ダイイング・アイ 東野圭吾 光文社

画像東野圭吾さんです。新刊です。
ここのところ、続けて、ん?な作品が続いているので、今回は
東野さんだ、ということを忘れて読みました(笑)
で・・結果は・・やっぱり、う~ん・・。あんまり好きじゃないですねえ。
ただこれ、1998年から、99年に、雑誌に連載されていたもの
らしいので、今とは交通事故の量刑も違っているし、東野さん自身
変わっておられるでしょうから、今これを評価する、というのも少し
間抜けであるのですが。

この物語に出てくる、誰にも共感できない。
主人公の慎介も、お金だけで動くいやな男だし。
そのほかの登場人物たちは、それぞれ物語の粗筋の中で
動く駒なので、性格的な肉付けもたいしてない。
強いて言うなら、理不尽な交通事故で殺されてしまった被害者である
美菜絵・・彼女の魂が乗り移った謎の女・瑠璃子ということに
なるんでしょうが・・。彼女が一体何がしたかったのかが、最後まで
よくわからなかったんですよねえ・・。
自分を殺した人間達に復讐したい、というなら、それはそれで
理解できるんですが。なぜ、慎介を誘惑して、抱いてるんだか・・。
美菜絵がのりうつっているのは、自分を殺した女なのだから
その肉体をめちゃめちゃにしてやろう、ということなのかしら。
でも・・たとえその目的でも、憎い男と、情事に及ぶ、っていう
のが、私には理解できないし、気持ち悪い。
しかも、その場面の書き方は、まさに男目線の、たっぷり扇情的な
もので・・そんなことをしなければならない、女の悲しみのかけらもない。
「小説宝石」だからねえ。「お色気、ひとつお願いしますよ」
ってな感じなんでしょうかねえ。

まあねえ・・これはミステリーなんだし、その謎めいた女や
失った記憶の謎、というところを楽しめばいいもんなんでしょうけど。
まあ、二時間ドラマですね。
記憶喪失、謎の女、豪華な億ション。
ジャ、ジャ、ジャ、ジャ~~~ン・・っていう。
ミステリーというのは、うまく騙されてなんぼ、そのうまく騙された
忘我の時間を楽しむものなんですが。
ちょっと騙されて損した気持ちになるのは、何ででしょう。
うわあ・・酷評やなあ。

ただ、交通事故というものの理不尽さは、ほんとにそうだと思います。
本当に、何の理由もなく、理不尽に殺されてしまう。
そして、そのことに対する社会的な支援も、フォローもまだまだ
きちんとは整備されていないのが現状です。
対人無制限、なんていう保険会社のうたい文句が、どれほどウソに
満ちたものであるのか・・。残されたものの背負う苦しみが
やはり、軽くしか見られていないんですよね・・。
この冒頭の、車で体が潰れていくシーンは、非常に恐ろしい。
車を運転するものとして、気をつけなければ。
今日、真っ暗な道を右折しようとして、無灯火で走ってきた自転車に
ひやっとしました・・。皆様、自転車はちゃんとライトを点けてくださいね(ノ><)ノ

おいしい本箱 http://www.oishiihonbako.jp/index_f.php


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この記事へのコメント

じゃじゃまま
2008年03月26日 21:38
冒頭の交通事故はズンと来るものがありました。
でも本当、共感できる人いませんでしたね~。恋人がどうにかなっちゃってても「欲をかくからだ」で終わっちゃうし、彼女も入院中に家捜ししてとんずら?
刑事も、警察官ですよ~、そのわりにあっさり被害者。
ERI
2008年04月03日 20:47
>じゃじゃままさん
コメントありがとうございました。
共感する人が、こんなにいない小説も珍しかったですねえ(笑)
何だか、読んでるうちに、そくそくと寂しくなってきちゃって。この人たちの大切なもんって、何だろう?とか思っちゃいました。ミステリーだから、そんなところは、いらない、っちゃあいらないんでしょうが・・。