子どもに教えなきゃならない、なんて何ていやな世の中なんだろう。

>でもこんな世の中だからこそ、もっと違う世界があることを信じなければならないのだ、と。

そうですね。ブラウンの世界の持つ広がりと安心を子どもたちに伝えられたら。そして、その願いが少しずつでも広がっていけば。そう心から思わずにはいられません。人はどこまでも醜くなれる。その現実は痛いほどわかっている。でも、やはり美しいものを信じる気持ちは忘れたくないですね。

これからもよろしくお願いします。

ERI
2005/12/05 20:53

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